“意思を持った石”をめぐる不思議なお話 漫画「温室のある廃病院」が胸に深く響く(1/2 ページ)

きれいで不思議で深い物語。

» 2019年03月26日 20時00分 公開
[ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 “意思を持った石”が存在する不思議な世界で、「温室のある廃病院」で繰り広げられるお話を描いた漫画がTwitterで人気を博しています。

 物語の舞台は、意思を持つ“石”が存在する世界。“石”はあらゆる物質と融合して精霊やモンスターになるため危険なものとみなされ、政府が管理し、無断所持が禁じられています。そんな中、ある廃病院に“石”があるとの知らせを受けて、町から「対話者」(交渉人)が派遣されます。石の無断所持は町全体が罰を受けるため、対話者はことを穏便に収めるために送られたのです。

廃病院に意思を持つ“石”と融合した子どもが――?

 しかし「せんせい」と呼ばれる廃病院の住人は、“石”と融合したと思われる子ども「デク」は「自動人形」だと対話者を追い返しました。せんせいがデクにさまざまな雑用を言いつけ、きつく当たっているのを目にした対話者は、「ここにいるのは君のためにならない」とデクを説得しようとしますが、デクは「せんせいのお世話をするのが仕事です」と言い張ります。

 説得に応じようとしないせんせいに、“石”は予測不能で危険だと主張する対話者。しかしせんせいは「不気味な生きる石を安全な場所に隔離して安心したいんだろう」と反論し、廃病院に来るはずだった「本物の対話者」が死んでいることを指摘します。追い詰められた対話者は“石”に対する嫌悪を露呈して襲いかかってきますが――しかし、実はせんせいこそが“石”と融合した生き物だったのです。

 言葉は厳しく態度はつっけんどんながらもデクを大切にするせんせいと、せんせいを慕うデク。互いを大事にする2人の関係は、“石”という異質な存在を危険とみなし、忌避し、隔離したり利用したりしようとする人間とは対照的です。“石”のせいで世界がややこしくなったという対話者に向けた、「俺たちは何一つ世界を変えちゃいない。はじめからあんたたちの隣で生きていた」というせんせいの言葉が重く響きます。

 同作は漫画家の本郷地下(@chika_london)さんは以前に描いた作品。本郷さんはWeb Newtypeで映画館を舞台にした漫画『明日、シネマかすみ座で』を連載中です。

温室のある廃病院

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/22/news047.jpg 刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
  2. /nl/articles/2412/18/news207.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
  3. /nl/articles/2412/21/news040.jpg 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  4. /nl/articles/2412/22/news034.jpg 後輩が入手した50円玉→よく見ると…… “衝撃価値”の不良品硬貨が1000万表示 「コインショップへ持っていけ!」
  5. /nl/articles/2412/21/news019.jpg 毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
  6. /nl/articles/2412/22/news036.jpg 「これは家宝級」 リサイクルショップで買った3000円家具→“まさかの企業”が作っていた「幻の品」で大仰天
  7. /nl/articles/2412/21/news023.jpg 「人のような寝方……」 “猫とは思えぬ姿”で和室に寝っ転がる姿が377万表示の人気 「見ろのヴィーナス」
  8. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  9. /nl/articles/2412/17/news042.jpg 山奥で数十年放置された“コケと泥だらけ”の水槽→丹念に掃除したら…… スッキリよみがえった姿に「いや〜凄い凄い」と210万再生
  10. /nl/articles/2412/22/news020.jpg 余りがちなクリアファイルをリメイクしたら…… 暮らしや旅先で必ず役に立つアイテムに大変身「目からウロコ」「使いやすそう!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」