世界文化遺産都市を駆け巡る「かわいいプラハの路面電車」ディープな歴史とその魅力に迫る(3/3 ページ)

» 2019年12月06日 12時00分 公開
[新田浩之ねとらぼ]
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ウクライナで活躍する「KT4形」、近代的になった「KT8形」、最新の「15T形」

 定番のT3形が製造されている間もタトラカーは進化し続けました。1974年に登場した連接車「KT4形」は2車体2台車という珍しい構造を採用。屋根上でも結合されているので2軸車独特の横揺れがありません。

 KT4形はウクライナのリヴィウ市電で活躍しています。KT4形は輸出用に製造されたことから、プラハ市電では走っておりません。

photo リヴィウ旧市街を駆け抜けるKT4形

 1984年、さらなる輸送需要に応えるために3連接車の「KT8D5形」が登場しました。KT8D5形は改修や改造を受けながら、現在(2019年12月)も活躍しています。プラハ市交通博物館に展示されている車両は、KT8D5形登場時の貴重な姿。現在は屋根上にある系統表示機がありません。

 KT8D5形のもう1つの特徴は「反対側にも運転台がある」ことです。他の車両は反対側に運転台がないのでループ線を使って折り返しますが、KT8D5形はその必要がありません。

photo 3連接車となったKT8D5形
photo KT8D5形は反対側にも運転台がある


 さてチェコは1989年に共産党政権が倒れ、1993年にスロバキアと分離独立。2004年にEUに加盟し、現在に至ります。

 2019年現在のプラハ市電の最新車両は、2008年に登場した「15T形」です。3連接車のノンステップ車両で、乗り降りはスムーズです。以前2015年の訪問時と比べると、確実に車両数が増えていました。

photo 2019年時点のプラハ市電の主力は15T形

 今回訪れたプラハ市交通博物館は4月中旬〜11月中旬の土休日に開館(平日と11月中旬から翌年4月中旬までの冬季は休業)。最寄りの電停は「Vozovna Stresovice」。入館料は大人50チェコ・コルナ(約236円)、小人30チェコ・コルナです。

 プラハに行けばプラハ市電の車両を見ない日はありません。プラハ観光へ行くならば、ぜひ「ディープなプラハ市電の世界」にも浸ってみてくださいね。

photo プラハ市交通博物館を訪れる際は開館日を確認することをお忘れなく

新田浩之(にったひろし)

1987年神戸市生まれ。関西大学文学部卒、神戸大学大学院国際文化学研究科修了。主に鉄道と中欧、東欧、ロシアの旅行に関する記事を執筆。2018年からチェコ政府観光局公認の「チェコ親善アンバサダー2018」を務める。




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