巨大クジラ標本、圧巻のどうぶつ大行進、科博を支える職人の貴重な原画 国立科学博物館「大哺乳類展2」開催中(1/2 ページ)
哺乳類たちが上野に帰ってきた!
国立科学博物館(東京・上野)で「大哺乳類展2」が開催しています(2019年3月21日〜6月16日)。2010年に開催した「大哺乳類展 陸のなかまたち/海のなかまたち」以来、9年ぶりに“哺乳類”をフォーカスした展示。地球上に棲むさまざまな哺乳類たちがどのようにして生き残ってきたのか、剥製や骨格標本など500点以上の圧倒的ボリュームとロコモーション(移動運動)、食べる・産む・育てるという3つの大きな視点でひもといていきます。
会場中央にある大迫力の剥製標本の大行進や、俳優の瀬戸康史さんと各分野の先生たちがナビゲーターを務める音声ガイドなど、見どころたっぷりな本展。中でも、巨大標本から見るマッコウクジラの生態や、ここでしか見られない職人技など、本展をもっと楽しめるお勧めポイントを3つ紹介します。
見どころ その1「骨から感じるクジラの生態」
会場の天井につるされている大きなクジラ、これは「マッコウクジラ」の全身骨格標本です。体長およそ16メートルの巨大標本は、2005年7月に鹿児島県南さつま市の海岸に漂着したオスのもので、本展の目玉ともいえる展示です。
マッコウクジラといえば体長の約3分の1を占める頭部の出っ張が特徴的。ここにはしま模様の脂肪組織と脳油が詰まっています。その為、骨格単体で見たとき、頭部が空洞で構造が分かりづらく、子どもたちから「これはマッコウクジラなの?」と聞かれることが多かったそうです。
そういった声に応えるべく作られたのがこの巨大標本。実際の骨と組み合わせた骨格が見える左側と、発泡スチロールで肉付けした右側、両方を見ながら体の中にどうやって骨が収まっているかを見られます。
マッコウクジラの頭部に大きな脳があることや、胸ビレに人間の手と同じような骨や関節があることを知ると、われわれ人間と同じ哺乳類だということをより感じられます。「大哺乳類展 陸のなかまたち/海のなかまたち」での頭部のみの展示から9年。パワーアップして帰ってきた全身骨格標本は必見です。
他にも、現生のクジラ類を2分する大グループの一つ「ヒゲクジラ」の“食べる”に着目した展示や、イルカの胸ビレのヒミツ、ミンククジラとシャチ頭骨の“動く展示”など、海棲哺乳類たちの生態を楽しみながら学べます。
見どころ その2「由比ガ浜に漂着したシロナガスクジラ」
2018年8月、由比ガ浜(神奈川県鎌倉市)に漂着した、生後数カ月とみられるシロナガスクジラ。体長およそ10メートルの巨体が岸に打ち上がっている様子は、当時多くのメディアが取り上げました。
会場内では最新の調査結果とともに、貴重な頭骨などを展示。田島木綿子先生(動物研究部脊椎動物研究グループ研究主幹)を始め、他の大学や水族館、地元住民らが協力して行った現地調査や輸送、解体から標本化に至るまでが克明かつ分かりやすく報告されています。
ニュースだけでは知られなかった当時の状況や、環境問題、今後の取り組みを知ることで、今よりももっと海で暮らす哺乳類たちに親しみを持てるかもしれません。
見どころ その3「科博を支える職人、渡辺芳美さんのクジラの絵」
また、国立科学博物館歴50年超を誇る、標本作製師の渡辺芳美さんが描いたクジラの絵の原画が、会場内「Art of Mammals(アート・オブ・ママルズ)」で展示されています。
渡辺さんは、同館が監修・発行している「世界の鯨」ポスターの、1990年の初版から2014年の第4版までに載っている世界中の主なクジラ83種を描いた人物(関連記事)。高校在学中から半世紀以上、同館に勤め、哺乳類の骨の整理や鳥の標本づくりなどの業務の傍ら、内職のような形で描き続けてきたものです。
これらの展示は本展が初めて。これまで標本庫の奥にある作業机の横で大事に保管されていた渾身(こんしん)の絵が間近で見られます。体の模様一つ一つまで、神経をすり減らして描き上げた渡辺さんのクジラの絵は、職人の技が光っています。
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