欅坂46、初の東京ドーム公演で披露された全楽曲を2万字で全力レポート! 渡邉理佐・菅井友香・守屋茜・渡辺梨加の気球お手振りに会場がどよめく【中編】(3/3 ページ)

» 2019年09月21日 09時20分 公開
[Kikkaねとらぼ]
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もう森へ帰ろうか?:スクラップ置き場とリンクする“人形”のようなメンバー

 左・中・右、全てのスクリーンに投影されたのは1本の大きな木。巨木を前に、スモークがたかれたメインステージ上では生気を失ったメンバーたちが人形のように淡々とパフォーマンスしていきます。その姿は舞台のコンセプトとなっているスクラップ置き場とリンクしているかのようにも感じられます。

 このパフォーマンスで印象的なのが、メンバーたちが極力瞬きを控えている点。終盤への重要なターニングポイント「自分はどこにいる」の直前の場面では、右手をあげた鈴本さんを中心に感情を押し殺した表情のメンバーが平手さんを囲みますが、大サビでは全員が目隠しをしながら前進。少しずつ内なる感情を引き出していき、終盤はスカートを翻しながら全員で回転していきます。

 欅坂46と言えば衣装のクオリティーの高さも人気ですが、こうしたターンの際に美しい軌道を描く衣装は尾内貴美香さんによるもの。緻密に計算されたプリーツや上品に見えるスカート丈でパフォーマンスに華を添えています。

 大サビでは力強く激しいダンスで締めくくると、会場からは惜しみない拍手が贈られました。アイドルのライブで拍手が贈られるのはある種異例ともいえますが、常識の型にとらわれない欅坂46のファンならではの賛辞の贈り方だと言えると感じました。

僕たちの戦争:土生ちゃんの表現力に脱帽

 続いて披露されたのは上村さん、長沢菜々香さん、土生さん、梨加さん、理佐さんからなる、ユニット「FIVE CARDS」が歌う、「僕たちの戦争」。左側のスクリーンをバックに上段で上村さんと土生さんと長沢さんが、下段で理佐さんと梨加さんのWワタナベがパフォーマンスしていきます。

 スクリーンにはさまざまな色がアーティスティックに混ぜられていく様子や、色の渦などが写し出されており、MVの洗濯機の雰囲気を再現しているようです。「おーいおい、おいおいおいおい!」などおなじみのコールを受けながら中盤では全員が下段に移動してパフォーマンス、猫になった梨加さん、理佐さんの愛らしい姿には女性ファンからは悲鳴が上がっていました。

 また大サビの直前では投影された水滴にメンバーが押しつぶされるという、スクリーン連動型のパフォーマンスも披露。特に素晴らしかったのが土生さんの崩れ方で、水滴を受けた瞬間の衝撃や水しぶきが上がるまでの表現が本当にリアルでした。

結局、じゃあねしか言えない:メンバーからの7ポーズ。みんな待ってるでね!

 続いては石森さん、齋藤さん、佐藤さん、土生さんが歌う五人囃子の「結局、じゃあねしか言えない」。表現力の高いメンバーがそろっている楽曲ということもあり、指先まで行き届いたしなやかなダンスが魅力的です。

 中盤からはメンバーが用意されていた黄色い自転車で花道を移動。初日ではそろえるのが少し難しかったという楽曲カラーの三ケ日みかん色ならぬイエローに染まった会場ではメンバーに手を振る観客が続出。メンバーたちは笑顔を手を振りながら声援に応えていました。


欅坂 東京ドーム KEYAKI 千秋楽では会場が黄色に包まれた(Photo by 上山陽介)

 ここで注目したのが、センター最奥ステージに到着したメンバーが自転車を返す瞬間。全員が会釈したり笑顔でスタッフに自転車を返しており、普段からの礼儀正しさがうかがえました。また最後の決めポーズでは通常五人囃子の「5」を表現するのがお決まりですが、土生さんは「7」ポーズ。メンバーはもちろん、多くの観客もきっと同じ気持ちで待ってるでね……!

MC(武元・井上・関・松平)

 ここで2期生によるMCタイム。登場したのは武元唯衣さん、井上さん、関さん、松平さんです。武元さんから「『欅坂46は自分にとってこんな存在だ』っていうのが多分全員あると思うんですけれども、ゆみちゃんはどうですか」とまず話を振られたのは関さん。「私は欅ができたときから欅坂がすごく大好きで、私が好きになったときは『サイマジョ』とかもまだ出ていなかったときで、メンバーさんの儚さがすごく好きになったんですけれど、楽曲がどんどん出されていく中で、欅の曲は強く引っ張っていくことももちろんあるけれど、落ち込んだときとかにも背中をさすってくれるような寄り添ってくれる曲が多いなって。そういう存在だなと思います」と語りました。好きな曲について尋ねられると「二人セゾンが好きで」と即答していました。

 続いて松平さんは「私自身もよく変わっているねとか言われることが多いんですが、(エキセントリックは)歌詞に『変わり者でもいい』という前向きな歌詞があって、それに背中を押されて、勇気をもらったり、元気づけられたりしたから」と好きな曲は「エキセントリック」だと語りました。

 井上さんも「自分の中の自分らしさをそのまま出していけばいいと思える曲」だと、「エキセントリック」への思いを語りつつ、「欅の歌はメッセージ性の強い歌詞が多くて、自分の背中を押してくれたり、支えてくれたりするような曲が多くて。パフォーマンスも含めて自分を支えてくれるような存在です」と欅坂46という存在についても語りました。

 武元さんは「世界には愛しかない」がきっかけで欅坂46を好きになったと言い、「聞いたときにすごく前向きな気持ちになれて、心が晴れるというか、すごく背中を押されて、毎日聴いてから学校に行っていました」と笑顔を見せました。またMVを再現したパフォーマンスについても観客に「どうでしたか?」と呼びかけ、会場からは「うぉー!」と歓声が上がりました。

 欅坂46としての活動について関さんは、「私はまだまだ成長しなきゃいけないんですけれども、本当にダンスができなくて、スタッフさんからも『どうしよう』って言われていたぐらいなんですけれども、家で練習したりして、今ではスタッフさんとかダンスの先生、みなさんからも握手会とかレターとかで『ダンス上手になったね』と言われるのがすごくうれしくて、見て下さる方がいるんだなと思うとすごく気が楽になったし、前までは踊れないし……と思っちゃっていたけれど、最近はもっともっと上手になりたいと思えるようになりました」と笑顔を見せました。

 井上さんはお見立て会を振り返って当時は「曲の振り付けを一気に覚えるのが大変だったんですが、最近はあの曲も踊りたいな、この曲も踊りたいなと思えるようになってきて、そこでも成長してきたのかなと思います」と語りました。

(Kikka)

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