脳内で「バカにするやつは殺せ」「殺せ」と声が――ナマケモノと頭の中の声の漫画、まさかの展開に「優しい世界」「私もほしい」の声
よくあるサスペンス展開かと思いきや。
頭の中で「殺せ」「殺せ」と何か別の声が聞こえてくる……というSF作品で見掛ける演出。会社で同僚にばかにされているナマケモノに同様の「頭の中の声」が発生し、殺伐とした展開になると思いきや、なんだかほのぼのしてしまうギャグ漫画がTwitterで3万回以上リツイートされるなど人気を集めています。作者はてらだこうじ(@teradakouzi)さん。
「ナマケモノさんってほんとノロイよね」「ほんとノロイ」と、職場で笑われている主人公のナマケモノさん。自分には自分のペースがあるからね……と心の中で納得していると、頭の中に「お前をノロマというやつを殺せ」「お前をバカにするやつは殺せ」と謎の声が語りかけてきます。
声に触発されてナマケモノさんはペンを握り、同僚を刺そうとしますが何とか思いとどまります。「殺せ」「殺せ」と鳴り止まない声。何だこの声は、誰かを殺してしまいそうになる……恐怖を感じるナマケモノさん。抑圧した暴力的欲求が別人格となって話しかけてくる、なんてサスペンス作品がありますが、ひょっとして彼にも同じようなことが?
ナマケモノさんの平穏は保たれるのか――しばらくしても「殺せ」の声は鳴りやみません。家の中でリモコンの電池を取り換えているとき「電池ってどうやって捨てるんだっけ」と独り言を言うと、頭の中の声が「電池は危険物だ」「この地域だと出すのは木曜日だ」と捨て方を教えてくれました。めっちゃ普通に話しかけてきた。
その後もピーマンとかぼちゃの適切な保存方法を教えてくれたり、こたつで寝ていると注意してくれたりと、日増しに優しくなっていく頭の中の声。数カ月後――家で雑誌を読むナマケモノと「その子可愛いよね」「そーだね」とフランクに会話していると、頭の中の声が「最初の頃イキっててごめんね…」と謝罪。「いいよ別に」と2人はあっさり和解するのでした。第一印象悪かった2人があとから親友になっているやつじゃんこれ!
頭の中の声が殺意を促してくるというサスペンスから、最終的にはその声とくつろいで雑誌を読む仲になるという優しい展開に、Twitterでは「最後爆笑しました」「なんという平和な世界か」「なにこれむっちゃいい」とほっこりする人が続出。「自分にもこんな声が聞こえたら」「うちの脳内にも欲しい」と頭の中の声との共生を求めるコメントも多く寄せられていました。確かに、頭にこんな声が聞こえたら楽しいのになぁ。
作者のてらだこうじさんは、オモコロで漫画「メデューサちゃん」を連載中。2018年11月には青林工藝舎より単行本『2年8ヶ月』を発売しています。
画像提供:てらだこうじ(@teradakouzi)さん
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