黒木華「凪のお暇」6話で完全に立場逆転した凪とゴン「今度は自分が壊れる番ね」 今夜からは完全オリジナル展開へ(2/2 ページ)
かつての凪とそっくりの母・夕
凪の田舎で花火大会が開催されていた。花火を見るご近所さんのため、凪の母・夕(片平なぎさ)が甲斐甲斐しく食事を用意している。すると、その中の1人が「なつかしい!」と声を上げた。納屋から「人生ゲーム」が発見されたようだ。
「……なつかしい〜」(夕)
ゲームを見てもないくせに、おざなりの反応で対応した夕。かつて、空気を読んで凪が発した「わかる〜」とまるで同じに聞こえた。夕は、ここで空気を読んで生きていたのだ。
凪の携帯に電話をかける夕。でも、繋がらなかった。
「凪、安定した仕事に就いて幸せな結婚をして。逃げて。自由に遠くに。逃げて逃げて。そして凪、お母さんをこんな地獄から早く連れ出してね」
かつて、交際中の慎二に凪はこんな願望を抱いていた。
「慎二、早く結婚して。そしたら、私の“何だかなあ”な毎日も全部引っくり返るの」
母娘は似た者同士だった。でも、凪は変わりつつある。一方の夕は空気を読み、息を潜め、凪に依存することで逆転を夢見ている。昔と変わらぬ母が田舎にはいた。
サザンみたいなことを言うゴン
安良城ゴン(中村倫也)が大変なことになっている。隣室のドアの開閉音が聞こえた途端、ダッシュで凪の顔を見に行く健気さ。凪との立場が以前とは完全に逆転した。得体の知れなかったゴンが、今ではメチャメチャ人間らしくなっている。
友人・エリィ(水谷果穂)の務める古着屋に行ったゴンは、胸の苦しみを打ち明けた。
「見つめ合うと、素直にお喋りできない」
このタイミングでかかる店内BGMは、サザン・オールスターズの「TSUNAMI」だ。第4話で、ゴンのとりこになった凪はこんなことを口にしていた。
「会いたくて会いたくて震えるなんて、都市伝説だと思ってた」(凪)
2人の関係性を、わざわざJ-POPの歌詞で表現しないでも。
吉永緑(三田佳子)がゴンに発したメッセージは意地悪だった。
「ままならぬ愛と欲望の世界へようこそ。今度は自分が壊れる番ね」
ゴンのメンヘラ製造機っぷりを見てきた緑だから言えるセリフ。ゴンの年齢になって初めて知る恋愛は、しんどいと思う。凪と肉体関係があるのに、フラれてから初恋が生まれたという皮肉。際限なく愛を振りまいてきた報いだ。アパートの住民たちで花火を見に行ったときのやり取りは秀逸だった。
凪「ゴンさん、そのまま。……(見つめ合ったまま顔を近付け)パチッ! 蚊です。仕留めました(笑)」
ゴン「恋、しんど……」
凪に倒れ掛かるゴン。本当に仕留められたのはゴンのほうである。かつてのエロいオーラは微塵もない。見てるこっちがつらくなってくる。
中井芳彦プロデューサーが「オトナンサー」インタビュー(8月16日)で明かした通り、『凪のお暇』のストーリーは7話から原作の領域を脱する。今夜からは完全オリジナル。誰も展開が読めない未知の世界である。次回予告を観たら、慎二が凪にとんでもないことを言っていた。
「お前と復縁? 800%無いんですけど!」
すごい剣幕だ。でも、本当かしら。本当に本音? 嘘八百ではないのか。
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サイコパス化した高橋一生は原作よりも怖い。
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