スプレー缶を適当に捨てるのは「テロ行為みたいなもの」 漫画「ゴミ清掃員の日常」インタビュー(1)

「皮肉なことに、燃えないゴミを集める車両が一番燃えやすい、っていう」

» 2019年05月20日 12時00分 公開
[ねとらぼ]


 ゴミ清掃員と芸人の二足のわらじを履くマシンガンズ・滝沢秀一さん夫妻によるマンガ「ゴミ清掃員の日常」。捨てられた“ゴミのその後”などについて紹介し、SNSでも話題を集める同作について、滝沢秀一さんにインタビューしました。漫画本編もあわせて掲載します。

漫画「ゴミ清掃員の日常」とは?

 Twitterで閲覧数驚異の3200万超え。読むと分別したくなるエッセイ漫画。売れない芸人・マシンガンズの滝沢秀一は家族を養うためにゴミ清掃員に。何気ないゴミ清掃員の日常。その生活で見つけたゴミの知識やちょっとばっかりの幸せを届けます。滝沢秀一がネーム原作を、それを妻である滝沢友紀がタブレットひとつで作画。夫婦共作(どっちも漫画描いたことない)でお送りします。

原作者プロフィール:滝沢秀一

1976年生まれ。98年にお笑いコンビ・マシンガンズを結成。本業はゴミ清掃員で、芸人は副業。本作では原作・構成(ネーム)を担当。妻の友紀さんが作画を担当。夫妻の結婚記念日は5月30日(ゴミゼロの日)。












意外と知らないゴミの正しい分別方法

―― 今回のエピソードは「ゴミ清掃員になってから知ったこと」。“意外と知られていない分別の仕方”にはどんなものがありますか?

 けっこうありますよ! 例えば、「化粧水のビンはカン・ビンとして出せるけど、マニキュアのビンは違う」って知ってました? 再生できるかどうかがポイントで、マニキュアの場合は内側が汚れてしまっているから、燃えないゴミになります。

 それから、保冷剤と乾燥剤。保冷剤は中身を水道に捨ててからゴミに出す人がいるんですが、水を吸収して水道が詰まる原因になるので、そのまま燃えるゴミで。反対に、乾燥剤は燃えないゴミで出してほしいですね。

―― ああ、乾燥剤って燃えないんですか?

 いえ、燃えます。袋の中に一緒に生ゴミなどがあると、その水分に触れて発火する恐れがあって。だから、燃えるけど、燃えないゴミ。意外でしょう?

―― 「これは危ない」というゴミの出し方はありますか?

 危険なものでいうと、スプレー缶もそうですね。

 ゴミ清掃車の回転板を回すことを「巻く」というんですが、巻くときにスプレー缶が挟まれて破裂してしまったり。車両内部に充満したスプレーのガスが、ライターや静電気で引火して、清掃車が燃えてしまったり。皮肉なことに、燃えないゴミを集める車両が一番燃えやすい、っていう。

 自治体なども説明しているかもしれませんが、スプレー缶はスプレー缶でまとめて出してほしいんですが……分別ルールを全く守らず、スプレー缶をタオルで巻いて、燃えるゴミに出す人なんかもいるんですよ。

―― ぐるぐる巻きで、分かりにくくなっているわけですか。

 わざわざそんなことをするということは、悪いことをしている自覚があるんですよね。そこまでして燃えるゴミに出したいんですかね? こっちからしたら、テロ行為みたいなものですよ(笑)。

ゴミは消えない

―― 出勤ついでにゴミ出しすると帰宅時にはその袋がなくなっていて、一般人に見えるのはここまで。ゴミはその後、どうなるんですか?

 普通のイメージだと「ゴミ捨て場に置く → 清掃車が持っていく → 清掃工場に行く」というところで止まってしまって、“ゴミがそこでなくなっている"ような感覚になっているかもしれません。でも、魔法みたいに消えてくれるわけではありません。最後は、最終処分場に運ばれます。

 僕らが子どもの頃、「最終処分場の寿命はあと30年」って言われていたんですが、現在は「50年」。技術進歩のおかげで、逆に伸びています。

―― どういう変化があったんですか?

 焼却できるものが変わりました。燃えないゴミは灰にできないから、容量が多くなってしまうんですね。例えば、ビデオテープは昔、燃えないゴミ扱いだったのですが、プラスチックが燃やせるようになり、今は燃えるゴミ。そうやって技術の力でゴミを何とかしようと努力している人たちがいる一方で、ちゃんと分別しない人がいるんです!

 これは税金の無駄遣いにもつながる話だと思います。

 燃えるゴミを処分するための焼却炉に、鉄などが入ると燃え残ってドンドン溜まってしまいます。そうするとゴミが入らなくなってしまうので、取り出す必要があるじゃないですか。焼却炉によってはいったん火を止めて、手作業で燃えなかったものをかき出して、もう一度火をつけるそうです。この作業にかかる費用が、なんと200万~350万! こういうところにも、人々の税金が使われているんですよ。

※ゴミの分別および処理の仕方は地域によって異なるので、お住まいの自治体にお問い合わせください。



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