連載終了直後にマンガ全話を“永久無料公開” ヤンジャン作家の大胆な企画に「すごい」「太っ腹」と反響

「多くの人に読んでほしい」――マンガ『クノイチノイチ!』の作者が発表した企画と思いにTwitterで反響が。

» 2019年04月14日 16時36分 公開
[黒木 貴啓ねとらぼ]
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 集英社の青年向けマンガ雑誌『週刊ヤングジャンプ』で『クノイチノイチ!』シリーズを連載してきた金沢真之介さんが、連載終了に伴い“全話を永久に無料で公開”する企画を発表しました。Twitterでは企画の太っ腹さと、金沢さんの「多くの人に読んでほしい」という思いに、驚きや支援の声が多く寄せられています。

自分の連載作品が終了となり、「多くの人に読んでほしい」という思いを発信する金沢真之介さん(画像提供:@koikanazawaさん)

「となりのヤングジャンプ」、『クノイチノイチ!』の無料公開ページ

 『クノイチノイチ!』は2016年9月から2017年10月まで第1部、2018年2月から第2部が連載されていたラブコメ作品。女の子に見える気弱な男子高校生が江戸時代にタイムスリップしてしまい、現代に帰る手掛かりを得るために女装してくノ一学園に潜入する物語です。忍術のおかげでさまざまなラッキースケベが発生する――というお色気シーンで人気を集めました。


 2019年2月からは同誌の兄弟サイト「となりのヤングジャンプ」に移籍連載していましたが、4月7日に最終回を迎えることに。そこで金沢さんは「夢だった漫画家になって、感じたこと」を振り返りながら、今回の企画を告知する4ページマンガをTwitter(@koikanazawa)で公開します。

金沢真之介さんのエッセイ&告知マンガ(画像提供:@koikanazawaさん)

 金沢さんは昔からマンガが大好きで、初めて買ったコミックスは10歳のころの『NARUTO』22巻だったという生粋のジャンプっ子。楽しみながらも応援していた作品が惜しくも人気が出ずに連載終了となっていくたび、「こんな面白いのになんで」と悲しみや悔しさを覚えていました。




 しかしいざ自身がマンガ家になり、『クノイチノイチ!』が終わりを迎えてしまって強く実感します。「読者側だった頃よりも10000000倍は悔しい……!」と。そこで「このまま終わるのは心残りで 何より読者の方に申し訳ない」「もっと沢山の人に読んで欲しい」という思いから、『クノイチノイチ!』の全話を「となりのヤングジャンプ」やアプリ「ヤンジャン!」で無期限で無料公開する企画を用意した、と発表しました。

 すでに両媒体では第1部の全47話+外伝1話が無料で読めるように。内容としては原作をそのまま公開するのではなく、過激なお色気表現を部分的に修正して「コミックスで見てね」と案内する実験的なものとなっています。もちろん読者に性的な表現を配慮したものでもありますが、無料作品の魅力をより堪能したい人は単行本を買う――無料アプリの課金モデルに近い取り組みともいえそうです。

 とはいえ人気誌の連載作品を“永久に無料で”公開というのはかなり大胆。しかも終わったばかりの第2部も5月中には無料公開すると告知しています。この大盤振る舞い、了承した編集部もすごい……!

 Twitterでは企画の斬新さに「ただただ凄い」「太っ腹過ぎる」「思い切りましたね…決断凄いと思います…」「この方針に編集部が協力したのすごいな」と驚きの声が続出。また連載終了となってしまった作品の可能性を探る姿勢に、「じゃんじゃん実験して人気出るようになるといいですね」と声援が送られています。

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