ブーム終了? 大苦戦する「しまむら」は挽回できるか(2/2 ページ)
店舗から「しまむら」らしさ薄れる
最新トレンドを低価格に楽しめる「ファストファッション」の波に乗った「ファッションセンターしまむら」は、発火点から約10年を経てブームが終了したように見えます。
背景として指摘されているのが、近年になって進めていた販売商品数の絞り込みや陳列方法の変更です。これにより、店内から「掘り出し物を見つける」という「しまむら」の楽しさが薄れた──という指摘です。
- 「アイテム数を減らしすぎたことで、しまむら特有の“雑多感”が薄れ、多数ある商品の中での“宝探し”を醍醐味に感じていた固定客が離反」(「東洋経済オンライン」18年4月3日付)
- 大量生産によるコストダウンを図るユニクロ型ビジネスモデルへの転換に疑問、ブランド力に課題、ネット対応への遅れ(「NEWSポストセブン」18年4月4日付、ファッションジャーナリストの南充浩氏によるリポート)
- 「多品種の少量販売という従来のスタイルから脱却し、PB商品に注力するという戦略の切り替えが、裏目」に出た可能性(「Business Journal」18年9月3日付)
今年1月、しまむらの目標株価を8400円に引き下げた三菱UFJモルガン・スタンレー証券も、「商品・売場作りの見直しなどで来店動機を高め販売不振に歯止めをかける」必要があると指摘しています。
比較されることの多い「ユニクロ」(ファーストリテイリング)は、世界進出を積極化することで生産規模を着々と引き上げる一方、著名デザイナーとのコラボなどを通じてブランドも強化。しまむらが初のオンラインショップを18年6月にオープンしたのと対照的に、ユニクロは店舗アプリと通販アプリを統合するなど、リアルと同様にネット販売にも注力しています。
しまむらは、2019年2月期のしまむら事業について、
20代〜50代の主婦とその家族をターゲットとするしまむら事業では、お買い物の楽しさと信頼感の回復を図るため、アウター商品を中心にアイテム数を拡大、高感度・高品質なプライベートブランドの「CLOSSHI PREMIUM」を開発し展開します。同時に売場の部門配置の適正化を進め、アイテム数と陳列量を増加させるため2020年型レイアウトへの変更を売上上位店より順次行います。
(決算短信より)
と説明。「しまむら」らしい店作りを目指す一方、高品質なプライベートブランド(PB)開発でSPA(製造小売り)としてのブランド力向上も図っていく考えのようです。
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