「ダイヤわっさー入っとる」「虫どものように男を引き寄せる」 パワーワードだらけの宝石オススメ文がクセになる

コテコテの大阪弁だったり貴婦人目線だったり、商品の紹介文が変幻自在。

» 2020年03月09日 15時08分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 「ダイヤわっさー入っとる」「ネオンに引き寄せられる虫どものように男を引き寄せる」――パワーワードまみれのジュエリー販売サイトがクセになるとTwitterで話題です。ほかにもおかしな紹介文がないか、ついつい探してしまう。


ドゥペールノエル 大阪のおっちゃんがめちゃくちゃ気さくに話しかけてくるような紹介文

ドゥペールノエル 快盗ものに出てきそう

ドゥペールノエル 格調高い文面に突然現れる「なんつっても分かるやついねえか」

ドゥペールノエル 「指輪させる指あるうちが花」……ってコメントしづらいよ!

 同店は大阪の老舗質屋「マルヨ」を母体とするセレクトショップ「ドゥペールノエル」。それだけに、紹介文には「豹でっせ、おかーさん! 今着たはるヒョウ柄にぴったりですやん」といったフレンドリーな大阪弁が頻出します。かと思えば、中古指輪のページに「この品、明らかに破談OR離婚による売却であることは素人にも容易に察しがつくところであろうが」などと、急に質屋ならではの毒が噴出するので油断なりません。


ドゥペールノエル 「ここいら」の範囲を厳密に示していておかしい

ドゥペールノエル 正直すぎる

 このおかしさは、Twitterユーザーの元鈴木さん(@Motosuzukisan)が「見るのがやめられない」と紹介したことで広く拡散。「読んだあとに何度も思い出すスーパーコピー」「1つ1つのワードが強すぎて笑いが止まらない」などと好評を博しました。

 一時はTwitterでトレンド入りする反響を受けて、マルヨのスタッフブログも反応。「ジュエリーの商品コメントは“宝石の伝道師”ことハリー中野が担当しており、ときにはこてこての大阪弁、ときには江戸弁を使いこなし、その時々で面白かったり過激だったり普通(?)だったり、まあその日の調子もあるんでしょうが一生懸命書いております」と、内情を少し明かしました。

 言われてみるとその通り、「ジュエリー」カテゴリーの商品説明はことごとくユニーク。べらんめえ口調や女性目線、格調高い詩的表現など、変幻自在の文体で楽しませてくれます。そんなスタイルがどのように生まれたのか、編集部はドゥペールノエルに詳細を聞きました。


ドゥペールノエル 「こいつぁーきっとトノサマガエルにちげーねー!」……時代劇のガヤみたいだな

ドゥペールノエル なんか小芝居始まった

ドゥペールノエル いろいろな意味でいかつい

ドゥペールノエル うふっ

ドゥペールノエル 急にほとばしる気品

書いたのはペニンシュラでも宝石を売った腕利き販売員!?

――面白いと評判の紹介文を書かれるようになったのは、いつごろからですか?

ドゥペールノエル はっきり記憶にございませんが、今から4、5年前くらいになるのでしょうか。楽天さんに出店したのを機に、「商品説明のコメントをそれぞれに付けたほうが良いのでは」となり、商品カテゴリー別に各担当者がコメントを書くようになりました。

――このスタイルが生まれたきっかけを教えてください。

ドゥペールノエル バッグや小物は若い有能なスタッフがコメントを書いていますので、常軌を逸脱した非常識なコメントを書くようなことはまずございません。

 ただし、宝石担当の者は定年を過ぎた嘱託(しょくたく)の老いぼれでございまして、この者長年の飲酒がたたったのか、あるいはもともとの気質なのか、事のよし悪しをよくわきまえぬしれ者。結果的にこのような世間様をざわつかせるコメントを垂れ流す運びとなっております。この憂慮すべき点をふまえ、弊社といたしましては、謹んで遺憾の意を表する次第でございます。

――ジュエリー担当のハリー中野さんについて、差し支えない範囲で教えてください

ドゥペールノエル 「香港ペニンシュラホテルから大阪南港フリーマーケットまで、あらゆる場所であらゆる客層に宝石を販売してきた、オールマイティなジュエラー」……などと本人はうそぶいておりますが、実際のところは前述の通り定年過ぎの老いぼれアル中おやじでございます。紹介文が面白いとおほめいただき調子こいておりますが、本人はいたって凡庸でつまらぬ退屈な、ご期待をあざむく凡人でございます。




 おもてむき「凡庸」とは言うものの、やはりユニークな紹介文を生み出している人物も相当ユニークな様子。ハリー中野さんは、たまにお客さんから注文時にしゃれた返しをもらい、ひそかに喜んでいるのだそうです。同店で宝石を購入する際は、応援などひと言添えるといいかもしれませんね。

協力:ドゥペールノエル/元鈴木さん(@Motosuzukisan


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