“障害者の性”を描く映画「37セカンズ」が全ての人に勇気を与える傑作である理由 (1/2 ページ)
傑作なので見てほしい。
日常の中で、誰かに「お前にはこれくらいしかできない」などと可能性を制限されてしまったことや、自分自身で「どうせこれくらいしかできない」と過小評価してしまった経験はないだろうか?
2月7日から公開されている日本・アメリカ合作の映画「37セカンズ」では“障害者の性”というテーマを扱っており、“障害者の可能性が制限されてしまっている”状況がリアルに描かれる。その上で語られる本作のメッセージは、驚くほど普遍的なものになっている。
車椅子生活のゴーストライターの女性が“性”に触れる
まずは、あらすじを簡単に紹介する。
脳性まひの女性のユマは、過保護な母親のもとで車椅子生活を送りながら、マンガ家のゴーストライターを続けていた。彼女は公園に捨てられていたアダルトコミック誌を見かけたことをきっかけに、自立のため出版社へ持ち込みをするが、女性編集者から「作者に経験がないと良いエロマンガは描けない」と言われてしまう。ユマはその言葉に従い、やがてネオンきらめく歓楽街へと向かうのだが……。 同作ではこのように、物語の発端およびメインストーリーに“障害者の性”があり、“障害者の可能性が制限されてしまっている”という状況も描かれている。
ユマは体が不自由であり母親と2人暮らしで、オープニングの“風呂に入るだけ”のシーンでは、その大変さはもちろん、彼女を介助する母親の愛情、その一方での「私がいないと何もできないんだから」と思ってそうな過保護ぶりも伝わってくる。
さらに、ユマは健常者の少女マンガ家の友人のゴーストライターもしている。友人はルックスがアイドル並みにかわいくてサイン会でも大人気であり、ユマはその姿を見て、次第に「自分の名前で、大好きなマンガを描きたい」と願うようになる。
この“過保護な母親からの抑圧”と“ゴーストライターを続けている”という状況こそが、“可能性の制限”だ。そして、彼女は「妄想だけで描いたエロマンガなんて面白くないから、経験しておいでよ」という女性編集者のとんでもないアドバイスにより、性の世界に足を踏み入れるのである。
まさかの冒険へ旅立ち、そして新たな世界も知っていく
この作品が真に面白いのは、“障害者の性”を文字通り赤裸々に描きつつも、それをきっかけに“可能性の広がり”と“新たな世界”を提示していくことだ。
やがて、主人公は『フォレスト・ガンプ/一期一会』のような、広い世界への冒険の旅にも出発する。そこには、「障害者の性を描いていたと思っていた物語が、ここに行き着くのか!」という驚きがある。そして、障害のある人に限らず、全ての人に通じるメッセージにもつながっていく。
また本作では、「可能性が例え制限されていた(障害があった)としても、その中で大切な価値観に気付くこともできる」という、さらなる優しい訴え、希望も提示されている。
自分の可能性を見つめ直すきっかけは、“性”であっても構わない。むしろ、子どもから大人への過程において人間として自然な欲求である性と向き合うことは、成長の糧となるのではないか……当たり前のことかもしれないが、その当たり前に気付かせてくれることにも、同作の意義がある。
主人公を演じるのは実際に脳性まひの女性
ユマ役を演じたのは、生まれつき脳性まひがあり社会福祉士としても活動している佳山明。当初主人公役には健常者の女優の起用が検討されたが、監督のHIKARIが強い疑問を示し、オーディションによって100人の候補から選ばれたのが佳山だった。彼女の存在があってこその映画になっていることも、特筆すべきだろう。
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