「オリジナルキャラにこだわりすぎて設定を2万字考えた」アキバの“オタクのための美容室”、大阪と池袋に進出
美容師さんもオタクばかりの店です。
オタクな美容師さんに施術してもらいながらアニメやゲームの話ができる――そんなオタクのための美容室「OFF-KAi!!」が店舗を拡大しています。3月1日に大阪市にOSAKA店をオープンし、4月上旬には東京・池袋にOFF-KAi2!!をオープンします。
OFF-KAi!!は2016年に東京・秋葉原にオープン。店内にはアニソンを流し、漫画がずらりと並んだ本棚を置き、かわいいオフィシャルキャラクターも。公式サイトの美容師のプロフィールには「好きなアニメ」「好きなアニメキャラ」が記されています。
拡大するオタクのための美容室。あらためて立ちあげのいきさつや新店舗について、代表の茂木賢太さんに聞きました。
自身も「Aチャンネル」や「苺ましまろ」などが好きだというオタクな美容師の茂木さん。始まりはオタク友達との「アニソンが流れててアニメの話ができて置いてある雑誌もアニメ系の雑誌な美容室があったらいいよね」という何気ない会話だったといいます。その後次第にそんなお店をオープンできるのではないかという思いに変わっていき、オープンに至ったとしています。開店資金の一部をクラウドファンディングで募ったところ、目標の2倍に達する資金が集まりました。
ちなみに大変だったのはオリジナルキャラクターの作成で、「こだわり過ぎてそのキャラが住む異世界設定を2万字ほど考えたのですが、それが楽しかったけど大変でした」と茂木さん。
現在、お客さんの99.99%がアニメやゲームなど何かしらのオタクで、特に男性が多いとのこと。コスプレイヤーなど生産者側の人よりも、茂木さんのような一般の消費者側のオタクが大半と感じているとしています。
アニメ好きのお客さんが多いだけに、「キャラクターと同じ髪形にしてほしい」という依頼も多いのではないかと思ってしまいますが、たいていのお客さんは社会人なので派手なオーダーは多くはないそうです。
「中にはアニメのキャラの派手な髪色にしたり、超サイヤ人ブルーの色と形にしたいとおっしゃられる方もおりますが、大体のアニメキャラヘアーオーダーは職場でも怒られない程度の髪型で、おそ松さんや三日月宗近、最近ですとゾンビランドサガの巽幸太郎など、カラーもイベント前に推しの髪色をインナーカラーで入れるなど、社会に溶け込めるオーダーが一般的となっております」(茂木さん)
これまで印象に残ったことなどを聞いたところ、SNSでお客さんに「まさか美容室に行くのが楽しみになる日が来るとは思わなかった」と言われてうれしかったこと、コミケで並んでいたら隣の列に奇跡的にお客さんも並んでいてそこで挨拶したことと答えてくれました。
池袋店は女性オタクがターゲット
新店舗を大阪にオープンした理由については、東京になかなか来られない人から関西に支店を作ってほしいという要望が多かったため。「東京で需要があれば日本の主要都市であれば同じぐらいの需要はあるだろうと思っていたので、秋葉原店オープン前から関西出店は考えていたのですが、やはりそういったご要望をいただいたことからフランチャイズではありますが出店に踏み切りました」。大阪店は少しカラーの特色が強くなっているものの、秋葉原店同様にさまざまなオタクの方に来てもらえるようなコンセプトになっているといいます。
また池袋に出店するのは、女性のオタクが最も集まる街だから。「秋葉原店のお客様は男性がメイン層になっておりますので、女性が多少入りづらいのではないかと思い、女性オタクの方が入りやすいお店を池袋に作ろうと決断しました」と茂木さんは語ります。秋葉原より少し女性向けのコンセプトに寄せる予定で、「たくさんの女性オタクの方に顧客になって頂けたら秋葉原店のお客様と池袋店のお客様をつなぐようなオタク婚活のお手伝いができたらとも考えております」と先の展望についても話してくれました。
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