泉佐野市「非常に驚いている」 ふるさと納税新制度、4市町の除外を正式決定

総務省に理由を確認して対応を検討するとのこと。

» 2019年05月14日 17時13分 公開
[ねとらぼ]

 総務省は5月14日、6月1日から始まるふるさと納税新制度の対象となる地方自治体を公表し、高い返礼率で寄付を集めていた大阪府泉佐野市など4市町を除外すると正式に発表しました。対象外の自治体に寄付しても、税金の優遇は受けられなくなります。

 これを受け、泉佐野市は同日、「新制度に適合した内容で参加申請を行っていたため、非常に驚いています」とコメント。参加できない理由を総務省に確認して今後を検討するとしています。

photo 新制度の指定から外れるのは東京都と4市町(総務省のニュースリリースより)
photo ふるさの納税専用の独自サイトを運営している泉佐野市は、新制度前の5月31日まで“駆け込み”寄付を募集している

 6月からの新制度では、返礼品は「調達額が寄付金の3割以下の地場産品」に限定し、「返礼品を含む経費の比率を寄付額の50%以下にする」とも定めました。その上で、自治体からの事前の参加申請を受けた総務省が審査し、対象自治体を指定する形になりました。

 総務省によると、新制度の対象になるのは46道府県と1737市町村。日本の全地方自治体(47都道府県+1741市町村)のうち、参加しないのは事前申請しなかった東京都と、除外された泉佐野市、静岡県小山町、和歌山県高野町、佐賀県みやき町の4市町、合計5自治体のみです。

 また、北海道森町や佐賀県唐津市など43市町村については、6月1日から9月30日までの期間限定としました。いずれも4市町ほどではないものの、手法が問題視された自治体で、10月以降の指定についてはあらためて審査する方針です。

photo 当面、9月末までとされた43市町村(総務省のニュースリリースより)

激化した返礼品競争を規制

 ふるさと納税は都市圏と地方との税収格差の軽減を狙いに2008年にスタートしました。納税者側の手続きを簡単にするなどしたことで人気に火が付きましたが、ギフト券など地場産業と関係が薄い高額な返礼品で多額の寄付を集める自治体が続出しました。

 総務省は、過度な返礼品は制度の目的から外れるとして、自治体に抑制を求めてきましたが、罰則規定などがなかったことから、要請に従わない自治体もありました。このため総務省は制度の厳格化を決め、返礼品の条件を定めた改正地方税法が3月に成立。新制度として再出発することになりました。

 今回除外された4市町のうち、18年度に泉佐野市は360億円超、みやき町は168億円の寄付金を集めたとされています。総務省はこうした自治体を指定から外すことで示しを付ける形にしたとみられます。

 泉佐野市は4月、「法施行前の取り組みを考慮する後出しジャンケンのようなルール制定は、法治国家が取るべき手法ではない」などと総務省を批判していました(産経新聞の4月11日付記事)。除外が正式に通知されたのを受け、泉佐野市は報道機関向けに、

本日、総務省の報道発表において、本市がふるさと納税の6月からの新制度に参加できないとの発表がありました。

本市は、新制度に適合した内容で参加申請を行っていたため、非常に驚いています。

なぜ本市が参加できないのか、その理由・根拠を総務省に確認し、総務省のご判断が適切なのかどうか、本市としてしっかりと考えたいと思います。

──とコメントを発表しました。

 泉佐野市はふるさと納税専用の独自サイトを運営。最近になって返礼率が最大60%のコースを新設し、新制度が始まる直前の5月31日締め切りで寄付を募っています。これに対し、石田真敏総務相は14日の閣議後記者会見で、「こういう時期にああいう対応をされるということは、制度の趣旨に我々としては反しているのではないかというふうに思っているわけであります」と批判しました。

photo 石田総務相が泉佐野市に言及(総務省のWebサイトより)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/21/news021.jpg 【ヤフオク】“3万円”で購入した100枚の着物帯 →現役着付師が開封すると…… “まさかの中身”に驚き
  2. /nl/articles/2501/22/news010.jpg 子なし夫妻が“人間の子ども”のように育てた柴犬を、実家の家族に会わせたら……  幸せあふれる展開に「とっても嬉しそう」
  3. /nl/articles/2501/22/news035.jpg 友達に「あれ、お前んちパーティ中?」と言われた“実家”が100万再生 衝撃の全貌に「ビビってます」「ウチの中にない物ばかりwww」
  4. /nl/articles/2501/22/news088.jpg 道で“お宝”拾ったと大興奮→磨いたら…… 3430万再生された驚きの職人技に「まさに芸術作品!」「信じられない」【海外】
  5. /nl/articles/2501/21/news098.jpg 「キティちゃんのお面だと思ったら……」 ひっくり返した“まさかの正体”が830万表示 投稿者に話を聞いた
  6. /nl/articles/2501/22/news029.jpg 0歳赤ちゃん、朝起きてママに気付いた瞬間…… 涙が出そうになる表情が600万再生「こーれーはーやばい!」「あかん一生みてまう」
  7. /nl/articles/2501/22/news108.jpg 東京ディズニーリゾート、“あのブランド”とコラボした紅茶に反響 「遂に来たぁあああ!!」「買うしか!」
  8. /nl/articles/2501/22/news076.jpg 実物大ν(ニュー)ガンダムが公開から数年たち…… 現在の姿を捉えた写真に反響 「イラストかと思った」「かぁぁっこえぇ……」
  9. /nl/articles/2501/21/news023.jpg 100円で売ってた謎のジャンクDSソフト、その中身は…… “とんでもないデータ”が入った掘り出し物「これもう運命の出会いでしょ」
  10. /nl/articles/2412/09/news077.jpg 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
先週の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  4. 鮮魚店で売れ残っていたタコを連れ帰り、水槽に入れたら…… ヤバすぎる光景に「こんなに可愛いなんて!」「笑ってしまった」
  5. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  6. 「まじで終わってる」 マクドナルド「エヴァ」コラボ品“高額転売”に嘆く声…… 「結局欲しい人が買えない」
  7. 母に「髪染めやピアスはダメ」と言われ続けた25歳東大女子、大変身を決意したら…… まさかの事態に「さすがにおもろい」「涙出てきた」
  8. 賞味期限「2年前」のゼリーを販売か…… 人気スーパーが謝罪「深くお詫び」 回収に協力呼びかけ
  9. 風呂上がりに偶然「牛乳を注ぐ女」になった人に反響 「ほぼそのままw」「盛大にふきだした」 投稿者に話を聞いた
  10. タンクトップ姿のパパ「昔はモテた」→娘は信じていなかったが…… かつての姿に衝撃走る「『トップガン』に出ていても納得」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」