「パンダの白黒は黄金比に近い」「尻尾は白? 黒?」 パンダ沼の住人が語るパンダの魅力

パンダライター二木さんの短期集中連載(全5回)がスタート!

» 2020年02月08日 11時00分 公開
[二木繁美ねとらぼ]

 パンダ好きが「ひたすらパンダがかわいい」という話をパンダ沼からお届けします。

パンダ パンダ沼

 一度足を踏み入れると、沼のようにズブズブと沈み込んでいく。日常に潜んであなたを誘う「パンダ沼」。足先でもいいので、浸してみませんか。沼の住人でもあるパンダの飼育員さんも巻き込んで、パンダが愛される秘密を暴きます(1/5)。

パンダ沼の住人:二木繁美

二木繁美 プロフィール

パンダライター・パンダスポット探検家(Twitter/Webサイト)。Sipe pandaのペンネームで全国のパンダスポットを紹介する記事を書く。さらにイラストレーターとしても活動。欲望のままにパンダグッズを誕生させている。アドベンチャーワールド生まれのパンダ、明浜と優浜の名付け親でもある。新幹線が好きなほんのりテツ。好きな電車のパーツはパンタグラフ。


実はパンダに興味がなかった

 「実はパンダに興味はなかったんです」。お話を伺った飼育員さんがおっしゃったとき、筆者は「私も!」と思いました。筆者がパンダを好きになったのは、大人になってから。子どもの頃はまったくといっていいほど、パンダに興味がありませんでした。

 そんな筆者が、なぜパンダを好きになったのか? 自分でも謎でした。何だか分からないうちに急にパンダが気になりだし、パンダのものを集めだし、さらにそれを見た人が「パンダ好きでしょう?」とパンダグッズをくれ、パンダが増え、さらにそれを見た人に「この人パンダが好きなんだ」という印象を与える……。こうしてどんどん「パンダ好きの自分」が育っていったのです。

パンダ パンダ沼

 筆者が生まれたのは1970年代。上野動物園にパンダがやって来て、日本が空前のパンダブームに沸いた頃で、まわりにはパンダグッズがあふれていました。実家には大きなパンダを抱っこしてほほえむ、幼い筆者の写真も残っています。きっとこの頃から、パンダはじわじわと私の魂に刻まれていたのでしょう。そして社会で働き、癒やしを欲した頃に突如、表面に出てきたのです。

神が与えた「至高の白黒」

 パンダ好きを公言している私が、パンダについて聞かれる質問ナンバーワンが「パンダの尻尾って白黒どっちなの?」です。お答えしましょう、パンダの尻尾は白。まれに尻尾に黒い毛が混じっているパンダもいますが、ほんの少量です。黒い尻尾のイメージがある理由は、70年代に一世を風靡したキャラクター「ルネパンダ」によるものと言われています。


パンダ パンダ沼 尻尾は白

 人気イラストレーター内藤ルネが生み出したルネパンダは、ルネがイギリスの動物園で見たパンダのかわいさに、インスパイアされて生まれたパンダ。作者の思い込みにより、尻尾は黒くなっていました。後にルネパンダの尻尾は、パンダ好きとして知られるタレント黒柳徹子さんの指摘で、白に直されたという逸話が残っています。

 パンダのしっぽが白だと分かったところで、気になり始めるのが、パンダの白黒の比率。あの絶妙な白黒の配置、どういう比率なのか気になりませんか? 調べてみると、以前テレビ番組の企画で、パンダの剥製を、3Dスキャナーで測定した記録が出てきました。結果「白:黒」は「6:4」でした。「黄金比」に近い数字です。

 黄金比とは、人が最も美しいと感じる比率として知られています。近似値は「1:1.618」。これを%で表すと、約37.5%:62.5%となり、約「4:6」。パンダの白黒は黄金比に近いのです! ちなみにミロのビーナスやモナリザなどの歴史的な美術品、さらに現代ではAppleのロゴやTwitterのアイコンなども黄金比なんですよ。

ここがパンダのかわいいとこ!

 パンダの美しさの一端がわかったところで、次はかわいさの秘密に迫ります。それを知るには、毎日パンダとふれあっている人に聞いてみるのが一番! ということで、日本一多くのパンダが暮らす、和歌山・アドベンチャーワールドの飼育員さんに「パンダの最もかわいいと思うところ」を聞いてみました


パンダ パンダ沼 雪山には、竹で300の文字が

 「手間がかかるところです。お世話がやけるところがかわいいですね」。そこ……!? 取材に伺った日は、パンダファミリーの末っ子、彩浜(さいひん)が生まれて300日を迎えた記念日。親子のいるブリーフィングセンターの室内運動場には、雪の上に竹で作られた300の文字。公式のSNSなどに載せるため、広報さん達が写真と動画を撮影しています。


パンダ パンダ沼 限りなくマイペースの彩浜

 彩浜はとってもマイペース。雪山に登ったかと思うと、せっかく飾った竹を取ってガジガジ……。「初めてこんなにたくさんの雪を見て、びっくりしているのかもしれません」と広報さん。スタッフも「も〜」と言いながらも、みんな笑顔です。

 愛嬌のあるダメダメっぷり、確かにグッときます。「この子には私がいなくちゃ……!」という思いから、私たちは頼まれてもいないのにパンダに会いに行き、グッズを買う。この「手間がかかるところ」が、パンダの愛らしさの秘密野生での生息数が約1800頭飼育下では600頭しかいないと言われているパンダを絶滅から救う、最大の能力なのかも知れません。

つづく

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/18/news202.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. /nl/articles/2412/20/news023.jpg 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. /nl/articles/2403/21/news088.jpg 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. /nl/articles/2412/21/news038.jpg 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. /nl/articles/2412/21/news056.jpg 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  6. /nl/articles/2412/21/news088.jpg 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  7. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  10. /nl/articles/2412/17/news195.jpg 「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」