2020年、日本の株式市場は波乱の幕開け 今年の株式相場は上がる? 下がる?
子年は「繁盛」?
新年が始まり、1月6日は日本の株式市場で取引がスタートしましたが、日経平均株価が一時500円を超える下げとなる波乱の幕開けとなりました。2020年の株式相場はどうなるのでしょうか。
今年最初の取引となる6日の日経平均株価は、終値で前営業日比451円76銭安と、約1.9%の下げ。年末年始を挟み、3営業日続落となりました。2019年年末に米軍がイランの軍司令官を殺害し、中東情勢の緊張が高まっていることを受け、世界的にリスクを避ける動きが広がっているほか、円高ドル安が進んで輸出株が下落したことも要因です。
楽観的な見方が多いけれど……
2019年、日経平均株価は年間で約18.2%の上昇でした。今年はどうなるのでしょうか。
日本経済新聞が市場関係者にアンケート調査したところ(電子版の1月5日付記事)、年末に向けて値を上げていくシナリオが浮かび上がったとのこと。日経平均株価の予想は高値の平均が2万5659円、安値は2万1677円だったとしています。
一方、ブルームバーグの12月16日付記事では、ストラテジストの全般的な見方は「前半高値・後半安値」だとしています。日経平均株価の高値は「2万5000円近辺」を予想する見方が多い一方、2万円割れまで下落すると予測するストラテジストの意見も紹介しています。
「日経平均2万7000円超え」を掲げたのはマネックス証券の広木隆チーフストラテジスト。12月13日付のレポートで、アナリスト予想の平均では日経平均EPS(1株当たり利益)は10%増益の1815円であり、景気回復が鮮明になればPER(株価収益率)は過去平均の15倍程度を想定でき、1815円×15倍で2万7000円を超えてくる──としています
予測が当たると言われているニトリホールディングスの似鳥昭雄会長は、「PRESIDENT」誌のインタビューで、日経平均株価は「景況感と比較すると割高」と指摘する一方、日銀の買い支えで大崩れはしないだろうとして、「年末には2万2000円を中心に、2万1000〜2万3000円の水準に留まるだろう」との予測を示しています。
全般的に先行きを楽観視している市場関係者が多い中、ニッセイ基礎研究所の前山裕亮 金融研究部准主任研究員は「足元の業績予想自体がそもそも楽観的な予想になっている可能性が高い」などとして、慎重なスタンスが必要ではないかと指摘しています。
子年は「繁盛」?
いわゆるジンクス的なものを考えると、2020年は子年。「子は繁盛」という相場格言があり、東京証券取引所が戦後に再開して以来、子年は3勝2敗、平均騰落率は23.7%の上昇となっています(モーニングスターの記事)。ただし12年前の2008年はリーマンショックを受けて、年間騰落率がマイナス42.1%と、戦後最悪の下落率でした。
また「西暦の末尾が『0』の年は株価下落」という説もあります(日刊ゲンダイDIGITALの記事)。1950年以降、末尾0の年の日経平均は2勝5敗で、特に約4割も下落した1990年、ITバブル崩壊の2000年、円高が進んだ2010年と、近年は負けが続いています。
もちろん、こうしたジンクスには確たる根拠があるわけではありません。
米大統領選はリスク要因
リスク要因として多くの関係者が挙げているのが米大統領選挙です。共和党のトランプ大統領が再選を果たすのかどうか、世界が見守ることになります。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、12月19日付で発表した2020年の見通しで「年前半は上昇基調が続き、日経平均は6月末で2万4800円を予想」としたものの、米大統領選挙前はリスクが取りにくく、日経平均はいったん調整に入り、9月末は2万4200円を見込む」としています。
ジェレミー・シーゲル ペンシルベニア大学教授の著書「株式投資」(日経BP社)によると、米国市場は共和党を好むように見えるものの、実際には民主党政権下で株価が上昇しており、最近は大統領選で民主党が勝利しても以前ほど株価が下落しなくなった──といいます。
米大統領選に加え、大発会を見舞った中東情勢の悪化、いったん落ち着いた米中対立の先行き──など、国際情勢は株価波乱の大きな要因になりそうです。
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