どうすれば「ぬい」をかわいく撮れるの? ぬいぐるみメーカー「サンライズ」にぬいの秘密と「ぬい撮り」テクニックを教えてもらった(1/2 ページ)

ぬい撮りファンのみなさま、お待たせしました。

» 2019年07月20日 11時00分 公開
[不義浦ねとらぼ]

 「ぬい撮り」という言葉をご存知でしょうか? アニメキャラクターなどのぬいぐるみ、通称「ぬい」を、さまざまなシチュエーションで撮影して楽しむカルチャーを「ぬい撮り」といいます。主に女性のアニメファンの間で発展してきたもので、「ぬい」の持ち主は「ぬいママ」と呼ばれます。

ぬい撮りサンライズ サンライズの須藤さんが撮影した「うさパン」。うさパン公式Twitterはこちら

 ねとらぼ編集部では、さまざまな「ぬい」を制作販売しているぬいぐるみメーカー「サンライズ」に取材を行い、営業部の成田さん、開発部の沼田さん、デザイナーの須藤さんに、ぬいの秘密やぬい撮りの楽しみ方についてお話をうかがってきました。いざ、ぬい撮りワールドへ!

ぬい撮り発祥の地、サンライズ

 ――昨今Twitterなどで「ぬい撮り」が盛り上がっていますが、サンライズさんの認識では「ぬい撮り」カルチャーはいつから始まったのでしょうか?

成田 「ぬい撮り」の発祥は、おそらくサンライズから販売した「Free!」(※1)ぬいぐるみだと認識しております。いわゆる「ぶすぬい」ブームですね。そこから「ぬいママ」という言葉ができて、ぬいママさんたちが自分で作ったお洋服を着せはじめたんです。オタク界隈の「ぬい」文化はうちが元祖だと思います。

※1……京都アニメーション制作のアニメ作品。2013年に第1作が公開されている。水泳に打ち込む男子高校生の青春を描き、多くのファンを魅了した。

――確かに、以前は「ぶすぬい」など、ぬいが「ちょっとかわいくない」という感じで話題になっていましたね。ぬいのデザインの傾向は変化しているのでしょうか?

成田 当時の開発者に聞いた話ですと、「Free!」の場合、「ぶす」を作っているつもりは全くなく、100パーセントかわいいと思って作っていたそうです。ただその方向性が結局「ぶすぬい」と呼ばれることになりました。結論としてはすごく愛していただけてはいるんですけど、意図しているわけではないことは強調させていただきたいです(笑)。

――「ぶすぬい」は思いがけず起きたムーブメントだったんですね。

成田 はい。その後、「ぶすぬい」ではなく普通にかわいいぬいぐるみを追求するべく、新しくデザイナーとして参加した須藤がいろいろなパターンの顔を作ってくれたんです。そこからはネットでも普通に「かわいいよね」と言ってもらえるようになりました。

ぬいの「顔」研究

――ぬいのデザインはどうやって決めてらっしゃるんですか?

須藤 流行を追うように心がけています。色々なグッズや、今流行ってるものなどを参考に、今どんなデザインが流行っているのかを研究しています。

 ぬいぐるみにしたときにかわいいものと、アクリルキーホルダーなど平面でデザインしたときにかわいいものって全然違うんですよね。「ぬいぐるみはごちゃごちゃしてしまうとかわいくない」というのが最近の結論で、シンプルな感じの顔を目指しています。刺しゅうの色数も抑えているんです。

――従来はもっと目をきらきらにしていたんですか?

須藤 以前の商品は白ベタ(白目の部分)を刺しゅうで表現しているんですけど、最近は全然入れていません。

ぬい撮りサンライズ こちらは白ベタありのぬい「日昇三兄弟」。左から三男・茜、長男・楓、次男・葵(記者撮影)
ぬい撮りサンライズ 白ベタのないぬいぐるみ(9月発売予定『ダンキラ!!!』ぬい 左から夜野零士、朝日 ソラ、日向 まひる)

――確かに白ベタがあるのとないのとでは、目もとの印象が違いますね。白ベタがあるのも目力があってかわいいですが、目元が浮いて見える感じもします。

須藤 目やハイライトを大きくすることでぬいぐるみはかわいくなるので、バランスを意識して考えています。単なるデザインではなく、ぬいぐるみになったときにかわいく見えるかを考えてデザインに落とし込むようにしています。

ぬいの洋服

――サンライズさんはぬいのお洋服を中心としたブランド「UCHI-NOCO」を展開されていますよね。先日発売された「ぴょこぴょこ帽子」や動物になりきれる耳付きポンチョなど、とてもかわいいなと思ってみていました。お洋服のデザインはどのように決まっているのでしょうか?

須藤 ポンチョを最初に出したときは動物押しでしたね。

成田 そうなんです。最近は季節ものを意識して、ハロウィンの魔女とかぼちゃのポンチョを用意しています。

――グッズのデザインのときにぬいをかわいく見せるためにどんな工夫をされているんでしょうか?

沼田 ぬいぐるみのかわいさを邪魔しないように、ポンチョの頭部分は素朴な顔にしています。あとは並べたときにカラフルに見えるようにしてますね。ぬいの衣装を手作りするのはハードルが高いので、気軽にお着換えができて「映える」感じのものがいいなというコンセプトです。コラボカフェで写真を撮ったりとか。

ぬい撮りサンライズ 未発売のポンチョ「ハリネズミ」と「カニ」。ぬいぐるみの顔を邪魔しないシンプルな顔立ち(記者撮影:日昇葵、日昇茜)

――確かにコラボカフェには持ち込んでいらっしゃる方が多いですよね。ぬい撮りのロケーションで人気な場所はありますか?

須藤 観光地や遊園地は人気があります。旅行させてる感じで写真を撮ったり。私はスイーツと一緒に撮影することが多いですね。ぬいママのみなさんには、「たくさん持ち歩いてたくさん撮ってください」とお伝えしたいです。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  2. /nl/articles/2412/20/news034.jpg 「博物館行きでもおかしくない」 ハードオフ店舗に入荷した“33万円商品”に思わず仰天 「これは凄い!!」
  3. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  4. /nl/articles/2412/20/news050.jpg 「マジかーーー!」 新札の番号が「000001」だった…… レア千円を入手した人が幸運すぎると話題 「555555」の人も現る「御利益ありそう」「これは相当幸運」
  5. /nl/articles/2412/20/news148.jpg 浅田真央、男性と“デート” 驚きの場所に「気づいた人いるかな?」
  6. /nl/articles/2412/20/news016.jpg 身内にも頼れず苦労ばかりの“金髪ギャルカップル”→10年後…… まさかまさかの“現在”に「素敵」「美男美女でみとれた」
  7. /nl/articles/2412/18/news144.jpg 海岸で大量に拾った“石ころ”→磨いたら…… 目を疑う大変貌に「すごい発見!」「石って本当にすてき」【カナダ】
  8. /nl/articles/2412/18/news047.jpg トイレットペーパーの芯を毛糸でぐるっと埋めていくと…… 冬に大活躍しそうなアイテムが完成「編んでるのかと思いきや」【海外】
  9. /nl/articles/2412/15/news077.jpg 生後1カ月の保護子猫、後頭部を見るとあのアルファベットが……→9カ月の現在にびっくり 「プレミアム猫」「本当にPですね」
  10. /nl/articles/2412/19/news190.jpg 辻希美、17歳長女・希空に「ダサすぎるって」とツッコんだ格好 
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」