漫画「20年ぶりに親父に会ったら難病だった話」 寝たきりになり筋力を失った父は最期に何を思ったか(1/5 ページ)

家族とは何か、あらためて考えさせられる。

» 2019年07月15日 13時00分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 久方ぶりに会った生き別れの父は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)にかかっていた――。はまだやま(@hama8105)さんが実体験をもとに描いた、指定難病に苦しむ父と向き合う漫画「20年ぶりに親父に会ったら難病だった話」が、「家族について考えさせられる」「父に会いたくなった」と話題です。

アイキャッチ 20年ぶりに父の行方が発覚
アイキャッチ ALSは手足などの随意筋を自由に動かせなくなる難病。舌やのどにも影響するためコミュニケーションも不自由になり、症状が進むと呼吸にも支障をきたす(参考:ALS疾患啓発委員会のサイト


 主人公のまさきは、幼少期に両親が離婚したとき、どちらについていくか自分ではっきり決められないまま、妹のゆみことともに母親と暮らすことになりました。その後は親元を離れ、貧困と統合失調症に苦しみながら漫画を描き続けています。


ダイジェスト

 そんなある日、母親から「父さんが見つかった」と連絡が。父親は離婚した20年前、会社経営に失敗して行方をくらませていたのです。それがALSにかかって寝たきりになり、病院から連絡があったことから、見舞いのために家族が久しぶりに集まることになりました。


ダイジェスト

 父親は手足こそ不自由ながら、会話は十分こなせる状態。そのうちに一度顔を見たかったことと、今後の処置を受ける際に身元引受人が必要だったことから、家族を呼んだのでした。


ダイジェスト

 しかし、これまでさんざん苦労させられてきた母親は、「私たちの縁は20年前に切れている」と拒絶。まさきは「そんな簡単に突き放してしまえるのか僕は……」と悩んだ末、父が処置を受ける際の窓口として手を挙げます。離婚のとき、何も意思を示せなかったことを挽回したかったのかもしれません。


ダイジェスト

ダイジェスト

 以来、まさきは3カ月に1回程度のペースで見舞いをするようになりました。父親は饒舌に喋り続けていて、心持ちは元気な様子です。しかし、いずれ自発的な呼吸に限界が来るため、人工呼吸器を付けるかどうかを本人に判断してもらう必要があると、医師は説明。それは延命にはなりますが、代わりに父から声を奪う処置でもあります。


ダイジェスト

 「息子さんからも助言を」と言われ、まさきは大いに悩むことに。全身が動かず、意思の疎通もできないまま生きながらえるのは、最も孤独で過酷な人生ではないか――そう考えた彼は本人の意向もあって、自発呼吸を続ける方針を固めました。


ダイジェスト

 その一方で、まさきにも孤独に拍車がかかるような、悲しい出来事が起こりました。母親がゆみこの結婚を報告しながら、まさきの病気が先方に知られて破談になる可能性を恐れ、明確に距離を置きたいと言ってきたのです。まさきは何も言い返さず、ただ「おめでとう」の伝言だけを頼みました。


ダイジェスト

 そんなとき、見舞い先ではさらにつらい出来事が。父親が併発していた肺炎の悪化に耐えられず、一度は拒否した人工呼吸器を付けていたのです。バルブをふさげば、かろうじて小声でしゃべれる状態。それでもゆみこの結婚を聞いて感涙する様子を見ると、まさきは自分の状況までは話せなくなってしまうのでした。


ダイジェスト

ダイジェスト

 そして冬が来て、とうとうまさきは父親とのつながりまで断たれてしまいます。父親は弟(まさきの叔父)が見つかったことで専門設備の整った病院へ移れるようになり、まさきにこれ以上迷惑をかけたくないからと、行き先を秘して転院していたのです。


ダイジェスト

 そして父とは音信不通のまま、5年の歳月が流れました。母親や妹とも関わらず、まさきは執筆を心の支えに暮らしています。そんなとき、唐突な悲報を受けて、彼はなりふり構わず走り出すのでした。まさきとその物語がどこに行き着くのかは、以下に掲載する全編で見てください。きっと、家族について人生について、深い感慨が湧くことでしょう。


ダイジェスト

ダイジェスト

「20年ぶりに親父に会ったら難病だった話」全ページ掲載

第1回


第1回

第1回

第1回

       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2502/06/news012.jpg 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  2. /nl/articles/2502/08/news008.jpg 「本当にこれでいいの?」 親子の“価値観の違い”で対立も…… 100万箱以上売れた「家庭科のドラゴン」、人気再燃の理由
  3. /nl/articles/2502/08/news087.jpg 木村拓哉がタイプロで「弁当」差し入れ→“衝撃の価格帯”に騒然 「ぶったまげた」「庶民には買えない」
  4. /nl/articles/2502/08/news038.jpg スーパーで買ったちりめんじゃこをよく見たら…… 紛れていた“まさかの生き物”が2000万表示「これは当たり!」
  5. /nl/articles/2502/07/news132.jpg 「いまこんななの?!」ディズニーリゾート内の商業施設、“ゴーストタウン化”に衝撃の声 改装前の閉店ラッシュに「寂しい」
  6. /nl/articles/2502/08/news091.jpg 北海道の“雪のヤバさ”が伝わる写真に460万表示の反響 衝撃的な光景に「何かの冗談でしょ?」「見たことない景色」
  7. /nl/articles/2502/07/news135.jpg 「なんだこの暗号は……」 マクドナルドの“大人だけが読めるメッセージ”が410万表示「懐かしい〜」「読める人同世代w」
  8. /nl/articles/2502/08/news016.jpg 「味見したら止まらなくて危険」 “何度も作ってしまう”簡単サラダが間違いない! 「思う存分作って食べます」と95万再生
  9. /nl/articles/2502/08/news015.jpg パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  10. /nl/articles/2502/06/news004.jpg 14歳のとき、親友の兄と付き合うことになった女性→13年後…… “まさかの結末”に「韓国ドラマみたい」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  4. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  9. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  10. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議