なぜ実写「賭ケグルイ」の浜辺美波はあんなにも滾るのか――本人に聞いた(1/2 ページ)
浜辺さんに滾りまくりです。
目の色が違う作品――人気漫画『賭ケグルイ』の実写化で、キャストが見せる狂気めいた姿は、そんな風に形容できます。中でも、ヒロインで主人公の蛇喰夢子を演じる浜辺美波さんは特に。
河本ほむら原作/尚村透作画による『賭ケグルイ』は、ギャンブルの強さが全てで、ギャンブルによる弱肉強食が絶対のおきてとしてまかり通る学園を舞台にしたギャンブルバトルストーリー。個性的なキャラクターが“賭け狂い”、狂気の沙汰に快楽を覚える姿は人気を博し、2017年夏にテレビアニメ化、さらに2018年1月には映画「トリガール!」「あさひなぐ」などで知られる英勉監督により実写ドラマ化。浜辺さんの他、森川葵さん(早乙女芽亜里役)、高杉真宙さん(鈴井涼太役)らが漫画のような“豹変”を見せ、骨の髄から“滾った”演技が話題となりました。
その勢いは止まらず、2019年1月からはアニメ第2章となる「賭ケグルイ××」が放送。2019年3月末からドラマ「賭ケグルイ season2」、さらに、2019年5月3日には「映画 賭ケグルイ」が全国公開となります。最高にハイってやつだぁぁぁ!
狂気と魔性を宿す夢子を演じる浜辺さんは、第41回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した他、映画「君の膵臓をたべたい」(2017年)など、もはや東宝シンデレラオーディションのニュージェネレーション賞受賞までさかのぼらなくても、出演作品で語ることができる若き女優。「賭ケグルイ」では、それまでのイメージとは懸け離れた役柄を演じ一皮むけたことを感じさせます。10代で若手女優を代表する存在となりつつある浜辺さんにお話を聞きました。
役作りするときは「この人にとって一番大事なものは何か」を考える
―― 「賭ケグルイ」のseason2と映画版が怒濤(どとう)の勢いで押し寄せてきました。
浜辺 続編の話はseason1のオンエア中に知ったのですが、season1を撮っていたときからキャストのみんなで「2があるといいね」と話していましたし、私自身、season1で描かれなかった好きな原作エピソードもあったので、また演じられてうれしいです。
―― season1では原作のどこまで描くか明かさず放送されていましたが、ドラマは原作に沿ってseason1の続きを、映画はオリジナルストーリーですね。ドラマでは乃木坂46の松村沙友理さん演じる夢見弖ユメミとのアイドル対決なども注目しています。
浜辺 アイドル対決……歌って踊って頑張りました(笑)。映画は新たなキャラクターも出てきて、大勝負もあるので、そこがドラマとは違います。原作がある作品でオリジナルストーリーというのは珍しいので新鮮な気持ちでしたし、それまでずっとロケや場所をお借りしての撮影だったのが、映画用のセットでの撮影はテンションが上がりました。
あと、今回は映画用に、トランプさばきを学ぶ学校から先生が来てくださって、キャストそれぞれで異なるトランプさばきを習得しているので、そちらも見ていただきたいです。
―― 浜辺さんはカードさばき得意ですか?
浜辺 私は一番下手だったと思います(笑)。森川さんと松田るかさん(皇伊月役)は手先が器用でとても上手にカードをさばいていました。ハンドクリームを塗るとカードを扱いやすくなるんですが、私はクリームに頼りっきりで、一番塗っていた気がします。
―― ドラマと映画で違いを挙げるとすれば?
浜辺 ドラマの夢子はどちらかといえば相手をもてあそんで転がすようなシーンが多く、純粋にギャンブルを楽しんでいる印象ですけど、映画はちゃんと賭け狂うというか、みんなの大事なところが見えるように感じました。
あとは、映画の方が自由度も高く、オリジナルのよさも感じます。皆で作り上げてきたキャラクターや設定をオリジナルの脚本でさらに自由に羽ばたかせた印象です。原作のファンの方にも新しい気持ちで見ていただけるんじゃないかなと思います。
―― 「賭ケグルイ」の世界は独特で、キャラも個性的。実写でもオーバーなほどのお芝居や演出ですが、浜辺さんは夢子をどう解釈し、どう役を作り込んでいるんですか?
浜辺 私が役作りするときは、「この人にとって一番大事なものは何か」を考えることが多いです。夢子にとってはそれが“賭け事”で、それでワクワクすることが本当に生きる楽しみ。夢子を構成するものの大部分が賭けなんだなと。夢子は何が本当なのか嘘なのか分からない部分があって、お芝居が嘘くさくてもいいんだろうというのがあります。決めるときに決めないといけない作品なので、カメラの位置をちゃんと見るようになりましたね。
―― なるほど。ちなみに浜辺さんを構成しているものは?
浜辺 お芝居と食、ですね。
一線を越えて、限界を超えるくらい賭け狂わなきゃならない――
―― 浜辺さんと夢子との距離は縮まりましたか? より理解が進んだ部分は?
浜辺 賭け狂うシーンは毎回、撮影の前日から緊張してます。特に今回、映画版では、最後の賭け狂うシーンで、それまでにないほど気持ちが高揚して頭が真っ白になったんですが、せりふを意識しなくても出ちゃうぐらいのテンションでやれたんです。それはseason1を経たからこそできたことだと思いますし、夢子とシンクロできたように感じました。
―― 浜辺さんの顔芸もさらにパワーアップ……?
浜辺 そうですね。顔芸度がまた上がっているんじゃないかと(笑)。season1のときもそうでしたが、今回も現場ではモニターの前にほとんど行かないようにしていたので、自分がどう賭け狂えているかを見るのが楽しみです。
―― 「賭ケグルイ」にかかわることで見えてきた課題などはありますか?
浜辺 season1はとても自由にやらせていただいたのですが、迷ったときにやらなかったり、控えめになりがちだったりした部分もありました。もっと自由でいられたらより楽しいだろうし、作品にとってもすごくいいだろうと思ったので、もっと周りの皆さんを頼ってやりたいと思っています。
―― 夢子を演じたことで、ギャンブルへの興味は?
浜辺 最初はレイズとかベットなどの用語も聞き慣れないようなものでしたが、どちらかといえば興味が湧きましたね。season1から2にかけて現実の世界ではカジノ法案が可決されたりして、賭け事が少し身近に感じられるようになりましたし。夢子のようにお金を掛けすぎるのは本当に怖いですけど(笑)。
―― ちなみに、アニメ「賭ケグルイ」はご覧になりましたか?
浜辺 はい。もともと原作の漫画は読んでいて、アニメでどれくらい賭け狂うのかと思っていたのですが、見ていてゾクゾクする夢子の賭け狂い方! 絵も声もすごく狂っていて本当に面白く、これを実写でやることにプレッシャーを感じました。
実写では、キャストとスタッフが原作をすごくリスペクトした上で、コスプレにならないようなギリギリのラインで自由に大暴れしていますが、賭け狂うところやテンションが高いところは、一線を越えて、限界を超えるくらい賭け狂わなきゃならないなと。アニメだと表情のデフォルメのようにさまざまな技術で表現できますけど、実写だとそれができない分、人同士でもっと賭け狂っているのを伝えなきゃいけないので。
―― 共演者の森川葵さんや高杉真宙さんをはじめ、キャストの関係性がチームのようになっているように見えます。現場の雰囲気はどうでしたか?
浜辺 とにかくチームワークがよくて、楽屋とかではワイワイ話す現場です。周りは皆さん先輩ですけれど、すごく仲良く笑いが絶えなくて。監督も毎朝メイクルームに来てくださっていろいろお話しすることで距離も近くなったように思います。
撮影では段取りに何より時間を掛けていて、自分がやりやすいようにとにかく時間をかけて調整しますね。皆さんの力をお借りして。本番に全てを賭けていくというか、皆さんを信じてとにかく全力を出すように意識しています。
―― 新たに学園の生徒会長である桃喰綺羅莉役の池田エライザさんも加わりました。
浜辺 生徒会長が池田さんに決まったのを聞いたときは最高にピッタリだと思いました。以前別の作品で共演し、連絡先も知っていたので「ご一緒できて、池田さんが生徒会長ですごくうれしい」とすぐに伝えました。
池田さんのお芝居で印象的だったのが、夢子たちが賭け狂っているのを見て「金魚(鉢)みたい」と言い放つところ。高いところから人を見下ろす人の気持ちというか、生徒会長の考え方が知れた気がして、衝撃的でしたが納得もできました。
劇中でも、池田さん演じる生徒会長と夢子が目を合わせたままお互いほとんど動かず対面して座るシーンがあるのですが、貫禄というか威厳があって、目を見て話せないほど緊張しました。すごく距離を感じる存在で、対戦したいと言うか、そんな気持ちが湧いた気がします。
―― 2017年は映画「君の膵臓をたべたい」で飛躍し、2018年は「賭ケグルイ」出演もそうですが、アルバイト情報サービス「an」の新CMでアニメ「ポプテピピック」とコラボしてかわいさ旋風を巻き起こしてくれたりと、型にはまらないですね。
浜辺 anのCMはずっと漫画も読んでいたあのポプテピがまさかCMに進出するんだと衝撃的でしたし、コラボさせていただけてとてもうれしかったです! アニメのこともあり、声はどなたがされるんだろうってすごく気になってました(笑)。
2018年は本当にお仕事にも恵まれましたし、休みの日も卒業に向けて学校に通う日々でした。自分で何かしたいと思ったときに時間が取りにくく、1年を通してみるとあっという間でしたけど、撮影の現場では毎回すごく長いと感じていたように思います。
2019年は高校も卒業して、お芝居や仕事につながることに時間を掛けられるので、豊かな年にしたいと思っています。いろいろなことに“猪突猛進”で真っすぐ迷わず向き合っていきたいです。いのしし年ですからね(笑)。
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