Wikipedia利用し自社製品を検索上位に表示 アウトドアブランドの施策に非難殺到
ガイドラインを無視したキャンペーン。
Wikipediaを運営するWikimedia Foundationは5月29日、アウトドアブランドのThe North Faceと代理店Leo Burnett Tailor Madeが、Wikipediaの複数ページの画像を自社ブランド製品が映り込んだものと差し替える非倫理的な操作を行ったと報告。SNSや各種メディアでは、同社に非難が寄せられています。
海外メディア「AdAge」の報道によると、Wikipediaのブラジル「グァリタ公園」やペルー「ワイナ・ピチュ」など複数記事の画像が、The North Faceの製品が映り込んだものと差し替わっていました。これはグァリタ公園のようなアウトドア好きの人気スポットをGoogle検索したときに、同社の製品入り画像が検索結果の上位に表示されることを狙ったものでした。
同メディアの報道を確認したWikipediaサイドは、該当ページの画像を削除。The North Faceは、ブラジルに本部を置く代理店Leo Burnett Tailor Madeとともに今回のキャンペーンを行いました。The North Face BrazilのCEOファブリシオ・ルッツィ氏は記事中で、「私たちはこのTop of Imagesプロジェクトにおいて、自社を位置づけ、これら人気アウトドアスポットと密接に関連するアイテムとして、文脈に沿ったやり方で製品を配置した」と声明を発表していました。しかし当然ながら、Wikipediaサイドは同社のキャンペーンを良しとせず、「クレバーでも見事でもなく、Wikipediaの開放性に反抗する虚偽行為。Wikipediaの利用規約にも反している」と指摘しています。
Wikipediaが非難の記事を公開した約6時間後、この騒動を受けてThe North Faceの公式Twitterアカウントは、Wikipediaのアカウントへ謝罪のリプライを送りました。即刻キャンペーンは終了し、自社チームと協力会社への指導を行うとしています。
Twitterの謝罪コメントには、「人様に迷惑をかけてお金をもうけた」など、The North Faceが行ったキャンペーンや責任者への非難が殺到しています。代理店のLeo Burnett Tailor Madeは海外メディアのインタビューに対して「このキャンペーンの大きな障壁はWikipediaモデレーターの注意をできるだけ引きつけないこと」と回答していたようで、これが事実であれば悪意があると考えられるでしょう。
なおWikipediaでは、10の編集ルールを公開しており、その第7ルールで「恥知らずのセルフプロモーションはやめましょう(Avoid shameless self-promotion)」と明示しています。
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