ワオ……ニンジャ……! 本物の忍者が監修、話題の手裏剣ダーツゲーム「ニンジャトレーナー」を触ってきた(2/2 ページ)
もともとは日本忍者協議会からの持ち込み企画だった
で、ダーツライブはどういうきっかけでニンジャトレーナーを作ることになったのか。お話を伺ってみると、実は商品の発案は、日本忍者協議会という団体とのつながりから生まれたものだったという。この日本忍者協議会、各地に散らばって町おこし的な活動をしている地方の忍者(有名なところだと伊賀や甲賀である)や、教育機関や自治体、関連企業などが集まってできた産学官連携の団体である。2020年のオリンピックに向けてインバウンド需要が高まるのを受け、オールジャパンで海外のお客さんの忍者需要に応えましょうという団体であり、いわば各地の忍者(とその他機関)が寄り集まってできたニンジャ・クランである。熱い設定だ……!
忍者といえば手裏剣、手裏剣といえば投てき、投てきといえばダーツ……といった発想で、そこから試行錯誤して商品化までには1年ほどを要した。いわば忍者との共同開発である。先に家庭版を作り、その後にダーツライブ側から従来のダーツマシンの技術を応用したアーケード版を提案したそうで、基本的には家庭版ありきの商品だったのだ。
こういう経緯なので、ニンジャトレーナーの手裏剣は忍者協議会が公式開催している手裏剣選手権で使われているものとほぼ同じ形。手裏剣の硬さは硬すぎると危ないし、柔らか過ぎても刺さらないし投げにくい……ということで、相当試行錯誤したという。アーケード版のディスプレイの映像や販促用チラシを作成する際には忍者協議会から本物の忍者を派遣してもらい、チラシの写真は社内のスペースで撮影。自分の勤務先に本物の忍者がきてくれるなんて、おれだったらサインをねだってしまうな……。
日本国内でも忍者は大人気。ロケテストでプレイしてくれた日本の人からの反応も上々だが、やっぱり訪日してくれた海外の旅行客の需要も見込んでいる。日本忍者協議会による「忍者グローバル調査」によれば、訪日外国人の98.7%が忍者を知っており、さらに忍者体験をしてみたいと応えた人は合計で70%を超えるという。家庭版ニンジャトレーナーはお土産としても売り出し中であり、売っている場所もおもちゃ屋さん以外にドン・キホーテや博品館というロケーション。すでにけっこう反響もあるという。
特に反響があったのが、セガ公式Twitterでニンジャトレーナーを宣伝した時のこと。遊んでみたいという声以外にも「クナイ型の手裏剣も出してくれ」などいろいろな提案があったそうだが、驚いたことに忍者からDMが来たのだ。というのも、愛知県で活動する「徳川家康と服部半蔵忍者隊」の忍者から「ちょっとどういう感じか見たいし、なんなら一緒にいろいろやってみましょう」という連絡が来たのである。家康て。幕府じゃん……。
で、実際に愛知から忍者が来た。一応ダーツライブ側でも忍者装束に着替えるスペースを用意したのだが、やはりそこは忍者、建物に入ってきた時点ですでに忍者の格好が完成しており、正体をさらすことはなかった。ちなみにこの忍者はニンジャトレーナー以外にもメガドライブミニの「ザ・スーパー忍」もプレイしていったが、そちらもかなりの腕前だったとか。帰り際も正体を明かすことなく、タクシーで帰っていったという。さすが忍者である。
8月22日まで日本橋の「三重テラス」で体験できます
という感じで、リアル・ニンジャも大注目のニンジャトレーナー。家庭版はすでに発売されているので、誰でも簡単に自宅でベスト・ニンジャ・エクスペリエンスを楽しむことができる。また現在開発中のアーケード版は、東京・日本橋にある三重県のアンテナショップ「三重テラス」で8月5日から22日まで開催中の「第4回日本橋忍者学校@三重テラス」にて体験できるほか(子ども向けに背が低い特別バージョンを展示予定とのこと)、8月24日〜25日には東京ビッグサイトで行われる「日本ダーツ祭り2019」でも試遊が可能。手裏剣がビシッと刺さった時の快感は想像以上なので、こちらもぜひ体験していただきたい。
というわけで、お土産に家庭版ニンジャトレーナーを1セットいただいたので、早速おれが普段プラモデルを作っている机の上に設置。仕事の合間に手裏剣を投げて鍛錬に励んでいる。自宅で手裏剣を投げて練習し、アーケード版が稼働開始した暁には百発百中の手裏剣さばきで周囲を「あの人、実は忍者なのでは……?」とビビらせたい……。目下のところ、おれはそれを目標にしている。
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