わざわざ作った狙いはどこに? あのソニーがコンセプトカー「VISION-S」を発表、センサーやオーディオなど独自テクノロジー満載(1/3 ページ)
販売予定はないようですが、カッコいいクルマ! 【更新】CES現地からのフォトレポート追加
ソニーは、米ラスベガスで開催中のハイテク展示会「CES 2020」で、電気自動車(EV)のコンセプトカー「VISION-S」を発表しました。
「まさかソニーがクルマを作るとは」と現地の報道陣にも驚きをもって迎えられたこのクルマ。ソニー自身が将来的にクルマを発売するというわけではなく、コネクテッドカーや自動運転車といった未来のクルマを作ろうとする企業に向けて、「ソニーができること」「ソニーが持っている技術」をアピールするために作られたコンセプトカーです。
しかし単なるモックアップ(模型)ではなく、本当に走れるクルマをまるごと作ってしまうところがすごいですね。本当の自動車メーカーの新作コンセプトカーだと言われても違和感がないような完成度で、高級感のあるセダンに仕上げています。
CESは元々は世界最大級の家電見本市でしたが、近年では電化製品という枠に留まらず、エレクトロニクスやITを使った最新技術や未来のサービス・製品のコンセプトが披露される場となっています。例えば今回のCESでは、トヨタ自動車が「自動運転の実験都市」を東富士の工場跡に街ごと作るという壮大な計画を発表しました。
そこで、なぜソニーは突然クルマを発表したのかというと、ひとつは自動運転車などに必要不可欠な「通信」と「センサー」の技術をアピールするためです。ソニーグループではスマートフォンも作っていますし、イメージセンサーというカメラの心臓部も作っていて、ソニー以外のメーカーのカメラやスマートフォンにも多数採用されています。未来のクルマに応用できる技術をいろいろ持っているというわけですね。
そして、ソニーといえばテレビやオーディオ機器など、いわゆる黒物家電に強い電機メーカーでもあります。もうひとつの提案はその技術を生かした「車内エンターテインメント」で、各座席に組み込まれたスピーカーで立体的な音響を実現する「360 Reality Audio」や直感的な操作でさまざまなコンテンツを楽しめるようにダッシュボードに組み込まれた「パノラミックスクリーン」など、車内で楽しく過ごせる装備も揃っています。
だんだん「展示用」なのがもったいない気がしてくるVISION-Sですが、今後は各国の安全基準を満たしてナンバープレートを取得する予定もあるとのことで、日本でも公道をテスト走行する姿を見られる日がくるかもしれません。
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