最終話「わたし、定時で帰ります。」全10話をかけて“全員”の働き方が変わるまで 誰も悪者にしなかった制作4部の働き方改革(1/2 ページ)
「よく飲んでよく食べてぐっすり寝て、みんなと元気に働きたい」。
6月25日に放送された「わたし、定時で帰ります。」(TBS系)の第10話。最終回で、制作4部最後の働き方改革がようやく行われた。
最終話あらすじ「俺んち、来れば?」
諏訪巧(中丸雄一)に「結衣ちゃんとは結婚できない……」と告げられ、途方に暮れる東山結衣(吉高由里子)。翌朝、外注先が倒産したとの連絡が結衣に入る。この外注先は、福永清次(ユースケ・サンタマリア)が指定した会社だった。その夜、賤ヶ岳八重(内田有紀)が熊本から帰ってきて職場復帰することに。上海飯店で結衣は巧とのことを泣きながら賤ヶ岳に打ち明けた。翌日、巧を公園に呼び出した結衣は復縁したいと訴えたが、巧は「この先一緒に居ない方がいいと思う」と返答した。
星印とのミーティング後に呼び止められた福永は、星印の広報課長・武田龍一郎(小松和重)から「以前所属していた会社は福永さんの無理な発注のせいで傾いた」と責められてしまう。後日、武田に呼び出された種田晃太郎(向井理)は「この案件から福永を外してほしい」と要求された。「私が福永さんに話します」と結衣が伝えに行くと、突如怒り出した福永は気持ちをぶちまける。
「仕事が大変だってみんな文句言うけど、仕事なくなったらどうすんの!? 仕事がないよりあるほうがよっぽどマシじゃない!」
そこに晃太郎が現れ「チームのために案件から降りてください」と福永に頭を下げた。その姿を見た福永は、案件から身を引いた。
後日、無茶な働き方を続ける晃太郎を心配した柊(桜田通)から「兄のことを助けてください」と結衣へ連絡が入った。結衣は灰原忍社長(佐伯新)に直訴し、助っ人として石黒良久(木下隆行)を制作4部に連れてくる。しかし、晃太郎は仕事のペースを落とさない。結衣も休憩室に行ったふりをして休まず仕事しており、意識を失って倒れた。晃太郎は倒れる結衣を発見し、目が覚めるまで病室で一日半付き添い続ける。その間に納品は全て完了した。
後日、結衣は巧と住んでいたマンションを引き払った。半年後、引っ越しを考えているという結衣に晃太郎は「俺んち、来れば?」と自分との同居を提案した。
福永の人生、福永なりのポリシー
まずは、福永について触れたい。彼は自己保身だけを考える極悪人ではなかった。福永には福永なりのポリシーがあったのだ。
「俺が入社した頃は無理な仕事を取ってくるなんてことはしなかった。リーマンショックの後かな、うまくいかなくなったのは。福永さんは会社を守るために家を売った。自分は身一つになっても社員を守るって言ってた。それでも業績は悪くなる一方で、奥さんや娘さんが離れていって」(晃太郎)
「大体さ、仕事が大変だ大変だってみんな文句言うけど、仕事なくなったらどうすんの!? 仕事がないよりあるほうがよっぽどマシじゃない! 僕はね、僕1人のことだけで精いっぱい。社長なんて向いてなかった。部長だって向いてない。それでもやるしかないじゃない。嫌でも仕事しなきゃ食っていけないんだからさ。……疲れた〜。何がダメだったんだろうね。どこをどう間違えちゃったんだろう。仕事があれば僕もみんなも幸せになれると思ってたのになあ」(福永)
福永の激しいテンションに圧倒されたが、彼の激白には納得できる部分がある。リーマンショックで仕事を失う恐怖を知り、トラウマで価値観がおかしくなった福永。自分は社長に向いてない。でも、不器用だけどやるしかない。
最終回の良かった点は、福永をただの悪として裁かなかったことだ。1つの角度から見れば悪人の福永も、本人の内には道理と人生がある。勧善懲悪じゃない。良かれと思ってやった行いが周囲の迷惑になってしまっていたということ。
「種田君が仕事ばっかりしてるのは、僕が無理やり働かせてるからだと思ってるよね? それは違うよ。種田君は仕事が好きなんだ。自分から仕事を取ったら、何も残らないって思ってるんだ。それってそんなに悪いことなのかなあ?」
難しい問い掛けを残し、福永は去っていった。
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