「声優ラジオに心を救われた」「握手会にはあえて行かない」 オタクが語る“アイドル声優”の熾烈な世界(1/5 ページ)

「声で人を好きになる」。

» 2019年07月27日 12時00分 公開
[中山順司ねとらぼ]

 多くの人が、学生時代にアイドルに夢中になった過去があるんじゃないでしょうか? ポスターを部屋に貼ったり、息を潜めて深夜ラジオを聴いたり、テレホンカードをコレクションしたり……。え? テレホンカードがなんだか分からない?(ググってください)

 筆者が高校生だった1980年代後半は、菊池桃子、南野陽子、島田奈美が好きでしたね……。今ではアラフィフになってますが、変わらずおきれいなご婦人です。

 趣味や仕事で“沼にハマった”人々に話を聞くこの連載、今回登場いただくのは「14歳からアイドル声優オタク」だという27歳のHさん(男性)。アイドル声優ってどんな人たちなのか? アイドル声優の魅力とは? アイドル声優オタクを極めるとどうなるのか? ガッツリお話を伺ってきました。



今回のインタビュー相手:Hさん

27歳男性。中学2年生のころアイドル声優に目覚め、秋葉原に毎日のように通って声優ラジオを聴きまくる日々を送る。好きな声優は、

【声が好き】田中敦子、桃井はるこ、林原めぐみ

【ビジュアルが好き】戸松遥、田村ゆかり、水樹奈々、茅原実里


アイドル声優ってどんなお仕事?

――今日はよろしくお願いします。さっそくですが、Hさんがお好きな「アイドル声優」ってどんなお仕事なんでしょうか?

Hさん:声優でもあり、アイドルでもあるけれど、本業はあくまでも声優――というお仕事(をしている人たち)の俗称です。歌も歌う、ダンスも踊る、写真集を出したり、グラビアにも登場する。でもメインは声優……というわけです。

――アイドル声優もカテゴリ的なもので分類できるんですか?

 ジャンルという分け方が正しいのかは分かりませんが、声優さんの活躍の場は多岐にわたります。アニメ、ナレーター、映画、舞台、ラジオ、効果音、などふとした瞬間に好きな声優さんが出てるとうれしくなります。

――本当に多方面ですね。

 新人さんがラジオ出演して、それがキッカケでブレイクすることもあります。ちなみにアイドル声優ファンとラジオファンって親和性が高いというか、系統が似ている気がします。

 ラジオの魅力って、ふだんテレビで見せている姿よりも素に近いところでしょう? イケメンの福山雅治がラジオだと下ネタを言ったりして、ファンにはそのギャップがたまらない、的な。

――伊集院光が白(TV)と黒(ラジオ)のキャラを使い分けるのを知っていると、ラジオの方に親近感を覚えますもんね。

 まさにそれです。


生き残り競争は熾烈

――アイドル声優の世界はどれくらい厳しいんでしょうか?

 まず声優さんというのは、基本的にプロの役者です。しかもほとんどの人が生き残ることができない上位数パーセントという狭き門をくぐり抜けた人たちだけが、雑誌やメディアに出ることができます。

――なんとなく、ふつうのアイドルよりも生き残るのが簡単そうなイメージを持っていました……。

 とんでもない! 声優ほど熾烈な世界はないですよ。生き残りはめちゃくちゃ難しいです。ベテラン声優さんの多くは「声優は目指すもんじゃない」って口をそろえて警告するほど。生半可な気持ちだと食えずにすぐ引退に追い込まれてしまうでしょう。

――すぐに引退……。

 ファンはアイドル声優の世界の厳しさを知っているので、彼女たちに尊敬の念を抱いているんです。この過酷な世界で必死に頑張っている彼女たちをなんとか応援してあげたい……これがファンの目線です。

 そんな彼女たちを、ラジオを通じて親近感を持ち、そして作品を見て(聴いて)味わっているんです。「ラジオだとあんなにおちゃらけているのに、仕事だとめっちゃ真面目だなぁ……」って具合に。

――声優さんの多くに共通する価値観とか考え方とかってあるんでしょうか?

 基本的にめちゃくちゃ努力家。生半可な実力や覚悟では生き残れない世界で生きているので、人として尊敬できる部分も多いし、一方で成長を見届けたくなるようなほころびや脆さもある……というのがアイドル声優の魅力だと思います。


写真:Hさん提供
       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. /nl/articles/2404/21/news005.jpg 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  3. /nl/articles/2404/22/news028.jpg 0歳双子を19時15分に寝かせ続けたママ→1年後…… メリットだらけの挑戦記録に「偉い&すごい!」「寝る子は育つ、その通りですね」
  4. /nl/articles/2404/21/news013.jpg 【今日の計算】「101×99」を計算せよ
  5. /nl/articles/2404/16/news027.jpg 中古軽自動車をキャンピングカー仕様にして日本一周するカップル 車内で料理中、思わぬアクシデントが…… その後の姿に「すごい」「尊敬します」
  6. /nl/articles/2404/22/news122.jpg 「あの頃の橋本環奈すぎる」21歳の無名アイドル、幼少期ショット公開で再びどよめき「凄い完成してる」「美少女の片鱗が見えすぎてる」
  7. /nl/articles/2404/22/news026.jpg ご機嫌でルンルンステップを踏む柴犬、それをパパがまねすると…… ルンルンはひとりで楽しみたい派の塩対応に「めっちゃ可愛い」と100万表示
  8. /nl/articles/2308/31/news023.jpg 庭の草刈り中に小さな卵を発見、孵化させてみたら…… 命の誕生の記録に「すごい可愛い!」「すてきな家族」
  9. /nl/articles/2404/21/news029.jpg 飼い主を引っかいてしまった黒猫“自分の犯した過ち”に気が付いて…… いつもと違う行動に「反省してるのが分かる〜!」と190万再生
  10. /nl/articles/2404/22/news020.jpg 「飼い主ビビる」猫たちに猫草をあげたら……“ちがうもの”を食う1匹の姿が182万表示! 予想外の展開に「ちょっww」「狂気を見た」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」