日本一貧乏な観光列車「ながまれ海峡号」の1回しか出ないメシで満腹になってやったぜ月刊乗り鉄話題(2019年10月版)(1/5 ページ)

はるばる来たヨ函館ェ〜 おいおいおいおい……! 1回だけれど「4時間食べ続ける」旨すぎる列車でした。【写真40枚】

» 2019年10月18日 09時15分 公開
[杉山淳一ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 北海道、函館と言えば、いまも歌い継がれる演歌の名曲「函館の女」。北島三郎さんの大ヒット曲です。2019年現在の東京駅〜函館駅間は東北・北海道新幹線で約4時間半。「はるばる」してませんね。飛行機ならフライト時間は約1時間20分。函館は近い!

乗り鉄 北海道 道南いさりび鉄道 ながまれ海峡号 日本一貧乏 観光列車 今回乗った、“日本一貧乏”な観光列車「ながまれ海峡号」

 函館の名物といえば函館山の夜景、路面電車、ラッキーピエロのハンバーガー、ハセガワストアーのやきとり弁当、五稜郭、函館朝市など、たくさんありますね。

 その函館には、日本一の栄誉に輝いた観光列車があります。道南いさりび鉄道の「ながまれ海峡号」です。関係者が「日本一貧乏な観光列車」と自虐的に紹介しています。ややこしいですが「日本一貧乏の栄誉」ではありません。優れた鉄道企画旅行を選ぶ「鉄旅オブザイヤー2016」でグランプリを獲得した正真正銘の日本一になった列車(の旅)です。

 もう少し説明したいところですが、まずは列車に乗りましょう。

 「ながまれ海峡号」は旅行会社主催のパッケージツアーで運行します。集合は函館駅の改札口前。案内係のお姉さまに参加証の缶バッジをもらって、ガラス張りのコンコースを歩いて行くと、ネイビーブルーの気動車が待っていました。銀色の細い帯の上下に、オレンジやイエローの円が並びます。なるほど、これは「水平線と漁り火」ですね。銀帯が途中で上へふくらんでいます。これが函館山かな。窓の上には無数の星、北斗七星もあります。

乗り鉄 北海道 道南いさりび鉄道 ながまれ海峡号 日本一貧乏 観光列車 車体に「道南いさりび鉄道」「South Hokkaido Railway」「ながまれ」の文字。「ながまれ」は道南地域の言葉で「のんびりして」という意味
乗り鉄 北海道 道南いさりび鉄道 ながまれ海峡号 日本一貧乏 観光列車 飾り付けは季節ごとに変わる

 乗り込むと、まずは大漁旗が出迎えます。漁師町のおもてなし。そして飾り付けはモミジですね。すっかり秋の色。よく見るとオレンジ色のイカが混じっている。白いぬいぐるみもぶら下がっています。これはご当地キャラの「ずーしーほっきー」さんです。ホッキ貝のにぎり寿司をモチーフにしているそうで、おなかのポツポツは米粒を現しています。

 シートは4人掛けのボックスシートとロングシート。JR北海道のディーゼルカーとしては一般的な配置です。ただし、全ての座席にテーブルが取り付けられています。このテーブルはパタンと開くと面積が倍になります。良くできてるなあ。車両を普通列車として使う時は、テーブルを取り外します。

乗り鉄 北海道 道南いさりび鉄道 ながまれ海峡号 日本一貧乏 観光列車 ずーしーほっきーさん
乗り鉄 北海道 道南いさりび鉄道 ながまれ海峡号 日本一貧乏 観光列車 ふだんは通勤通学用の車両。改造部分はこのテーブルだけ

 15時51分。函館駅を発車します。走り出してすぐの車窓右手に道南いさりび鉄道の本社があります。各部門の社員さんたちが手を振ってお見送りしてくれました。こちらも手を振って応えます。

 車窓左側は線路だらけ。函館駅は貨物列車の拠点です。青函トンネルを通り抜けた貨物列車が到着し、機関車を付け替えて道内各地に旅立っていきます。その広い構内を、たった1両のディーゼルカーが進みます。隣の五稜郭駅のそばには機関車の基地もあります。ふふ、乗り鉄的には海よりも山よりも良い眺めなのであります。

 五稜郭駅を過ぎると線路は二手に分かれます。右に分かれていく線路は函館本線です。北海道新幹線の新函館北斗駅方面、その先に札幌駅。道内各地につながります。

 私たちの列車は左の線路へ。こちらが「道南いさりび鉄道」です。函館湾と津軽海峡を望み、37.8キロ先の木古内駅まで運行しています。「ながまれ海峡号」は、木古内駅までの全線を往復します。函館駅に戻る時刻は19時47分。約4時間の旅です。料金は9800円〜1万1800円で、座席と人数によって変わります。ボックス席は2〜4人のグループ向け。ロングシートは、1人または5人以上のグループ向けです。

乗り鉄 北海道 道南いさりび鉄道 ながまれ海峡号 日本一貧乏 観光列車 北海道函館水産高校の皆さんもお見送り。愛される鉄道、愛される列車だ
       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  2. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/25/news043.jpg 娘の給食の献立表を見たら…… 正体不明の“謎の料理名”が「これはわからんw」と話題に その意外な正体に納得!
  5. /nl/articles/2404/25/news129.jpg プロ野球チップスでまた“不良品”流出 伊藤大海「176m」表記に続き…… カルビー謝罪「深くお詫び」
  6. /nl/articles/2404/24/news018.jpg 1年半ケージに引きこもっていたシャーシャー猫が、ある夜布団に入ってきて…… 感涙の行動に「まるで別猫」「こんな日が来るなんて」
  7. /nl/articles/2404/24/news017.jpg メルカリで300円の紙モノセットを買ってみたら…… 出品者のあたたかな心遣いに「利益は考えていないんでしょうね」「見ててわくわくします」
  8. /nl/articles/2404/23/news185.jpg 子どもに高級キーボードのパーツを捨てられた → 公式の“先読みしすぎた対応”が話題「そういうこともあろうかと」
  9. /nl/articles/2401/18/news015.jpg 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」
  10. /nl/articles/2404/22/news124.jpg ダイソー「マルチ万能ほうき」が家事ラクの救世主 名前負け知らずの便利さに「これやばっ!!」「220円に驚き」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」