今夜最終回「きのう何食べた?」 内野聖陽ケンジのマジ泣きに視聴者も泣いた11話 すでに「何食べ」ロスがつらい(1/2 ページ)
「正月は、ケンジ連れて、俺の実家に帰ろうと思っているんで」。
「正月にケンジをそっちに連れていくって話。うん。あれ、行くから。……2人で行くから」
ついに本日最終回を迎えるドラマ24「きのう何食べた?」。マジですか……。来週はもう彼らに会えないんですか……。
すでに最終回後のロスに苦しむ「何食べ」民の大量出現が予想されており、テレ東の一刻も早い対応措置が望まれる(何書いてんだ)。
先週放送された11話は、「家族」という主題が多重奏のように描かれた後、クリスマスの手作りディナーという抜群の飯テロを挟んで、最後はシロさん(西島秀俊)、ケンジ(内野聖陽)、小日向さん(山本耕史)が涙して、ジルベール(磯村勇斗)がヤキモチを焼くという美しい構成だった。
矢吹賢二さんを家につれていらっしゃい!
まずは一緒に台所に立つ、シロさんとシロさんの母(梶芽衣子)のパートから。2人の会話からは、料理がコミュニケーションにも役に立つことがよくわかる。昔のホームドラマなら、台所で母と娘が会話しているシーンがよく描かれていた(「サザエさん」のサザエとフネを思い出せばいい)。
「あなたが女の子だったら……」と口にする母。「でも」と続ける。「全然うれしくないっていったら、そうでもないんだけど。こうして2人で台所にいるってのもね」。
息子の同性愛を理解できず、「男らしさ」「女らしさ」の呪縛にとらわれていた昭和世代(かっぽう着なんて着てるんだから)の母が、一歩踏み出した瞬間だった。チベットスナギツネ顔からうれしそうな笑顔になるシロさん。しかし、これは嵐の前の静けさだった。
「史郎さん! こここここ今度のお正月、彼氏さん、いえ、矢吹賢二さんを家につれていらっしゃい!」
「だだだだだって、あなたたちはもう結婚してるも同然なんでしょ? だったら連れ合いを家族に引き合わせるのは当然でしょ。そうでしょ!」
一歩踏み出したと思ったら、ものすごく踏み込んできた。父(田山涼成)の調子っぱずれな一喝もあり、戸惑うばかりのシロさんであった。
親の悩みはゲイもノンケも変わらない
シロさんは次の“親”に会う。勤め先の大先生(高泉淳子)だ。大みそか、大先生は息子の若先生(チャンカワイ)の負担にならないよう友人たちと高級温泉旅館に泊まりに行くのだという。
「私はね、息子の重荷になるのだけは、イヤなのよね」
ほんの一瞬、複雑な表情をしてから笑顔をつくってカツ丼を頬張る大先生。本当だったら親子で過ごしたい気持ちもあるのかもしれない。だけど、息子の家族のことを思ってガマンする。山田のぼるくん(劇団「遊◎機械/全自動シアター」での高泉の当たり役)も大人になったなぁ……(当たり前)。
さらに次の“親”が登場する。佳代子さん(田中美佐子)の夫、富永(矢柴俊博)だ。富永の娘、ミチル(真凛)は恋人と8年も同棲しているのに結婚する素振りもない。
「孫の顔見せてくれてもいいんじゃないの?」と近年なかなか聞かないド直球をかます父に、娘は反発して出ていってしまう。まぁ、デリカシーがないのは父娘よく似ているのだが……。
富永親子の話を聞いて、「なんだ、親の悩みはゲイもノンケも変わらないじゃないか」と心の中でつぶやくシロさん。
「親って変な生き物でしょ?」
これは佳代子さんの言葉。親にとって子どもは何歳になっても子どもだし、たくさん気配りをしたり、そうかと思えば理不尽なことを言ったりする。同性愛のシロさんは(養子とかをもらわない限り)親にはならないし、親になった自分も想像していないだろう。だから、親の気持ちはすぐにはわからないかもしれないが、こうやって何人も親と会って、その気持ちを少しずつキャッチすることで、自分の親の気持ちも理解していく。
指輪を見せつけられてジルベールは
このドラマが始まって、2回目のクリスマス。シロさんとケンジは自宅に小日向さんとジルベールを招いて、クリスマスディナーを楽しむことにする。結婚指輪を一生懸命アピールするケンジが愛らしい。指輪を見せつけられて、秘めたライバル心が垣間見えるジルベール。ジルベールが脱いだ上着を突き出すように小日向さんに渡すのは、ちょっと甘えたくなっているのだろう。
「デブ製造機」のようなメニューをたっぷり食べて満足する4人。一部スーパーでは、アールグレイのティーバッグと練乳を並べて販売しているところもあるそうだ。
自然な流れで年末年始の予定になると、決然とした表情でシロさんが語り始める。
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