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» 2019年07月01日 11時36分 公開

「子どもを殴りたくなってしまう」相談者は、“親の過干渉で心を殺された子”だった 「テレフォン人生相談」先週のハイライト (1/2)

相談者の両親は心理的暴力団だったのか?

[北村ヂン,ねとらぼ]

 「テレフォン人生相談」(ニッポン放送・月〜金曜11時〜 配信)先週のハイライト。今回ピックアップしたのは6月26日(水)放送のドリアン助川パーソナリティー回。周囲との人間関係や、経済的に問題があるわけではないのに「絶望感を感じている」という相談者。自分の異常性も感じており「(他人の)子どもを殴りたくなってしまう」とまで言うのだが……。


テレフォン人生相談 パーソナリティ:加藤諦三(評論家)、今井通子(作家・登山家)、ドリアン助川(作家・ミュージシャン)、柴田理恵(女優・タレント) イラスト/北村ヂン

 

子どもを平気で殴れてしまうレベル

 相談者は31歳の独身女性。21歳の時に独立し、両親とは離れて暮らしているのだが、別段、何かがあったというわけではないのに毎日不安で、朝、絶望を感じながら起きているという。

 さらに、その時々の彼氏などにやたらと依存してしまったり、子どもをいじめてしまいたくなる自分の異常性にも不安を感じているのだ。

 「友人の子どもなどを見ていると、かわいいなって思うんですけど、その反面いじめたくなってしまう」「『殴っていいよ』と言われたら平気で殴れてしまうレベル」

 もちろん、実際に殴っているわけではないと思うが、子どもを「平気で殴れる」と考えてしまう心理状態は穏やかでない。

 字面だけで見ると「ヤバイ相談者がやって来た!」という感じだが、実際に放送を聴いていると、とても気の弱そうな、どこかおびえたような口調で、子どもをぶん殴るような攻撃性を持った人とは思えないのだ。どこに闇が潜んでいるのか?

 「小さい頃から、ホントに安心する時間っていうのが少なくて。何かそれをダラダラ引きずっているような感覚なんですね」

 「周りの人たちには恵まれている」と語っており、現在の人間関係に問題があるわけではないようだが、どうも幼少期に原因がありそうなのだ。

 「(両親から)すごく否定をされてきたんですね。『あんたなんか』っていう感じで。その反面、過干渉だったんですね、私に対して。帰宅時間とかに過度に反応をするというか」

 相談者は当時を振り返り、「今思えば愛されていなかったわけではないと分かっている」と繰り返すが、幼い頃はずっと「両親から愛されていない」という気持ちを抱いていたようだ。

 21歳で親元を離れ、両親と距離を置いて付き合えるようになってからは「今ではすごく両親とも本当に仲がよくて」とのことだが……。

両親は心理的な暴力団

 この日のアドバイザーは、心についてのエッセイスト・マドモアゼル・愛。まず、自分に対して「不安」を抱く相談者に対し「今の状況は自分の責任ではないですよ」と優しい言葉をかける。

 しかしここから、心をえぐるような言葉をバンバン繰り出してきた!

 両親との関係性にいまだにモヤモヤしたものを感じているのに「表面的な結論を出してしまっている」のがよくないと指摘。

 「『両親と仲もよくなりました』なんて言ってるから、そりゃあおかしくなるよ。というのはね、過干渉っていうのは子を殺すんです」

 「いろいろあったけど今は両親とも仲良く」……というハートフルな話を全否定。いきなりそこまで断言しちゃって大丈夫かとハラハラしてしまう。

 「だから、子どもを見てかわいい。しかしぶちたくなる。自分が置かれた状況を再現しているんです。アナタはかわいがられながら、噛みつかれ、殺されかけてたんですよ」

 「子どもを殴る」相談からはじまって、「子を殺す」話題に展開! (相談者は)すでに親から精神的に殺されていると突きつける。

 「生きる本体がないからいつだって苦しい。じゃあ孤独になって生きてやろうと思えばいいものを(そうできないのは)、アナタの唯一の価値は、見捨てられる不安が占めているからなんだよ」

 「おっしゃる通りです」

 「でも見捨てられたんだよ、もう。そこから自分作るしかないんです」

 スゴイ、言うこと言うことが全て相談者の心を射貫いている。今日の愛先生、キレキレだ。


テレフォン人生相談 キレキレのマドモアゼル愛先生がすごい。相談者の両親を暴力団にたとえてだいじょうぶか? と心配になったが…… イラスト/北村ヂン

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