宇宙は平坦ではなく閉じている? 国際研究チームが観測データを解析して発表

定説とは異なる結果が観測されたようです。

» 2019年11月12日 21時30分 公開
[関口雄太ねとらぼ]

 宇宙はこれまで、ビッグバンに始まり無限に拡張する「平坦な宇宙」であるとされてきましたが、国際研究チームの発表で、「閉じた宇宙」である可能性が示唆されました。研究者は「光速でまっすぐに宇宙を横断することができたとしたら、出発点へ戻ってくることになるかもしれません」と説明しています。


「宇宙は平坦ではなく閉じている」 国際研究チームが観測データを解析して発表 「宇宙は本当に平坦なのか?」と研究結果を発表(画像はSapienza Universita di Romaより)

 宇宙の形状についての定説は大きく2つに分かれており、膨張が続く「開いた宇宙」と、やがて膨張が止まり縮小する「閉じた宇宙」があるとされています。では、地球や太陽があるこの宇宙がどちらであるかというと、両者の中間とされる「平坦な宇宙」が現在の有力説です。

 ローマ・ラ・サピエンツァ大学のアレッサンドロ・メルキオーリ氏ら国際研究チームによる、宇宙マイクロ波背景放射の観測に基づく研究では、宇宙は平坦ではなく閉じていると示唆されています。人工衛星「プランク」から取得したデータを解析したところ、「宇宙は私たちが想定しているよりも4%だけ曲がっていることを明らかにしました」とメルキオーリ氏。

 これまでの研究では、「BOOMERanG実験」や「ウィルキンソン・マイクロ波異方性探査機」により、宇宙が平坦であるという仮説を裏付ける精確な地図が生成されてきました。今回の発表は人工衛星プランクから取得したデータを使用しており、これまでの測定を大幅に改善するに至ったといいます。

 宇宙が閉じているのであれば、球体の表面上のように、2つの平行線が交わり、3角形の3つの内角の和が180度を超えると研究チームは述べています。とはいえ、メルキオーリ氏は「もちろん、私たちがまだ発見していないシステムの影響が原因で、観測の矛盾があるかもしれません」とし、「宇宙論の革命の扉は開かれているようですし、これからの実験の結果はさらなる刺激をもたらすかもしれません」と今後の展望について語っています。


「宇宙は平坦ではなく閉じている」 国際研究チームが観測データを解析して発表 ESAの人工衛星プランクが定説を変える可能性を発見(画像はESAより)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」