NHKよるドラ「だから私は推しました」不仲メンバーがステージでつかみ合い、マイクの奪い合いの5話 推しのこんな姿を見たら確実に泣く!(2/2 ページ)

» 2019年08月31日 10時00分 公開
[北村ヂンねとらぼ]
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アカペラのフジファブリックでゾワゾワする

 グイッと引き込まれるミステリー展開に、どうしても森下佳子の脚本に目が行ってしまうが、このドラマ、演出や画作りもかなりハイレベルだ。

 毎回、タイトルの出し方がメチャクチャ凝っていて、今回だと、工場の前でバラバラの方向を向いたサニサイのメンバーたち、その上にタイトルドーン。CDのジャケットになりそうな格好よさだ。

 メイクをしながら、ショボイ営業仕事に来なかった凛怜のグチを言い合うシーンの構図も斬新過ぎた。真上からのカメラで、メンバーの頭頂部しか写っていないのだが、鏡に映った顔で表情は分かり、それぞれ目線を合わせていないことが伝わるという。こんな画、見たことないよ!

 音楽の使い方も絶妙で、ラストで死んだ(?)瓜田の顔から、夜の港を走るサニーサイドアップ。そのバックに流れるアカペラの歌にゾワゾワしてしまった。

 あの歌は、アイドルになる前の花梨がストリートライブで弾き語りしていたのと同じ、フジファブリックの「タイムマシン」。おそらくアカペラの声も花梨のものなのではないかと。

 「後悔だけはしたくないのです」

 「戻れるかなタイムマシンのように」

 という歌詞がものすごく暗示的だし、なぜここで花梨の歌がフィーチャーされるのかというのも気になるところ。

 何らかの事情で瓜田を突き落としてしまったハナをかばい、愛が自首したという展開が本命だと思っていたが、もしかするとここに花梨も絡んでくるのかもしれない。どっちにしても悲しい結末なのだが……。なんとかハッピーエンドになるというルートはないものか。

 ちなみに「タイムマシン」は、フジファブリックの初代ボーカル・志村正彦の遺作となったアルバム「CHRONICLE」に収録されている楽曲だ。

北村ヂン

文章からイラスト、漫画、映像まで、あの手この手でインターネットのみなさんのご機嫌をうかがうハイパーメディアライターTwitter

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