「何言ってるか分からないけど面白い」が最強の記事 ねとらぼ編集部員に聞く「お前の原体験はなんだ」〜杉本吏編〜:ねとらぼの中の人インタビュー(1/4 ページ)
生粋のネット文章中毒者。
ねとらぼの中の人にさまざまな話を聞いていく“誰得かつ実験的な連載”「ねとらぼ編集部員に聞く『お前の原体験はなんだ』」、第2回はねとらぼのサブチャンネルである「ねとらぼアンサー」の編集長・杉本吏にインタビュー。中途採用で編集部入りしたスタッフが大多数を占めるねとらぼですが、杉本さんは貴重な新卒入社組でもあります。
杉本さんは中学生のころにインターネットに出会い、メディアの記事だけでなく個人の日記なども「仕事と言い張って毎日読みあさっている」というほど筋金入りのネット文章中毒者。そんな杉本さんに、ネットメディアに就職することを決めた背景や、“面白い記事とは何か”など、さまざまな話を聞いてみました。
杉本吏(すぎもとつかさ)
1つの記事にめちゃくちゃ手間を掛けすぎることに定評がある「ねとらぼアンサー」の編集長。ねとらぼでは貴重なスタンダードな経歴の持ち主で、アイティメディアに新卒で入社した人。木曜日にインタビューしたのに「いやー今週初めて会社に来たわ」とか言っちゃうほどリモートワークを推進している。
就職面接は「最初はカマしたほうがいいし、最後はカマさないほうがいい」
――杉本さんは、新卒でアイティメディアに入社したというねとらぼでは珍しいタイプですよね。なぜアイティメディアに入ったんですか?
杉本:もともとはモラトリアム期間をなるべく伸ばしたくて、大学院行こうかなーと思ってたんだ。大学ではけっこう成績が良かったから、教授に「進学したいなら筆記試験なしの面接だけで入れるよ」と言われて。「これだー」って。みんな「社会人は大変だぞ!」とかめちゃくちゃ脅してくるから。
――典型的な“学生に対するマウンティング”ですね。
杉本:でも、がっつり研究者の道に進むような覚悟もなかったから、並行して就活も受けてたのね。悪い言い方すると、大学院っていう滑り止めがあるから、自分が働けそうなところだけ受けようと。それで昔からインターネットと文章が好きだったから、ネット+文章=ネットメディアじゃん、っていう。簡単な足し算で決めた感じ。
――杉本さんが就職活動していた時期ということは、2007年ごろですね。
杉本:そう。当時ってネットメディア自体はもちろんあったんだけど、新卒を募集するような「会社」という組織になってるとこはあんまりなくて。アイティメディアとか、インプレスとか、日経BPくらい。その中で、最初に決まったアイティメディアがそんなに嫌な感じがしなかったから、そのまま入った。
――じゃあ就職活動はスムーズに終わったんですね。
杉本:そう。当時のウチの採用は5次面接ぐらいあったんだけど、2次面接くらいの段階で「あ、もうこれ受かるわ」と思ってさ。
――へぇ。それはなぜ?
杉本:自分が「これでいこう」と考えてきた作戦が、完全にハマってるような感覚があったから。みんなそうだろうけど、就職の面接で素の自分を出すことはないじゃん?
――まぁ、ほとんどの人がそうでしょうね。
杉本:例えば、1次面接ではすごい人数がいる中から2次に上げる人を選ぶから……例えば1000人いる中から100人上げるんだとすると、落とす人じゃなくて上げる人を選んでるはずなんですよ。これが最終面接とかになると、例えば15人の中からマジでヤバイやつだけを除いて15人以下にするはず。最終面接って社長とかがやるので、もし変なやつが居たら人事が社長に怒られちゃうから、最後の方は「落とすやつ」を選んでるはずなんですよ。
ということはもちろん戦略は変わる。最初はカマしたほうがいいし、最後はカマさないほうがいいってことになるんです。
――めっちゃ計算高いな。
「全ての本は面白いに決まってる」と思ってた
――昔はどんな子どもでした?
杉本:やっぱり本はけっこう読んでたと思う。3歳くらいから1人で好きに読んでて、保育園の先生が悲しそうに「吏くんは、みんなでお掃除する時間に1人で本を読んでいます。お掃除を手伝ってくれません……」と母に伝えていたらしい。
――つらい……。ちなみに当時はどういう本を読んでました?
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