このマンガは「救済と警告のアル中文学」だ 酒飲みが『現実逃避してたらボロボロになった話』(永田カビ)を読んだら(2/4 ページ)
酒飲みにとってこの作品は「救済」であり「警告」
――― 酒の話ばかりになってしまうので、そろそろ作品の話を……
A:ミステリーには「最初に犯人が明かされていて、そこから犯行に至るまでの流れをさかのぼる」っていう構成の作品がある。倒叙ミステリーというんだけど。「現実逃避してたらボロボロになった話」もそういう作りになってる。
最初に酒を飲み過ぎて病気になったこと、その体験談を漫画にしないと家族に伝えたことが書かれていて。でも、無事に退院できたからこの作品があるわけだし、結局、漫画にしたからこの作品が存在しているという。
そんなことを考えながら読んでたら思ったんだけどさ。……これ、PR記事だっけ?
――― いや、違いますよ。作品を悪く言っても大丈夫です
A:いや、まあ、大丈夫。
やっぱりこの人、才能があるんだよね。自分の切り売りしたり、周りを傷つけたりしないように、エッセイ漫画をやめようとしているシーンがあるけど、どう考えても描くのがうまい。幸か不幸かは分からないけど。
B:過去作についても言えることだと思うんだけど、永田カビ先生の漫画は、そのときどきの感情を描いてると思う。「このシーンではこんなことに悩んでるな」と読み進めていくと、突然別のことに悩み始めたり、いきなり真逆の感情が飛び出してきたりする。
A:どっちもウソじゃないんだよね、きっと。
B:そうそう。読んでいる側からすると急な展開にも見えるんだけど、それがリアルなんだと思う。漫画としては完成されてるけど、感情は全然整理されてない。それによって、永田カビという人間の壮絶さをありのままに見せているというか。酒飲みとしては、すごく生々しかった。
A:この作品って酒飲まない人が読んでも面白いのかな。
――― 「3人のγ-GTPの数値が合計1000」というコンセプトの座談会ですが、実は僕、プライベートだと全然飲まないんですよね。まだアルハラという考え方が浸透しきっていなかった学生時代、「一気飲みが当たり前」「酒は吐くもの」みたいな環境にいたもので。「仕事始めたらたくさん飲まされるから、今のうちに練習しておけ」って言われてたんですが、全くそんなことなかったっていう(笑)
B:無礼講みたいな発想があった時代は、むしろ良いとされていたんでしょ? 酒でカタさを取り除いて、取引先と仲良くなって、コネで仕事取るんだみたいな。
A:業界、職場によってはまだ残ってると聞くけど、前時代の遺産になってきた感じがするよね。
――― そんなわけで「無理やり飲む」経験を重ね過ぎたせいか、自発的に飲む気持ちがあまり分からなくて。『現実逃避〜』は「この人はどうしてそこまでして、酒を飲むんだろう」という疑問がありました。分からない面白さ、人間の不思議さがあるというか
A:酒とまともな付き合い方をしてる人がいないな、この企画。
でも、この作品が理解できない人は、アル中文学的にいうと“大丈夫な人”なんじゃない?
この作品、世の理から考えたらおかしい展開ばかりだから。理解できない人は「そんなことになる前に酒やめろよ」としか感じないかもしれないし、そういう人のほうが幸せかもしれない。たぶん、ある種の試金石。
B:作中の永田カビ先生の気持ちや行動が、“自分のことのように分かる人”にとって、この作品は「救済」「警告」だと思う。「世の中には、自分と同じような人間がいる」「でも、そんな風に飲んだら、こんなことになる」。
そして、完全に理解できてしまう人はお医者さんに行ったり、健康診断を受けたりして、お酒との付き合い方を考えていきましょうね、という。
A:うまくまとまった感じがするので、今日はこれにてお開きということで。
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