「施設に入れる金を出せ」「死んだら喪主をしろ」死んだ夫の母や姉たちと縁を切れるのか? 「テレフォン人生相談」先週のハイライト(1/2 ページ)

姻族関係終了届、効果ある?

» 2019年12月31日 11時50分 公開
[北村ヂンねとらぼ]

 「テレフォン人生相談」(ニッポン放送・月〜金曜11時〜 配信)先週のハイライト。今回ピックアップしたのは12月23日(月)放送の加藤諦三パーソナリティー回。

 亡くなった夫の親族たちとのトラブルという、気が重くなってくる相談。

テレフォン人生相談 パーソナリティ:加藤諦三(評論家)、今井通子(作家・登山家)、ドリアン助川(作家・ミュージシャン)、柴田理恵(女優・タレント) イラスト/北村ヂン

夫の死後も義母の面倒を見続ける必要はあるのか?

 相談者は60歳女性。夫60歳(3カ月前に他界)。娘が3人おり、三女の夫婦と同居中。義母94歳。68歳と61歳の義姉がいる。

 夫が3カ月前に亡くなったばかりなのだが、それをきっかけに、まだ存命中の義母の扱いについて義姉たちとトラブルになっているという。

 相談者夫婦は義父が亡くなった後、ひとりになった母親の住む実家に引っ越して、13年ほど一緒に暮らしてきた。しかし義母が認知症を患ったことで手に負えなくなり、施設に入れることを考えていたところ、7年前に61歳の義姉が引き取って面倒を看ることに。

 義姉に引き取ってもらうにあたって、夫が毎月10万円を送付することになり、その間はトラブルなく過ごせていたようなのだが、夫が亡くなってしまったことで火種が……。

 さっそく61歳の義姉が「そろそろ体力的にも限界なので、施設入所を考えている。それにあたって、母の年金で不足する分の費用をアナタが出してちょうだい」と要求してきてきたのだ。

 さらに、「母が亡くなった場合、お葬式をアナタが(喪主として)出して欲しい」とも言われているという。

テレフォン人生相談

 「まあ、夫が生きていたら、たぶんそうするんだろうなって思うんですが、彼が死んだ今、夫に代わり、私がそんなことまでしなければいけないのか……」

 夫は60歳で亡くなったということで、病死や事故死だったのではないかと思われる。

 「まだ、夫の死すら受け止められていません」

 という相談者にとって、なかなかヘビーな問題だ。

死後離婚しても姑たちの口は閉じられない

 この日のアドバイザーは弁護士の野島梨恵。

 「『施設を入れる時に不足する金額があったら負担して欲しい』という意味は、『お母さんの年金で足りない分は全部アナタ(相談者)が出しなさい』ということなのか、それとも『私たち(義姉)も出すけれども、それで足りない分は助けてちょうだい』という意味なのか、どっちなんでしょう?」

 「『母はそちらの人間だから、アナタが出せ』という言い方をしました」

 義姉たちの立場からすると「嫁に行って家から出ているから」ということなのだろうが、だからといって血縁関係のない相談者に押し付けるというのもおかしな話だ。

 問題の根っこにありそうなのは、相談者が現在住んでいる家が、もともと夫の父母が住んでいた家(義姉たちにとっての実家)だということ。

 義姉たちからすると「夫の死後も実家に居座っているんだから……」という気持ちはありそうだ。

 ただし、義父が亡くなる前に家を改築しており、その改築費用の3分の1を義父が、残りを相談者夫婦が負担。自宅の所有権も夫47%、父が43%、相談者が10%という風に登記したのだという。

 義父の存命中は、相談者夫婦は実家に住んでいなかったのだが、固定資産税を肩代わりして払ってあげるなど、色々と負担もしてきた。

 「義姉たちからしてみたら、義父が亡くなった時に『家の相続権を放棄しろ』と弟(相談者の夫)から言われたと。で、母をずっと看てくれるということで放棄したにも関わらず、途中で放り出したっていうことを不満に思っているというか……。家を乗っ取られたみたいな、そんな風に思ってるんじゃないのかなという気もします」

 夫が家を相続した結果、現在の所有権は90%が夫、10%が相談者という形になっているようだ。

 「『放棄しろ』って言ったのはホントのことなのかどうかっていうのはアナタには分かる? 分からない?」

 「分かりません。彼(夫)の家の相続問題には私は一切関わらなかったので」

 「ま、そうでしょうね」

 夫が亡くなった途端、こんなトラブルになる義姉たちだけに、家の相続はあきらめたとしても、他の遺産はキッチリもらっていそうな感じもするが。

 「基本的には、アナタはお母様(義母)の相続人でもお子さんでもないわけですので、お母さんを扶養しなきゃいけないのは、子どもたちですよね」

 法律的には、施設のお金を出すことも、喪主になる必要もないという。

 「『嫁に行った娘が喪主になるなんて絶対おかしいじゃないか』って言うんですよ」

 「嫁に来た他人だったら喪主やってもいいって理屈にはならんとは思うんですよね」「アナタがね、『お義母さんに世話になったから私がやるわ』というのでなければ、拒否はまったくしてもいいことですね」「まあ腹を決めてお断りになった方がいいかなとは思います」

 結局、いくら法律的には相談者側に理があったとしても、圧をかけてくる義姉たちに対抗するには、自分で断固拒否するしかないという。若干モヤッとする結論に。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/15/news011.jpg 「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
  4. /nl/articles/2412/16/news107.jpg 「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
  5. /nl/articles/2412/15/news035.jpg 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  8. /nl/articles/2312/15/news032.jpg 放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
  9. /nl/articles/2412/15/news028.jpg 脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
  10. /nl/articles/2412/16/news023.jpg 父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」