黒木華「凪のお暇」凪の勝利を信じたゴン(中村倫也)、凪の敗北を見抜いていた慎二(高橋一生) ゴンの苛立ちにグッときた(1/2 ページ)

かつて好きだったストレートヘアの凪を見て「負け」を確信した慎二。

» 2019年09月13日 18時59分 公開
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 9月7日に「凪のお暇」(TBS系)の第8話が放送された。ゴン(中村倫也)にグッと胸をつかまれた回だった。


凪のお暇 「私は絶対変われないんだ」と落ち込む凪の前に、慎二が現れた イラスト/まつもとりえこ

「でも、今はモジャモジャのほうがいい」(慎二)

 大島凪(黒木華)に素直な気持ちを話した我聞慎二(高橋一生)。一夜明けても、市川円(唐田えりか)からの連絡はなかった。すると、出勤しようとする慎二のもとに、円ではなく、安良城ゴン(中村倫也)から朝ご飯のお誘いが入る。迷った慎二だったが、生まれて初めて会社をサボることに。

 一方、凪はスナック「バブル」のママ・中禅寺森蔵(武田真治)、杏(中田クルミ)、吉永緑(三田佳子)、白石みすず(吉田羊)、うらら(白鳥玉季)、エリィ(水谷果穂)と一緒に自宅で餃子パーティの仕込みをしていた。慎二の泣き顔を初めて見た凪は「処理しきれない」と、昨晩の出来事を皆に聞いてもらうことに。

 すると、皆が慎二の号泣を目撃したことがあると証言。「慎二は凪が大好き」ということに自分だけが気付いていなかったのだと凪は知った。困惑する凪が「風にあたってきます」とベランダに出ると、ゴンの部屋から慎二が出てくる。夏休みをとった慎二は、ゲームをやるためゴンの家に泊まりに来ていた。

 ある日、母の夕(片平なぎさ)から凪に電話が。台風が直撃して実家に被害が出たというのだ。凪は髪をストレートに伸ばし、身なりを整えて北海道に帰省する。到着すると家に大した被害はなかったものの、夕はリフォームのため必要なお金を遠回しに要求してくる。凪は夕の圧に屈し、コインランドリー経営に必要なお金を母に振り込んでしまった。

 「私は絶対変われないんだ」と落ち込む凪の前に、慎二が現れた。「俺が好きだったのは、サラサラのストレートと、貧乏臭いけど染みるメシと、俺の顔色ばっかり窺ってる控えめな性格。でも、今はモジャモジャのほうがいい」と慎二は凪の髪を撫で、凪は慎二の言葉に救われた――。

嫉妬の感情を初めて知るゴン

 今までで一番心を鷲掴みにされた。ゴンに対してだ。序盤、ゴンとママの会話には気が抜けた。慎二と朝食を共にし、元気がないと察したゴンはアパートに慎二を連れて帰った。

 「凪ちゃんの顔見たら元気出るかな〜って」(慎二)

 さらに、ゴンは言葉を続けた。

 ゴン「俺の相談も我聞君に聞いてもらいたかったし。俺、凪ちゃんのこと好きになっちゃって」

 ママ「ちょっと待って。その2つ、両立しないでしょ! まさか、凪ボーイのこと2人でシェアでもするつもり?」

 ゴン「あ〜、シェア。なるほど」

 ママ「なるほどじゃないわよ!」

 常人ではありえない発想だが、ゴンの中で矛盾はない。彼は今まで女性にシェアされ続け、分け隔てなく女性に優しさを振り撒いてきた。嫉妬の感情そのものを知らない。凪とゴンの接触を気に掛ける慎二と違って、慎二に凪のことを相談しようと思っていたほどだ。

 北海道の実家に凪を迎えに行った際、ゴンは凪に声を掛ける役目を慎二に譲った。凪と慎二は、親のために空気を読む癖を覚えた似た者同士。その上、2人には積み重ねてきた時間がある。凪と自分では作れないだろう空気を目の当たりにするゴン。慎二に花を持たせたゴンに初めて芽生えた嫉妬の感情。イラつき、クラクションを叩き鳴らすシーンはグッと来た。メンヘラ製造機も、嫉妬に狂う気持ちがやっとわかったか。

 女性に対して全勝だったゴンに慎二へのライバル心が芽生える。以前、緑が言った「ままならぬ愛と欲望の世界へようこそ」が一気に押し寄せてきた。


凪のお暇 まさかの「お暇」反転。恋を知ったゴンはどうなるんだ イラスト/まつもとりえこ

コインランドリーは誰が買った?

 精神的小3の慎二がうららにアドバイスされるシーンは出色だった。

 うらら「また凪ちゃんのこといじめにきたの?」

 慎二「いじめない。……から、どうしていいのか困ってる」

 うらら「そんなの簡単じゃん。友だちになればいいんだよ」

 夜、薄壁1枚を挟みベランダで凪と慎二が会話した場面は印象的だった。凪は慎二の顔色を窺ってないし、慎二は凪をいじめていない。お互い変わったのではなく、お互いが初めて“本当の顔”を見せ合っている。

 急遽、凪は実家に帰ることになった。母・夕との対戦が繰り上がった形だ。ゴンも坂本龍子(市川実日子)も「今の凪ちゃんなら大丈夫」と凪を励ました。

 「行くな」(慎二)

 慎二は2人とは異なる反応を見せるのだ。

 「慎二にはわからないでしょ、うちのことなんて」

 慎二「わかる」

 かつて、慎二は「サラサラのストレートと、俺の顔色ばっかり窺ってる控えめな性格」の凪が好きだった。でも、そんな凪は慎二から逃げた。その後、慎二は改めてモジャモジャの凪に惚れ直した。なのに、眼前には髪をストレートにし、身なりを整えた凪の姿がある。

 「そんなんで勝てんの、タイトルマッチ。その格好してる時点で負けてね?」(慎二)

 慎二でしか言えない言葉だ。凪と慎二は同じ苦しみを抱えている。このままでは、凪は母親に負けてしまう。結局、凪と龍子はコインランドリーを買うことができなかった。

 「でも別の買い手が見つかったみたいで、あのコインランドリー自体は残す方針だそうです」(龍子)

 あまりにもタイミングが良すぎないだろうか。もしかして、凪がタイトルマッチに挑むことを知る誰かが代わりに買ったのでは?

 慎二は凪が夕の圧に屈することを予想していた。事業計画書を読み「割と手堅いじゃん」と納得もしていた。慎二が買ったという可能性が1つある。

 もう1つの可能性は、旅館の跡取りという過去が明らかになった緑。前回、コインランドリー店主に「若い娘さんに夢の1つも見せてあげられないなんて」と言っていたし、本当はこの人はお金持ちだ。それら全て、伏線な気もする。親と決別した緑が親の圧に怯える凪を応援する構図もしっくり来る。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/17/news163.jpg 柄本佑、「光る君へ」最終回の“短期間減量”に身内も震える……驚きのビフォアフに「2日後にあった君は別人」「ふつーできねぇ」
  4. /nl/articles/2412/16/news079.jpg “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  5. /nl/articles/2412/17/news060.jpg 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  6. /nl/articles/2412/17/news049.jpg 「品数が凄い!!」 平愛梨、4児に作った晩ご飯に称賛 7品目のメニューに「豪華」「いつもすごいなぁ」【2024年の弁当・料理まとめ】
  7. /nl/articles/2412/17/news183.jpg 「秋山さん本人がされています」 “光る君へ”で秋山竜次演じる実資の“書”に意外な事実 感動の大河“最終回シーン”に反響 「実資の字と……」書道家が明かす
  8. /nl/articles/2412/17/news144.jpg 「私は何でも編める」と気付いた女性がグレーの毛糸を編んでいくと…… 「かっけぇ」「信じられない」驚きの完成品に200万いいね【海外】
  9. /nl/articles/2412/17/news078.jpg 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  10. /nl/articles/2412/17/news033.jpg セリアのふきんに、糸で“ある模様”を縫っていくと…… 思わずため息がもれる完成形に「美しい」「やってみます」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」