「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」デュボア監督インタビュー 完結編は「2人の人生に訪れる、避けられない変化」の物語(2/2 ページ)
――「ヒックとドラゴン」シリーズは作品を重ねるごとにヒックとトゥースレスの関係性が変化していくことに強い特徴があるかと思います。1作目では「良きペット」。そして2作目で信頼しあえる親友に。本作ではついには「家族」としての物語になっていきますね。
デュボア はい。3つの物語で一貫しているのはヒックとトゥースレス、二者の関係に重点を置いているところです。まずは敵としての対峙、そしてお互いを守り合うような友情が芽生えます。2作目ではトゥースレスがドラコに洗脳され、ヒックを傷つけかねない――すなわち友情が試される状況に対して、お互いの信頼でその試練を乗り越える物語になっていました。そして3作目で描いたのは、2人の人生に訪れる、避けられない変化の物語です。
トゥースレスは生まれて初めて、ライト・フューリーというヒックと関与していない存在と出会います。それに対してヒックは、「もしもトゥースレスと離れてしまったら最初の負け犬に戻ってしまうのではないか」という恐れ、つまり“依存”になりかねない思いと対峙することになります。そしてそれぞれが生きていくうえで、やがて向き合わなければいけない問題にどう立ち向かうのか? というのが「聖地への冒険」の主軸になっています。
――トゥースレスは尻尾のけがでヒックなしでは飛べないわけですが、2011年のホリデースペシャル「ドラゴンの贈り物」(日本でもNetflixで視聴可能)の後半、ヒックはトゥースレスの尻尾を自分で飛べるように修理しますね。それを拒絶するトゥースレスをとてもかわいいと思いながらも、その先行きに少し怖いものを感じたのも事実です。
デュボア 本作のアスティのとあるセリフは「ドラゴンの贈り物」のそのシーンに対応しています。熱心なファンがそこに気づいてくれるのではないかと思ってこのシーンを入れたので、とてもうれしいです(笑)。そうですね、その当時のトゥースレスには、ヒックと一緒に居続けることに疑念がありませんでした。ただ本作のトゥースレスは、ヒックと異なる場所で大切にしたい存在と出会ってしまいました。その後の彼らの関係、そして選択に注目して見ていただけるとうれしいです。
――今年のクリスマスシーズン、アメリカでは「聖地への冒険」の続編「How to Train Your Dragon:Homecoming(※)」がオンエアされるかと思います。こちらも日本で見れることを願って、楽しみにしております。
※「聖地への冒険」のネタバレを含むので、検索する際にはご注意を!
デュボア そちらは本当のところ、まだ見れてないんですよ。私は制作に関わっていないので……ちょっとナーバスな気分ですね(笑)。でも評判がよければ日本でも見れるかと思います。おそらくいい出来になっていると思いますよ!
(将来の終わり)
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