駄菓子屋で買えるカップ麺「ブタメン」はなぜ生まれたか? 幻の生麺タイプや「焼そば」の存在も(1/5 ページ)

開発担当者が本場九州のとんこつラーメンを片っ端から食べて、作り上げた味。

» 2019年08月14日 12時00分 公開
[辰井裕紀ねとらぼ]

 10円や20円でおいしいお菓子を食べられる駄菓子屋さん。その中でなけなしの小銭を奮発して買ったとっておきのごちそうが、「ブタメン」(おやつカンパニー)でした。


ブタメン 1993年発売、初代ブタメンの画像

 ふつうのカップラーメンと遜色ない、いや凌駕するほどのとんこつスープが決め手で、店先で食べたあのおいしさは今でも忘れられません。

 しかしこのブタメン、同じおやつカンパニーが販売する発売60周年の「ベビースターラーメン」の陰に隠れて、取材記事はほとんど見たことがありません。ならばと三重県津市のおやつカンパニー本社へ。


ブタメン 津市郊外に建つおやつカンパニー本社

ブタメン マーケティング本部マーケティング戦略部ブランド2課課長の安澤元博さん
ブタメン マーケティング本部リサーチプロモーション課の諸岡亜由美さん

 あのおやつカンパニー本社へ入れる興奮も冷めやらぬ中、おやつカンパニーマーケティング本部の安澤元博さんと、諸岡亜由美さんにいよいよ「ブタメンのひみつ」を伺いました。


ブタメン ブタメンの歴史

「子どもに食べてもらえるラーメンを」

――まずブタメンはいつ生まれたんですか?

安澤 1993年です。しかしその前からカップ型の麺は出していて、最初は1978年に発売された「ベビースターカップラーメン」。これはミニカップ麺の元祖と言われますが、ベビースターラーメンのような短いカット麺でした。

――へぇ、元祖! ちなみにその商品が生まれたいきさつは?

安澤 当時、大手メーカーのカップ麺はレギュラーサイズだけだったので、(小サイズ、低価格で)子どもに食べてもらえるラーメンを考えたのがきっかけです。


ブタメン ミニカップ麺の元祖、ベビースターカップラーメン。60円で具材がこんなに!

諸岡 そしてブタメンの前身といえるのが1987年発売の「ベビースター当たりら〜めん」です。短いカット麺ではなく、ふつうのラーメンのような長い麺のミニカップ麺です。しばらくしょうゆとカレーの2フレーバーで展開していたんですが、1993年にとんこつ味が「当りら〜めんブタメン(とんこつ味)」として登場したのです。


ブタメン ブタメンの前身「ベビースター当りら〜めん」

――ついにブタメンが……ちなみになぜとんこつ味になったんですか?

諸岡 1980年代後半に首都圏を中心にとんこつラーメンが流行していたので、全国的にもヒットすると思い、とんこつ味に決めました。商品化のために開発担当者は本場・九州に出張し、現地のとんこつラーメンを片っ端から食べたと聞いています。

――当時60円の商品にそこまで……!

安澤 ちなみに福岡のとんこつラーメンの中でも、福岡市周辺のサッパリした味がモデルと言われます。


ブタメン 発売当時のブタメン。確かに「当りら〜めん」とある

――あと、そもそもなぜ「ブタメン」なんですか?

諸岡 とんこつ=ブタから、わかりやすくてインパクトのある「ブタメン」としました。イラストのブタの目のぐるぐるは、「あまりのおいしさに目が回っている」ところを表現しています。

       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2403/17/news022.jpg 【追記あり】夫に「油買ってきて」と頼んだのに、手ぶらで帰宅した理由はまさかの…… とんでもないオチに「やめてww」「久しぶりに大爆笑」
  2. /nl/articles/2403/18/news022.jpg 1歳息子の“はじめての寝落ち”が140万再生 10歳兄のやさしい行動に「なにこの平和でかわいい世界」「最高に癒やされる」と絶賛の声
  3. /nl/articles/2403/17/news063.jpg 「予言者いた」「先見の明」 大谷翔平選手&真美子さんの結婚を2021年時点で予言(?)している投稿が発掘され話題に
  4. /nl/articles/2403/17/news047.jpg 北海道内の移動距離を本州と比較したら…… 感覚がバグるマップ画像に「これが北海道」「大きすぎる」
  5. /nl/articles/2403/18/news042.jpg 生後1カ月の赤ちゃん「ぼく泣かないもんねっ」 うるうるおめめとへの字口が「はぁ〜たまらん!」「ぐぁぁああああっっ」取り乱すほどかわいい
  6. /nl/articles/2403/15/news126.jpg 「一番イチャイチャしているように見える」 大谷選手が公開した写真でドジャース山本由伸選手の“手つなぎ”?が話題に 「そっちに目が行く」
  7. /nl/articles/2312/29/news019.jpg 「妻の服を勝手に着て脱げなくなったムキムキ夫とデカワンコ」に爆笑の嵐 シュールすぎる状況が500万表示突破
  8. /nl/articles/2403/18/news025.jpg “おしりが5日で変わる”トレーニング! 「明日からやるか」「1日1回だけなら続けられる」と累計3000万再生突破
  9. /nl/articles/2403/18/news056.jpg 大好きなボールを100個プレゼントされたときのワンコの表情に「放心ww」「引いてない?」 直視できない姿がSNSで話題
  10. /nl/articles/2403/18/news064.jpg 赤ちゃんが妙に静かだと思ったら…… 思わぬものへの“真剣モード”に笑顔になる人続出「たれたもちもちほっぺたまらん!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  2. 昭和時代に“無かった物”が写っている……? 細かすぎて伝わらない「未来から来たことがバレた写真」に6万いいね
  3. 「マジで汚い」「こんなもんです」 辻希美、“大散乱”のリビングと“新”キッチンの差を公開し共感の声集まる
  4. 双子の赤ちゃん、姉が全力でくしゃみして…… 被害にあった妹の反応に「生後3ヶ月でドリフのコントw」「めちゃどっちもカワイイ」と絶賛の声
  5. 「よくも病院に連れてきたな……」とにらむ猫、先生が来た瞬間 驚きの変貌に爆笑の声「これがほんとの猫かぶり」
  6. 急に片耳がたれたワンコ、慌てて病院にいった結果…… 「こんな可愛い診断結果初めて見たよw」「笑っちゃった」と反響
  7. 「何羽いる?」一見普通の“草むら”、よく見ると……? 思わず絶叫まちがいなしの1枚に「どっさりいるw」「まさに迷彩!」
  8. 店員に「この子は懐きませんよ」と言われたチンチラ、家に来て3日後…… 人を信じる姿に「愛が伝わったんですね」
  9. 元SDN48光上せあら、目を離した隙に……子どもが商品を触り“全買取” 「子連れママに厳しすぎないか?」
  10. 柴犬を子どものように育てた結果、人間みたいな行動をするようになった 何気ない幸せな日常に「完全に家族の一員」「全部が愛くるしい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」