酷道ならぬ「険道」ご存じですか? 地図に載ってない幻の県道「神奈川県道701号」を歩き通してみた(3/3 ページ)

» 2019年08月29日 15時00分 公開
[少年Bねとらぼ]
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イヨリ峠で半分。あと半分なのか、まだ半分なのか……

 イヨリ峠に出ました。ここで半分。あと半分なのか、まだ半分なのか……正直、当時の気持ちは圧倒的に後者でした。

さらに真っすぐ山道を登り続けると…… さらに真っすぐ山道を登り続けると……
急に舗装された道に出ます 急に舗装された道に出た

 いより不動明王から100メートルほどで浅間山林道に出ます。この道も秦野市と伊勢原市を結ぶ林道ですが、どちらも出入口が封鎖されており一般車は通行できません。

 県道701号はこの林道を1キロほど間借りしながら大山に向かいます。つまり、この道は前後を一般車通行不能区間に挟まれた通行可能区間ということになります。これはなかなか珍しい。

 舗装された道は歩きやすさが違います。文明の進歩は偉大だ! そんなことを思いながら、10分ほどで林道との分かれ道に着きます。

あくまでも林道。県道を思わせるものはなにもありません。 浅間山林道
道なり左は林道の一般車交通不可区間。右が県道701号です 道なり左は林道の一般車交通不可区間。右が県道701号

 林道から外れるとすぐ未舗装の山道に戻ります。舗装路よさらば……!

ふたたび山道を行きます 再び山道を行きます

 さらに道はどんどん荒れていき、ボブスレーのコースかな? といった様相になりました。伝わるかな。

こんなんボブスレーのコースやん、と現地で思いました。伝わるかな こんなんボブスレーのコースやん、と現地で思ったくらい

 雨水が作ったと思われるえげつない溝のある道。さっきよりもさらに激しく、滑りやすくなっていました。

 数少ない県道の証であるはずの「道界」コンクリート標柱は、外れて、流され、溝の中に横たわっていました。あぁぁ。ぬかるむ粘土質の土の中で、足場として存在感を主張していました。

「道界」の標柱が……。本来は県道と他の敷地の間にあるべき存在のものです 「道界」の標柱が……。本来は県道と他の敷地の間にあるべき存在のものです
「下る」というより、もはや「滑る」が正しいくらいの険しさ。急斜面にもほどがあります! 「下る」というより、もはや「滑る」が正しいくらいの険しさ。急斜面にもほどあるくらい

 急斜面を下るというより、滑るようにして降りていくと、再び林道に出ます。こちらは阿夫利林道。ここも一般車両の通行は禁止です。

15分ほど降りていくと林道が見えます 15分ほど歩くと見えてきた林道
右奥から降りてきて、一瞬林道と重なって左へ抜けていく県道 右奥から下りてきて、一瞬林道と重なって、県道はすぐ左へ抜ける

 ここまで来れば、残りはわずか500メートル。少し進むと「禊(みそぎ)の大滝」があります。こちらは大山を代表する滝の1つ。かつて大山の参拝者たちが水垢離(みずごり:滝に打たれる修行)をしたといわれています。

ちいさなお社と鳥居がありました 禊の大滝。小さなお社と鳥居があった

 ここからはアップダウンはもう収まり、川沿いの遊歩道のようです。道路と川が平面交差する「洗い越し」があります。県道と川が交差するのは貴重……とは言っても、山道ならばこのような場所もよくあります。もはや貴重な感じはしません。

何度も言いますが、一応県道です 何度も言いますが、一応、県道です
道路の上を川が流れています。 道路の上を川が流れています

 橋を越えるといよいよゴールです! 旅館「大滝荘たけだ」さんの前を通って、現代の大山へのメインルート「県道611号(大山板戸)」に合流します。長かった……!! 

当然ながら、車は通れない幅 ゴールの橋。当然ですがクルマは通れない幅
歴史を感じる大滝荘たけだ 歴史を感じる「大滝荘たけだ」

うわさ通りの「険道」 行くならば登山のつもりで装備を整えて

 さて、実際に歩き通した「幻の険道」こと県道701号。地図に載っていない道だけにかなりハードでした。基本的に路面は整備されておらず、ケータイ電波の届かない箇所も多いです。標識は所々に立っていますが、油断をしてルートを見失うと遭難しかねません。登山のつもりで装備を整えて臨むことを勧めます。ヒル対策も忘れずに!

 一方、少し雰囲気を感じてみたいならば、伊勢原側から禊の大滝まで散策するがお勧めです。なるほど、だてに「険道」と呼ばれているわけじゃないのだな、というのがよく分かりました……!

なお、険道の入口から社務局入口バス停までは徒歩10秒でした。アクセスはばつぐん 険道の入口から社務局入口バス停までは徒歩10秒。アクセスはばつぐん

少年B

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