「傘を預かる仕事」「仙台で5時間過ごす仕事」 不思議な副業“隙間仕事”の話を聞いてみた:女子と労働(1/3 ページ)
本業と共に、副業を続ける理由って?
空いた時間に単発で仕事に就く「スポットワーク」=隙間仕事。こうした仕事に魅せられて、仕事を趣味のように楽しんでいる女性がいます。
近年、政府が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成するなど、副業が注目を浴びていますが、特に「変わった仕事も多い」という隙間仕事とその魅力をご本人に聞いてみました。
インタビューを受けてくださったのは、すまきゅーさん。都内のアトリエにお邪魔してお話を伺いました。
――今日は、隙間仕事で見つけた変わった仕事について聞きたいと思っているんですが、隙間仕事、ということは本業がおありなんですよね?
はい、衣装制作を本業にしています。猫ひろしさんや、ビッグスモールンなどの芸人さんの衣装や、ベッド・インなどのアーティストの衣装、コスプレの衣装なども制作しています。
――すごい、見たことある衣装だ……! こうした本業があるのに、さらに副業である隙間仕事をするのはなぜですか?
隙間仕事は、本業以外のスキマ仕事でスキルを手に入れたり、知らない現場を見られたりするので、人生の中でもらえるボーナスだと思っているんです。
あとは、昔から、社会科見学が好きで、その延長という感覚があるのかもしれないですね。だから、隙間仕事は、仕事だけど趣味というか。趣味が、変わった仕事をすること、という感じです。楽しい上にお金もらえるって最高の趣味だと思っています。
――社会科見学、私も好きだったのでちょっと分かる気がしてきました。まず、隙間仕事って、どんな仕事があるんでしょうか?
本当にいろいろな種類の仕事があります。宮内庁の仕事もしましたよ。
――えっ? 宮内庁の仕事って、一般人もできるんですか……?
はい、ネットで見つけましたよ。仕事は主にネットで探しています。前は、本業がそこまで忙しくなく、隙間仕事が大好きだったので、片っ端から検索していましたね。
――めちゃくちゃ意外です。他の仕事も、インターネットで探しているのですか?
「おてづだいネットワークス」というサイトがあるのですが、以前は個人で仕事の依頼を出すことができたんです。例えば、「ヤフオクに大量のものを出品したいので手伝ってください」とか、「犬の散歩をしてください」とか。そんな中で、たまに変わった依頼が出ることがあるので、重点的にチェックしていました。
あとは人材派遣会社にいくつか登録していて、面白そうな仕事はすぐに応募していましたね。
――こつこつ見ていると、意外と普通に変わった仕事が見つかるものなんですね……! ところで、宮内庁の仕事が気になりすぎるのですが、どのような仕事だったのでしょうか。
はい。10年以上前に、ある人材派遣会社で宮内庁と防衛省の仕事が入ったことがあったんです。そこで、『天皇誕生日の一般参賀の設営のお仕事』という募集があって、すぐ応募したんですよ。
天皇陛下のお言葉の後に、集まっている人が万歳! などと言ったりするじゃないですか。あんな感じで人が集まっている場所に、誘導のためのカラーコーンやテーブルを出したり、片付けるのが仕事の内容でした。今思えば、ライブの設営みたいな感じです。
でも、宮内庁だから、管理がめちゃくちゃ厳しいんですよ。働くときに、自分の情報の他に、家族構成を伝えたりしました。仕事中の移動も分単位で決まっているので、どんなに仕事が早く終わっても、決められた場所にいなければならなかったりとか。全体的に物々しかったです。
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