「御朱印フリマ転売」「職員や巫女に暴言や暴力に近い行為」 浅草神社、三社祭特別御朱印の頒布見送りを発表
フリマアプリの転売なども要因のひとつに。
毎年5月に行われる東京都台東区の浅草神社での例大祭「三社祭」を前に、浅草神社が「三社祭特別御朱印」の頒布を見送ると発表しました。理由は御朱印を求める参拝客のマナー違反。
発端は4月27日から5月6日まで浅草神社が行っていた「平成」「令和」の特別御朱印を頒布したときの出来事。事前の告知通り、日にちごとに数量が設けられていたものの、予想を大幅に上回る参拝客が連日押し寄せたことから多くの人が御朱印を受けられないという事態になったと言います。
浅草神社としては、お参りした全ての人に御朱印を頒布したい意向があり、整理券の配布や参拝証明書を発行するなどの対策を行ったものの、それなりの数の参拝客が訪れればどう対応しても相応の時間がかかってしまいました。
そうした状況について浅草神社は、御朱印を求める人の中には8時間並んでたった1枚の通常御朱印をありがたく受ける人もいれば10分でも待たされれば文句を口にする人もいたと言い、参拝客から説明を求められれば事情の説明をしていたと振り返ります。
この説明に多くの人は納得していたものの、中には神社職員や巫女さん(みこさん)に対し、暴言・恫喝また暴力に近い行為に及ぶ人、1人の職員を取り囲んで罵声を浴びせる人々、説明をしている最中に大声を出して遮る人、遠方から来たことを理由に特殊な対応を求める人、整理券をひったくるように受け取る人、神社をサービス業と捉えて受付時間の変更を提案する人、神社が税金で維持管理されていると思っている人、神社に対して全ての人に合わせた対応・改善を現場やSNS等で求める人、その時々の対応を批判する人などが何人も見受けられたとのこと。
これについて浅草神社は「こっちはお客さんだぞ」という人に対しては「二度と来社されないでください」としつつ、「祈りと感謝を捧げる信仰の場である神社に対し、個人の価値観による利便性を求められる風潮となり、大変残念に思います」とコメント。
また特別御朱印や参拝証明書がネットオークションやフリマアプリで転売されている状況についても「断じて看過することはできません」「この行為により、当日御朱印を受けられなかった方がいると思うと悲しくて仕方ありません」として、御朱印の本来の意義をあらためて理解してほしいと呼びかけています。編集部で調べたところ、確かに浅草神社で頒布された平成令和の特別御朱印が9000円近い金額で販売されているケースがあり、この御朱印は売り切れていました。
こうした状況を受け、「令和元年の記念すべき祭礼に合わせて多くの方に特別御朱印をお受け頂きたいところですが、先に記した今回のような事態を鑑みて、また祭礼期間中の混乱を避ける為にも、今年の三社祭特別御朱印の頒布は残念ながら見送らせて頂きます」と三社祭りでの特別御朱印頒布の見送りを発表し、御朱印を求める人に対しては、通常御朱印としての頒布を行うとしています。
浅草神社は最後に「御朱印の本来の意義や神社の正しい在り方について今後一層ご理解が深まりますよう、また、参拝者全ての方が心静かにご参拝ができる心の拠り所となるよう、神職・職員一同、神明奉仕に努めて参ります」とつづっています。
(Kikka)
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オークションサイトなどでは定価の2倍を超える価格で取引されていました。
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