「まだ結婚できない男」前作同様“恋愛モード”に急展開した最終回をレビュー 桑野さん(阿部寛)なりの告白「アナタがいないとつまらないし、寂しくなるので」(1/2 ページ)
桑野さんの恋愛スキル、前作より落ちてないか?
「まだ結婚できない男」(フジテレビ系・火曜21時〜)最終回。ここまで恋愛のにおいがほとんどしなかった本作だったが、前作と同様、最終回でいきなり急展開した。
ひとりが寂しくない人間もいる!
離婚を機に「ひとりで快適な暮らしができる家を作ってください」と、桑野に設計を依頼してきた木村敦志(伊藤正之)だったが、妻から建築差し止めの訴訟を起こされてしまった。なぜか夫側の証人として桑野が出廷し、まどかと対決することになる。
「他の女性と暮らすつもりで家を建てようとしているんじゃないか?」と問い詰めるまどかに対して、桑野は「あくまでひとり用の家を設計していますから、この家に誰かと一緒に住むなんて不可能なんです」と反論。その証拠として示した設計図を見ると、壁のあちこちに穴が開いており、鉄道模型を走らせることができるようになっていた。これまで妻に気を遣ってできなかった趣味を存分に楽しむためのザ・おひとり様ハウスだったのだ。
「人は必ず誰かと一緒に暮らしたいに決まってる。そんな固定観念が『女と一緒に暮らすはずだ』などという邪推を生んだんですよ!」
「誰かと暮らしたい、ひとりは寂しいというのは人として自然な感情でしょう」
「そうじゃない人間だっていますよ!」
もはや裁判関係なく、お互いの結婚観をぶつけ合っているように見える。しかしまどか先生、これまでちょこちょこ結婚願望を口にしてはいたけど、ここまで寂しさを感じていたとは!
ケンカするほど仲が良いというベタな展開か
法廷では強硬に「ひとりでも楽しい」と主張していた桑野だったが、「ひとりは寂しい」と訴えるまどかの姿を見て思うところがあったのか、新たに「ふたりで新しい暮らしをはじめるための家」を設計する。
「それぞれが自分の世界を確保しつつも、いつもお互いの存在を忘れずにいられるような、そんな設計にしてみました」
この新たな家を提案したおかげで、木村夫妻は離婚を回避してやり直すことになったようだ。夫妻はこんなことも言っていたという。
「私(まどか)と桑野さんのケンカを見て、自分たち夫婦はちゃんとケンカしてなかったんだなって思ったって」
裁判も一段落し、まどかはある決断をしていた。長野で弁護士事務所をやっている母親の調子が悪いため、東京の事務所をたたんで、母親の事務所を継ごうと考えていたのだ。
その話を聞いた田中有希江(稲森いずみ)は、
「桑野さんとあんなにちゃんとケンカできる人、あなたしかいない。ケンカするってことはちゃんと向き合ってるってことだから」
と、自ら身を引くような発言をする。
またも「ケンカ」がキーワードとなっているように、いつも「仲良くケンカしな」状態でやりあっていたまどかこそが桑野にふさわしいということか。
とは言いつつも、桑野に心惹かれているようにも見えた有希江。桑野のヤバイ行動を温かい目で見守ったり、もんじゃ焼きの作法で桑野をやり込めたりと、なかなかお似合いだったので少々残念だ。
桑野さんの恋愛スキル、退化してない?
まどかが長野へ帰ろうとしていると知った桑野は、止めたいけど言い出せないといった感じの煮え切らない様子。
「まだ迷ってるのかな? 桑野さんには笑われるかも知れませんけど、私はひとりじゃ……。もしかして『行かないで欲しい』って誰かが言ってくれたら……そんな感じです」
まどかなりに、グイッグイッとアピールしてきた。普通のラブストーリーだったらここで「行くな!」ということになるが、桑野さんは一晩、熟慮する。
意を決して呼び出したまどかに、人間関係をイチから構築するのは大変だとか、1週間ごとに行き来すればいいだとか、グダグダ理屈をたれるが、結局言いたいことは、
「長野に帰るのはやめた方がいいってことです。アナタがいないとつまらないし、寂しくなるので」
涙を浮かべながら「……男性にそういうこと言われるって嬉しいもんですね」と答えたまどかの顔にグッときた。なんでお互いその素直さをもっと早く出せなかったのか。
とにかくこれにてハッピーエンドと思いきや、「大事なところでかんでしまったから」と、今のくだりをもう一度やり直そうとする桑野。まどかは激怒して帰ってしまった。
この流れ、ものすごく既視感が……。
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