「音に殺される」 ブラックな仕事で聴覚過敏になった実体験を描いた漫画 「本気でダメだったら逃げて」が胸に刺さる

聴覚過敏(感覚過敏)は誰にでも起こりうる。

» 2019年03月21日 19時30分 公開
[林美由紀ねとらぼ]

 普通に働いていたら聴覚過敏になってしまった――自身の体験を描いたレポ漫画「仕事の愚痴と聴覚過敏」に注目が集まっています。作者はちゃぼ(@p_ChAbO/)さん。


聴覚過敏20 音がグサグサと刺さってくる

 当時金融の営業をしていたちゃぼさんは仕事の成果も出始め絶好調な時期でした。その頃支社の方針で新人教育が撤廃となり、ちゃぼさんは営業をしながら採用や新人教育のリーダーを担うことになります。仕事は増えてもお給料は増えない、そして上からの期待と下からの突き上げがしんどかったといいます。

 しかも、交通費、菓子折り代、文具なども自腹。残業代なし、基本的に賞与なし……さらに、夜中にかかってくるお客さんからのセクハラ電話。それに対応していたところ、「動悸や涙が止まらなくなる」ことが増え、お兄さんの結婚式の日にかかってきた上司からの「明日休日出勤できる?」という何でもない1本の電話にちゃぼさんの心は折れてしまったのです。


聴覚過敏01 聴覚過敏って知ってますか?


聴覚過敏02 患者は多いのに知られていなかったり、間違った認識をされていることが多い「聴覚過敏」


聴覚過敏03 当時、絶好調だったちゃぼさんでしたが……


聴覚過敏04 仕事は増えるもお給料は増えない


聴覚過敏05 「みんなそれで働いているのよ」と一蹴されてしまう


聴覚過敏06 働けば働くほど自腹


聴覚過敏07 夜中の2時のセクハラ電話にも対応する日々


聴覚過敏08 動悸や涙が止まらなくなり……


聴覚過敏09 お兄さんの結婚式の日に心が折れてしまったちゃぼさん


聴覚過敏10 心が折れ、苦しさに涙が

 そしていつの間にか耳に不思議な症状が出るように。まるで「突然鼓膜から脳に向けてアイスピックで刺されたかのよう」だったといいます。症状を調べたところ「聴覚過敏」のようだと判明。この頃は「音に殺される」と思ったほどで、会社を依願退職することに。退職する日、上司に「聴覚過敏ってこういう音もダメなの?」と机を大きな音でたたかれたことは今でも思い出すといいます。上司、無理解すぎる……。

 ちゃぼさんは、今もなぜ自分は働けないのかというつらく悲しい思いを持ちながら過ごしていると述べています。その中で、聴覚過敏や感覚過敏は誰にでも起こり得ること、「自分の身を守れるのは自分だけ」「本気でダメだと思ったら他人の目を気にせずに逃げることを決断してください」と伝えています。


聴覚過敏11 耳が変に


聴覚過敏12 音がまるで鋭利な凶器に


聴覚過敏13 「音に殺される」


聴覚過敏14 聴覚過敏は耳がよくなったわけではない


聴覚過敏15 食器の音や話し声も怖い


聴覚過敏16 なんてことを……!


聴覚過敏17 今も職に付けず苦しい気持ちに


聴覚過敏18 聴覚過敏は誰にでも起こり得る


聴覚過敏19 自分の人生を守れるのは自分だけ

 人は自分が経験したことでしか理解ができないことも多く、「見えづらいつらさ」を理解することは難しいのかもしれません。しかし、この漫画は聴覚過敏について知ることができ、また、聴覚過敏は誰にでも起こりうること、本当にダメな時は逃げることを選択をするべきなのだと教えてくれる漫画です。

 漫画を読んだ読者からは「聴覚過敏について知ることができた」というコメントや「自分も外から分かりづらい病気なので気持ちは分かる」「周囲の無理解はつらい」「自分を守れるのは自分だけに心から同意」など、聴覚過敏の人、光過敏やぜんそくなど外から見て分かりづらい症状を持つ人からの共感が寄せられています。

 作者のちゃぼ(@p_ChAbO/)さんはイラストや漫画をTwitterとpixivで公開しています。

画像提供:ちゃぼ(@p_ChAbO/)さん



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた