泉佐野市、ふるさと納税からの除外取り消しを求めて国を訴える 「過去にさかのぼって法的規制しているのと同じ」
制度設計が甘かったという総務省のミスを自治体に転嫁している、という主張です。
大阪府泉佐野市は11月1日、総務省がふるさと納税制度から同市を除外したのは違法だとして、高市早苗総務相を相手取り、除外の取り消しを求める訴訟を大阪高裁に起こしました。
同市の除外については、第三者機関の「国地方係争処理委員会」が9月、違法の恐れがあるとして除外を再検討するよう総務省に勧告したものの、総務省が除外を継続したため、泉佐野市は提訴に踏み切りました。
泉佐野市の千代松大耕市長は「国の省庁が中立・公平な第三者機関から違法性を指摘されておきながら、そのような状況を維持するということは、自らのメンツだけを守ろうとする身勝手な考え方であり、社会的にも教育的にも悪影響が大きく、地方自治の存続を危ぶませる」とコメントしています。
改正地方税法に基づく6月からのふるさと納税新制度では、返礼品は「調達額が寄付金の3割以下の地場産品」に限定し、「返礼品を含む経費の比率を寄付額の50%以下にする」などと定めました。その上で、自治体からの事前の参加申請を受けた総務省が審査し、対象自治体を指定する形になりました。
この結果、これまで高額な返礼品で寄付を集めてきた泉佐野市など4市町について、総務省は新制度の対象から除外を決定していました。
旧制度でも総務省は返礼率などについて通知を出して自治体に守るよう促していましたが、泉佐野市は「地方自治法上、通知は「技術的助言」であり、法的拘束力はなく、従うか否かは自治体の任意だった」と主張。旧制度では返礼品について法的規制はなく、除外決定は過去にさかのぼって法的規制を適用しているのと同じであり、国は裁量権を逸脱しているとも主張しています。
訴状で、泉佐野市は阿部泰隆 神戸大学名誉教授(行政法)のコメントを引用しています。阿部名誉教授は、
もともと制度設計の時に、良識ある行動に期待するなどと言っていないで、このような事態を想定してあらかじめきちんとした競争ルール(違反の場合の資格はく奪・復権のルールも)を定めておくべきであったのである。
そして、国と地方の関係も2000年の分権改革により法治国家となった以上は、総務省は、この事態が望ましくない、地方財政法に違反すると思うのであれば、何度も助言などしていないで、早急に立法化すべきであった。仮に最初はこうした事態を想定できなかったとしても、その兆候が現れたら、何年も技術的助言をしていないで、直ちに法制度を構築して、事後の進展を防止すべきであった。
ふるさと納税の競争激化は、これまでの法制度では許されていたのであり、総務省が、それを傍観せざるを得なかったのは、先を読まず、まっとうな法制度設計をしなかったためである。それなのに、総務省は、禁止できなかった過去の行動について、今回、事後に、これからも指定しないという理由としているのである。これは総務省の立法作業の不備を、その当時の法制度の中で許された行動をした地方公共団体に不利となるように転嫁したものである。それは一種の禁反言の法理にも触れるものである。
──と述べています。
関連記事
ふるさと納税、トップの泉佐野市は250万件・498億円集める 控除額トップは横浜市の137億円
ただし、上位4市町は新制度から除外されました。泉佐野市など、ふるさと納税制度から除外で「やっぱり」「制度に問題があった」の声
やりすぎちまった……?泉佐野市、ふるさと納税で返礼率70%「最後の大キャンペーン」 Amazonギフト券40%コースも
申し込みは5月31日までなので注意。泉佐野市、ふるさと納税で知名度大幅アップ? 「初めて知った」3割超に
イメージは「良い」「悪い」が拮抗。「詐欺レベル」ふるさと納税返礼品に“ほぼ脂身の肉”で批判殺到 宮崎県美郷町が謝罪し返礼品停止を発表
今後については「原因を究明し、対策を講じる」としています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
昨日の総合アクセスTOP10
【なんて読む?】今日の難読漢字「雀躍り」
ahamoなど新料金プランのデメリット、イエモンの告知きっかけで拡散 メールや決済に注意
バーでナンパしてきた不思議な男の正体とは? 切なくも美しい漫画に「近未来的なのに懐かしい」「深淵をのぞくような物語」の声
「浜ちゃんそっくり」「ミニ浜ちゃん」 小川菜摘、息子たちの幼少期ショット公開で“浜田のDNA”に注目集まる
「分かる」「ついさっきやった」 “歳取ったと感じる瞬間”を描いた漫画にダメージを受ける読者続出
花粉症を「完全」に治す薬を作ったはずが…… 優秀すぎた製薬会社社員の末路を描いた創作漫画に鼻水が止まらない
猫「おーい、めしっ」→起きない飼い主にまさかの展開……! 賢い猫と飛び起きる飼い主の漫画が面白い
猫とおやつ当てゲームをしてみたら…… 「こっちかにゃ」と考える猫の表情がかわいい!
「このままの自分」を好きになってもいい 漫画「ぽっちゃりした女の子を描くようになった話」に元気づけられる
「おいもがねているのでかたづけないで」 愛猫思いな息子さんの張り紙、きょうだい猫たちとの絆にほっこり
先週の総合アクセスTOP10
- 指原莉乃、すっぴんからのメイク動画が1日で100万再生を突破 「プレゼンがすごく上手くてビックリ」と高評価も続々
- お水を飲みたいカラスさんがとった行動とは……? 人間に“ある方法”でお願いするカラスが賢くてかわいい
- 菊地亜美、体調不良の原因は「赤ちゃんと同じような大きさの…」 RIZAP10キロ減から2年で襲った悲劇
- アンガ田中、「みなおか」で買わされた“高級腕時計”を披露 438万円→800万円に価値高騰で「欲しがるコレクターもたくさん」と反響
- 息子が「パパ」と言って指さしたのは……? 親子でバスに乗ったときのエピソードを描いた漫画がジワジワ面白い
- アントニオ猪木、“リハビリ中”の現在の姿を公開 激励相次ぐ「猪木さんは不死身の漢や!」「負ける訳ないやないか」
- 「綺麗で腰抜かした」「シワ少ない!!」 67歳の研ナオコ、華やかメイク動画で披露したすっぴん姿に反響
- 実家に「ねこ様元気?」と聞いた結果…… やりたい放題のお猫さまが笑ってしまうかわいさ
- 保護した子ネコに「寂しくないように」とあげたヌイグルミ お留守番後に見せた子ネコの姿に涙が出る
- インコさんが逆さまのまま「すやぁ……」 衝撃の寝相で爆睡するインコが面白かわいい
先月の総合アクセスTOP10
- 「訃報」「愛猫」「手風琴」って読める? 常用漢字表に掲載されている“難読漢字”
- 痩せたらこんなに変わるのか 丸山桂里奈、現役時代の姿が別人過ぎて「誰かわからん」の声殺到
- 保護した子ネコに「寂しくないように」とあげたヌイグルミ お留守番後に見せた子ネコの姿に涙が出る
- セーラーサターンの変身シーン、四半世紀を経てアニメ初公開にネット湧く 「ついに公式が」「感謝しかない」
- 「髪型体型全て違う」 丸山桂里奈、引退直後のセルフ写真にツッコミ 4年前のスレンダーな姿に「今も輝いててかわいい」の声も
- 鳥取砂丘から古い「ファンタグレープ」の空き缶が出土 → 情報を募った結果とても貴重なものと判明 ファンタ公式も反応
- 「マジで助けてくれ」 試験中止で教授に“リスのさんすうノート”を提出することになった大学生に爆笑
- 「140秒とは思えない満足感」「なぜこれだけの傑作が埋もれているのか」 崩壊した日本を旅する“最後の動画配信者”のショートフィルムが話題
- 「化粧! 今すぐ落としてこい!」 男性教師に怒鳴られる生徒をかばう女性教師を描いた漫画に納得と感謝の声
- 畠山愛理、いま着たらピチピチなレオタードを公開 「とんでもなく可愛い」「見惚れてしまいました」と反響