連載「わが青春のインターネット」:ネットがリアルの一部に “招待制”で市民権を得たSNSの元祖「mixi」の足跡 (1/2)
mixiで学んだネットマナーは今のSNSにどう生かせているのか。
SNS の先駆け「mixi」(ミクシィ)。15年前、完全招待制の珍しさや「足あと」機能といった斬新なアイデアで人気を博し、多くの人が“ネットでつながる楽しさ”を知るきっかけとなりました。mixiで出会い、結婚したユーザーは今もなお課金を続けていると言います。あのころ、なぜ人々はmixiに熱狂したのでしょうか。SNSでの発信が当たり前となった今あらためて振り返ります。
mixiはなぜ爆発的に流行したのか
日本におけるSNSの草分け的存在「mixi」は、「心地よいつながり」を軸にコミュニケーションの場を提供するSNSとして2004年に産声を上げました(サービス説明文より)。2019年7月時点で270万以上の趣味のコミュニティーが存在しているほか、1万件以上のイベントが掲載されています。
そんなmixiが爆発的な人気を誇るきっかけとなったのは、「完全招待制」という珍しい登録スタイルでした。既にmixiに入会しているユーザーから招待されないと、新規利用登録ができないのです。全盛期にドップリmixiにドはまりしていた筆者も「招待された者しか参加できないすごいサイトがあるらしい」といううわさを2004年末ごろに聞きつけた1人で、周囲にはまだmixiを利用している人が全くいなかったことから、匿名掲示板「2ちゃんねる」の「mixi招待スレ」に招待してほしい旨とメールアドレスを書き込み、Aさんという20代の男性から招待をしてもらうことに成功しました。
実はこのAさん。筆者がmixiを退会するまでマイミク関係だった方で、「しばらくしたら僕とのマイミクを外せるようになるので、不要なら切ってくれて構わないです」とか「mixiではマイミク申請するときには、メッセージで一言あいさつをしたほうがいいですよ」といった基本的なルールを丁寧に教えてくれました。そう、黎明期〜全盛期のmixiには基本的なお作法がたくさんあったのです。
「踏み逃げ禁止」「バトン」mixi独自の文化とマナー
mixiを語るうえで外せないのが、誰が自分のページにアクセスしたのかが分かる機能「足あと」(旧:足跡)。mixiの登場以前、個人のサイトにアクセスカウンタなどを設置し、「キリバン」(切りの好い番号でアクセスすること)報告をするといった文化は存在していましたが、リアルタイムで誰がいつ自分のページを訪問したのかが分かる「足あと」がmixiに取り入れられたことにより、メイン機能の「日記」を書いた後は、誰が読みに来てくれるのかを日がな一日眺め続けたユーザーも少なくないことでしょう。
しかし、この「足あと」機能はとある独自ルールを生み出してしまいます。それが「踏み逃げ禁止(読み逃げ禁止)」。ユーザーの日記などを読みに行くことで「足あと」を残しつつ、日記へのコメントやメッセージを送らないで立ち去るという行為です。いわば日記版ROM専(※)状態のことですが、当時のmixiではこうした行為を非常識と捉える人々がおり、プロフィールに「読み逃げ禁止」「素通りNG」といった文言を書き加えている場合もありました。
(※)ROM専……書き込みなどをせず、投稿を見ているだけの人のこと。近年では「既読スルー」の感覚に近いかもしれない。
また「バトン」と言われる質問リストも、この「足あと」機能によって物議をかもしました。日記のタイトルを「離婚しました」「退学します」など、センセーショナルなものにしてアクセスさせたうえで始まる「バトン」は、「今恋人がいる?」「携帯の機種は?」といった他愛もない質問に回答していくというもの。末尾には「読んだ人は必ずやらなくてはならない」「絶対強制」などという恐ろしい一文が書き添えられている場合が多く、「足あと」によって日記を読んだことが投稿者にバレているという恐怖感から、しぶしぶ回答している人が多かった印象です。
またこのほかにも友達同士になるための「マイミク申請」では、前述の通り「○○のコミュニティーから来ました」といったあいさつ文を添えることがお決まりで、とにかくマイミクを増やしたい目的で見ず知らずの人相手に手当たり次第に「マイミク申請」をしていると、知らぬ間に嫌われていくといった悲しい文化もありました。
いずれにせよ、mixiで重視されていたのは「人への気遣い」。思いやりの気持ちを持って利用する――という基本的な精神は今のSNS文化にも継承されているのではないでしょうか。
ここまで「足あと」にまつわるお話を展開してきましたが、そんな「足あと」を巡って2011年6月、事件が起こります。
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