「万引き犯への温情は無用」「こんなヤツには注意する」 万引きGメンに聞く、よくある手口と捕まえ方(3/5 ページ)

» 2019年09月21日 12時00分 公開
[中山順司ねとらぼ]

警察と一緒に現場検証させられるのが地味につらい

――嫌な体験、つらい経験はありますか?

 万引き犯が警察署に送られたあとに待っている「現場検証」です。犯人が現場にいないので、Gメンのわれわれが「ここで商品が何時何分に盗まれました」「ここで何時何分に犯人に声をかけ、取り押さえました」って指差しをしながら説明しなければなりません。

――それって傍から見ると、まるでAさんが犯人で、警察に説明させられているように見えません?

 そう! そうなんです! 通行人の「うわ……あのひと窃盗犯なんだ……最低……」みたいな視線がつらかったです。「違うんだ! 僕は犯人ではなくってGメンなんだよ……!」って叫びたい気持ちに毎回なっていました(笑)。

――ご愁傷様です……。逆に役得というか、よかったことは?

 渋谷にある某大手カメラ量販店にプライベートで買い物に行ったとき、たまたま犯行現場を見つけてしまいまして……。その気がなくっても、職業病で挙動不審な人は目に入ってしまうんです。中年男性がインクカートリッジを箱から出してポケットに入れた瞬間を見てしまいました。で、ガラ(空箱)は捨てたので僕がそれをあとから追って拾い、そのまま追尾しました。

――仕事中ではなかったけど、つい追いかけてしまった?

 ええ、しかもこれまた職業病なんでしょうね……なぜかペンをそのときも持ってて、さっと腕に犯行時刻をメモりました。あ、犯行時刻を記録するときは自分の腕に書き込みます。メモを持ち歩いているわけではありません。

――プライベートでもペンは肌身離さないんですね……で、それから?

 店外に出たところで「ちょっといい? 俺、万引きGメンやってる者なんだけどさ、なんで声かけられているか分かるよね?」って声をかけました。その男性は犯行をすぐに認めておとなしくなったので、自分の身分を店側に明かして事情を話して男性を引き渡しました。

――Aさんにできるのはここまでですよね、非番中の出来事なんだし。

 そしたら後日、渋谷警察署に呼ばれました。仕方ないので出向いて事情聴取を受けてきたんですが、帰りがけに2万円を謝礼金としていただきました。こういうこともあるんですね。


万引きGメンの適性と忘れられない思い出

――どんな人が万引きGメンに向いているとか、もしあれば教えてください。

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