「音に殺される」 ブラックな仕事で聴覚過敏になった実体験を描いた漫画 「本気でダメだったら逃げて」が胸に刺さる
聴覚過敏(感覚過敏)は誰にでも起こりうる。
普通に働いていたら聴覚過敏になってしまった――自身の体験を描いたレポ漫画「仕事の愚痴と聴覚過敏」に注目が集まっています。作者はちゃぼ(@p_ChAbO/)さん。
当時金融の営業をしていたちゃぼさんは仕事の成果も出始め絶好調な時期でした。その頃支社の方針で新人教育が撤廃となり、ちゃぼさんは営業をしながら採用や新人教育のリーダーを担うことになります。仕事は増えてもお給料は増えない、そして上からの期待と下からの突き上げがしんどかったといいます。
しかも、交通費、菓子折り代、文具なども自腹。残業代なし、基本的に賞与なし……さらに、夜中にかかってくるお客さんからのセクハラ電話。それに対応していたところ、「動悸や涙が止まらなくなる」ことが増え、お兄さんの結婚式の日にかかってきた上司からの「明日休日出勤できる?」という何でもない1本の電話にちゃぼさんの心は折れてしまったのです。
そしていつの間にか耳に不思議な症状が出るように。まるで「突然鼓膜から脳に向けてアイスピックで刺されたかのよう」だったといいます。症状を調べたところ「聴覚過敏」のようだと判明。この頃は「音に殺される」と思ったほどで、会社を依願退職することに。退職する日、上司に「聴覚過敏ってこういう音もダメなの?」と机を大きな音でたたかれたことは今でも思い出すといいます。上司、無理解すぎる……。
ちゃぼさんは、今もなぜ自分は働けないのかというつらく悲しい思いを持ちながら過ごしていると述べています。その中で、聴覚過敏や感覚過敏は誰にでも起こり得ること、「自分の身を守れるのは自分だけ」「本気でダメだと思ったら他人の目を気にせずに逃げることを決断してください」と伝えています。
人は自分が経験したことでしか理解ができないことも多く、「見えづらいつらさ」を理解することは難しいのかもしれません。しかし、この漫画は聴覚過敏について知ることができ、また、聴覚過敏は誰にでも起こりうること、本当にダメな時は逃げることを選択をするべきなのだと教えてくれる漫画です。
漫画を読んだ読者からは「聴覚過敏について知ることができた」というコメントや「自分も外から分かりづらい病気なので気持ちは分かる」「周囲の無理解はつらい」「自分を守れるのは自分だけに心から同意」など、聴覚過敏の人、光過敏やぜんそくなど外から見て分かりづらい症状を持つ人からの共感が寄せられています。
作者のちゃぼ(@p_ChAbO/)さんはイラストや漫画をTwitterとpixivで公開しています。
画像提供:ちゃぼ(@p_ChAbO/)さん
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決めつけずに、知ろうとすることが大切。【追記修正あり】
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