「保育園の散歩は大事なコト」 過度の自粛を懸念したエッセイ漫画で知る、たかが散歩 されど散歩
子ども心身の成長に大きくかかわる「お散歩」。
大津市大萱(おおがや)で8日に発生した、信号待ちをしていた園児らを襲った痛ましい交通事故。この事故の影響で、全国で日々の散歩を一時中止する保育園が複数現れています。こうした状況を受けて、過度の自粛を心配したTwitterユーザーのあすかさん(@ateliersmile905)が投稿した、子どもにとっての散歩の大切さを伝える漫画が注目を集めています。
あすかさんは、1歳の息子さんを持つお母さん。お子さんは園庭のない小規模園な保育園に通っていて、園では毎日隣接する公園で外遊びをしたり、園の周辺を散歩したりしています。
保育園からは毎日の出来事がスマートフォンに届けられるようになっており、写真付きで「今日は公園が混んでいたので、園の周辺をお散歩しました」といった具合で、子どもたちの様子を知ることができるのだそうです。
とはいえ、同園では歩いて出掛けられるのは2歳になってから。あすかさんは「お散歩っていっても、1歳児はバギーだしな……意味はあるのか……?」と疑問に思っていたそうです。ところが、保育園に息子を迎えにいったある日のこと、突然「アッチ アッチ」と、手を引かれました。
息子さんは、あすかさんを歩道に置かれた大きな丸い石まで連れてきてくれました。「まんまう!(まん丸!)」と大はしゃぎの息子さん。あすかさんはふとスマホの保育園からの写真を見やり、そこがお散歩コースで通った場所だったことに気付きます。散歩時はバギーで石に触れなかったからでしょうか、息子さんは本当に楽しそうです。
あすかさんによると、息子さんは保育園近くで犬を飼っている家を知っていたり、石がよく落ちている道や、道端で花が咲いたことを教えてくれたりするそうです。1歳でこんなに道を覚えているなんてすごいなあ。
そして、あすかさんは「きっと保育士さんがたくさん語りかけながら散歩してくださってるんでしょう」と、日々の散歩の時間に思いをはせます。普段は見過ごしがちですが、子どもたちにとっては刺激に満ちた貴重な時間だったんですね。
漫画の読者からは「一部で危険視されているお散歩が、むしろ安全に過ごすための経験になってる」「保育士の端くれとしてこの様に考えてくれてる保護者の方がいるって事が励みになります」「うちの保育園、お散歩自粛になりました 道の安全確認をしてから再開するそうです…なくならないといいな…」「すてきなことを教えてくださってありがとうございます」といった声が。子どもにとっての散歩の意味について気付かされた人が多いようです。
大津市の事故後、5月9日にはTwitter上で、日ごろの保育士への感謝と理解を呼びかけるハッシュタグ「#保育士さんありがとう」がトレンド入りするほどの盛り上がりを見せていました。子どもたちが安心して出掛けるためには、社会全体の協力が不可欠なのだとあらためて考えさせられます。
現在散歩を中止している施設でも、安全面を考慮したルートの見直しが済み次第、子どもたちが一日でも早く楽しく出歩けるようになると良いなと思わされる漫画でした。
作品提供:あすか@息子氏2017/9/5生(@ateliersmile905)さん
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