新木優子「モトカレマニア」4話、クズでしかなくなったマコチ(高良健吾)衝撃の堕ちっぷりを検証する(2/2 ページ)
見ていられないマコチの堕ちっぷり
自分の気持ち主導で動く男と言えばマコチだ。今回の彼の堕ち方はあまりにもまずかった。改めて振り返りたい。
職場でミスを犯したマコチは、帰宅してベッドに潜り込んだ。いつものように隣にはさくらがいる。すると、いきなりマコチはさくらにキスをしようとした。ついこないだ、無責任なキスで修羅場を迎えたばかりなのに……。寸前にベッドから出て、さくらはこのキスをやんわりと拒否。すぐさまマコチは謝罪する。「ごめん、仕事でミスっちゃって……。色々モヤモヤして」。自分から、居心地の良さだけを求めた気持ちのないキスだと白状してしまっている。
さくらとの同居を解消したマコチは、ユリカの家へ向かった。ユリカから来たLINEを既読スルーでずっと放置していたのに、その状態のまま訪問するというのも強心臓というか天然というか……。
ユリカ「あの連絡1つするのに私、死にそうだったんだよ。返信待ってる間も生きた心地しなくてさ。で、スルーされて2度死んだ」
マコチ「ごめん。でも、そんな……」
「そんなことで……」と思っているマコチから窺えるのは悪気の無さだ。彼は終始、悪いことをしているつもりがまるで無い。
正直、男として共感できてしまえる部分はある。大きなストレスを抱えたとき。救いを求め、自分に好意を持つ女性に順繰りに癒やされに行く心境。でもこのとき、男は確実に孤立の道を突き進んでいる。
マコチ「傷付けてごめん。キスしたの、何となくとかじゃない」
ユリカ「何となくじゃないなら何なの?」
マコチ「それは……今は答えられない」
正直な気持ちを言わない者ばかりなので、このドラマは混沌とする一方だ。さくらには「また付き合って幻滅させるのは悪い」と、不安な気持ちを吐露していたマコチ。それをユリカにも言えばいいのに! というか、さくらと気のないキスをしようとした直後、ユリカに「何となくのキスじゃなかった」と弁解する軸のなさは、ちょっと見ていられない。
「モトカレマニア」というタイトルなのに、元カレたちにマニアになるほどの魅力がないのはリアルだ。
放送中、作者の瀧波ユカリがこんなツイートをしていた。
「マコチ〜〜〜ユリカ…がんばれ…いや、もうがんばらなくていい………」
確かに、ドラマ版マコチは原作版マコチよりかなりクズだ。作者でさえさじを投げた男を中心に、このドラマは混沌とする一方である。
寺西ジャジューカ
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