Twitterが実在しない選挙候補者に認証済みバッジ 休暇中の高校生が暇つぶしで作った偽アカウントだった

高校生は匿名取材で手の内を明かしました。

» 2020年03月03日 20時15分 公開
[関口雄太ねとらぼ]

 架空の政治家のTwitterアカウントが、認証済みバッジを獲得してしまう出来事がありました。


実在しない米選挙候補者に認証済みバッジ 休暇中の高校生による暇つぶしだった 認証バッジがついているアンドリュー・ワルツのアカウントページ。現在は凍結済(画像はTwitterのキャッシュページより)

 CNNの報道によると、偽の候補者「アンドリュー・ワルツ」のアカウントを作ったのは17歳の高校生。現在このアカウントは凍結されています。Twitterの広報担当者は「偽の候補者アカウントを作ることは利用規約に反するので、該当アカウントを永久凍結しました」と記事でコメントしています。

 高校生は匿名でCNNに対し、偽アカウントが認証済みバッジを得るまでの過程を明かしています。アカウント作成にかけた時間はわずか5分程度。さらに約20分かけて架空候補者を紹介するWebサイトを作成しています。候補者の顔写真は、存在しない人の顔を人工知能で生成する「This Person Does Not Exist」から取得し、選挙候補者の情報サイト「バロット・ペディア」に簡単な紹介文章を提出しました。

 Twitterはこれまで、候補者のアカウントが選挙に勝たない限り認証済みバッジを提供しないことを批判されていました。それを受けて2019年12月に利用規約を変更し、約1500人の候補者が認証バッジを新たに受け取っています。そしてその認証手続きには「バロット・ペディア」を利用しています。

 「バロット・ペディア」への候補者情報提出にあたり、身分を証明する書類などを提示する必要はなかったと高校生は述べています。「バロット・ペディア」で編集長を務めるジェフ・パレー氏は、CNNに「バロット・ペディアは明らかに間違いを犯してしまった」と答えています。多くの候補者が立候補期限より前倒しにオンラインでの選挙活動を進めるため、「正式候補者」と「立候補宣言者」の情報を区別せずにTwitterへ提供していたことが原因で、偽アカウントを実在する候補者のように扱ってしまったようです。

 バロット・ペディアの「アンドリュー・ワルツ」のページはまだ残っていますが、現在は実在する候補者ではなかったとのメッセージが掲載されています。同サイトはさらに経緯をまとめたページを設け、アンドリュー・ワルツの登録にあたっては調査票や選挙運動のサイト、SNSのプロフィールが提出されたと説明しています。

 同サイトにアンドリュー・ワルツが登録されたのは2019年12月。2020年2月27日にこの候補は実在しないと記者から知らされ、翌28日には登録を削除するとともに、再発防止のための新ポリシーも施行したと述べています。29日には、新ポリシーを満たしていない候補者を複数特定したことも報告しています。

 高校生は、偽のアカウント作成を試みた理由について、2016年の大統領選挙におけるロシアの干渉を挙げています。「ロシアゲート」とも呼ばれるSNSを利用したプロパガンダについて歴史の授業で学び、「クリスマス休暇で退屈していたし、誤った情報について報道が熱心に取り上げていた」と行動の着想を明かしました。

 なおこの生徒が作成した架空候補者のWebサイトでは、現在「この候補者は存在しません」と大きく表示し、真実を語ったCNNの取材記事へ誘導しています。


実在しない米選挙候補者に認証済みバッジ 休暇中の高校生による暇つぶしだった 現在は架空候補者であることを明かしています(画像はandrewwalzforcongress.comより)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/18/news145.jpg “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
  3. /nl/articles/2412/16/news079.jpg “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/17/news060.jpg 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  5. /nl/articles/2412/17/news197.jpg 「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
  6. /nl/articles/2412/17/news078.jpg 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  7. /nl/articles/2412/18/news059.jpg 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開【大谷翔平激動の2024年 「妻の登場」話題呼ぶ】
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2411/25/news189.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  10. /nl/articles/2412/18/news056.jpg 日本人ならなぜか読めちゃう“四角形”に脳がバグりそう…… 「なんで読めるん?」と1000万表示
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」