レビュー
» 2019年06月10日 11時35分 公開

ゲイと腐女子の恋の結末、「QUEEN」楽曲に込められた意味とは?  攻めたNHK「腐女子、うっかりゲイに告る。」最終回(1/2 ページ)

ゲイの悩みを真っ正面から取り上げた佳作だった。

[北村ヂン,ねとらぼ]

 学校でゲイバレし、自殺未遂騒動を起こし……かなりメチャクチャにな状況になった上に、彼女が体育館の壇上で、よかれと思っていろいろぶっちゃけるという、地獄のような展開となった先週(レビュー)。

 一応、あれでいろいろな問題は解決したようで(マジか!?)、エピローグ感の強い「腐女子、うっかりゲイに告る。」(NHK総合・土曜23時30分〜)最終回。


腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。 紗枝(藤野涼子)が過去最大級の空気読めない行動で純(金子大地)を救い、学校を動かす!? イラスト/北村ヂン

ただの中二病かよ!

 亡くなったチャット仲間・ファーレンハイト(声・小野賢章)から頼まれていた「僕が彼からもらった『QUEEN II』を彼の墓に供えてくれ」という約束を果たすため、会ったことのないファーレンハイトの実家へと向かう安藤純(金子大地)。なぜか三浦紗枝(藤野涼子)と一緒に。

 ファーレンハイトの母親は、同性愛者であるはずの純が彼女を一緒にやって来たのを見ていぶかしがる。

 「彼女と付き合うことで自分を変えようとしました。結局、ダメだったんですけど」

 「そんなに大切だって思えたんなら、『異性愛者になった』って言ってもいいんじゃないですか?」

 「あり得ないです。僕が好きな男性を思う気持ちと、彼女を思う気持ちはまったく違います

 「……治らなかったんですねぇ

 一連の騒動によって、それなりに理解を示そうとしてくれた純の周囲とはまったく違う反応。恋人が亡くなったこともあるだろうが、それ以上に家族の無理解がファーレンハイトを自殺に追い込んでしまったのではないかとすら感じさせる。

 はじめて対面したファーレンハイトの遺影は、なんと思いっきり中学生。これまでチャットで送られてきた数々のアドバイスは、ファーレンハイトが年上だと思っていたからこそ、小野賢章のイケボで再生されていたが、中学生と知ったら話が違ってくる

 「ボクたちのような人間は、どうして生まれてくると思う?」

 弱々しい子どもの声で再生される言葉は、純を励ますメッセージではなく、中学生からのSOSだったのではないだろうか。誰よりも通じ合えていると思っていたファーレンハイトの本当の姿すら見抜けていなかったのだ。インターネットって難しい。

 「ただの中二病かよ!」「バッカヤロー!」

 純の叫びには「だまされていた」怒りとともに、「中学生だと知っていたら逆に助けてあげられたかもしれない」という後悔の念も含まれていた。


腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。 「QUEEN II」純たちを深いところで支えてきたのは「QUEEN」の楽曲、存在だった

魂の深いところでつながっているふたり

 ファーレンハイトの彼氏の墓にCDを供えた帰り、ふたりは海辺に座って純の一番好きなQUEEN楽曲「Love Of My Life」を聴く。

 フレディ・マーキュリーが、かつて婚約までしていた女性の恋人メアリー・オースティンと別れた時に作ったといわれている曲だ

 「こんなキレイな曲ができるくらい好きだったんだね、その人のこと」

 「結婚して子どもをもうけてっていう男女の関係にはなれなかったけど、魂の深いところでつながっているふたりだったんだ」

 純も紗枝も、フレディ&メアリーを自分たちの関係と重ね合わせながら聴いていたことだろう。

 「安藤くん、私たち別れよう!」「よし、これで振ったの私だからね!」

 泣きそうな表情で強がりを言う藤野涼子ちゃんの演技がタマラナイ。どこまでいい子なんだ……(体育館でぶっちゃけた件はどうかと思うけど)。

 フレディとメアリーは別れた後も固い絆で結ばれており、後にメアリーが別の男性と結婚して子どもを生んだ際には、フレディがその子の名付け親となっている。ふたりも将来、そんな関係になっていたらいいな。


腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。 8話の紗枝ナイスシーン。ほんとにいい娘だよ イラスト/北村ヂン

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2110/21/news155.jpg 伊藤かずえ、13年間ともにした愛車とお別れ 総走行距離は14万キロ超で「今まで本当に有り難う」と感謝
  2. /nl/articles/2110/21/news173.jpg だって安室ちゃんがついてる! 中川翔子「この写真を見れば生きていける」1枚が100人力どころじゃない頼もしさ
  3. /nl/articles/2110/22/news092.jpg ROLAND、“両サイドの巻き髪”が強い新ヘアに賛否 称賛の一方で「あぁ金髪ローランドが恋しい」との声も
  4. /nl/articles/2110/22/news077.jpg つるの剛士、10年前の家族ショットに時の流れ実感 “このころ影も形もない次男”にしみじみ「今年は七五三」
  5. /nl/articles/2110/20/news095.jpg 「これはガチ長所」 採血で発覚した思わぬ長所を描いた漫画が「うらやましい」と話題に
  6. /nl/articles/2110/21/news013.jpg カリスマ美容師が子猫をスタイリングした結果…… 笑撃の仕上がりが電車の中で見てはいけないやつ
  7. /nl/articles/2110/22/news028.jpg 「あなた一日中家にいるの? はー…シンドイ」→妻が不機嫌になった意外な理由 “ちょっと怖い妻”の漫画がおそろしくかわいい
  8. /nl/articles/2110/21/news050.jpg 「攻殻機動隊」タチコマの“コスプレ”がすごい完成度 人が乗れて走ってアームも動く!
  9. /nl/articles/2110/21/news010.jpg “新人猫の受け入れに精魂尽き果てた管理職の猫です” あおむけで脱力寝する姿に「おつかれさま」「昇給してあげて」と励ましが集まる
  10. /nl/articles/2110/22/news094.jpg ガンダム作中の食事を再現したメニューがガンダムカフェに登場 「連邦軍の配給食」「アーガマ艦内食」など

先週の総合アクセスTOP10

  1. 葉月里緒奈、美人な元マネジャーと“再会2ショット” 「共演した俳優さん達は私ではなく彼女を口説いてました」
  2. docomo×進撃の巨人キャンペーンの商品「リヴァイ兵長フィギュア」が悲惨な出来だと話題に → 公式が謝罪「対応方法を検討しております」
  3. 有吉弘行、妻・夏目三久との“イラストショット”を公開 蛭子能収からのプレゼントに「下書きも消さずにうれしい!!」
  4. 「印象が全然違う!」「ほんとに同じ人なの!?」 会社の女性に勧められてヘアカットした男性のビフォーアフター動画に反響
  5. 梅宮アンナ、父・辰夫さんの看板が黒塗りされ悲しみ 敬意感じられない対応に「残酷で、余りにも酷い行為」
  6. 子猫が、生まれたての“人間の妹”と初対面して…… 見守るように寄り添う姿がキュン死するほどかわいい
  7. 工藤静香、バブルの香り漂う33年前の“イケイケショット” ファンからは「娘さんそっくり」「ココちゃん似てる」
  8. 板野友美、エコー写真とそっくりな娘の顔出しショットを公開 ぱっちり目の美形な姿に「こんな美人な赤ちゃん初めて見た」
  9. 後藤晴菜アナ、三竿健斗との2ショット写真で結婚を報告 フジ木村拓也アナ、鷲見玲奈アナからも祝福のコメント
  10. 「とりあえず1000個買います」 水嶋ヒロ、妻・絢香仕様の“白い恋人”に財布の紐が緩みまくる