古代日本のチーズ“蘇(そ)”が千年に一度の大ブーム 3時間かけて作ってみたらマジで苦行だった(3/3 ページ)

» 2020年03月12日 20時39分 公開
[高橋ホイコねとらぼ]
前のページへ 1|2|3       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

実食してみた!:いちばんおいしかったのは“焼き蘇”

 一晩あけました。蘇を4種類の食べ方で食べ比べしていきましょう。冷蔵庫で寝かした蘇は、前日よりも堅くなっていました。濃厚4.4で作った蘇は冷凍したクッキー生地くらいに堅くなっています。一口サイズに切って食べてみましょう。

一晩寝かした蘇 冷えたら堅くなった

プレーン蘇:これは、まさに、チーズである

 この味を持ちうる言葉で簡潔に説明するなら、これはチーズです。甘みはほとんどなく、塩味がします。ベビーチーズに近いのですが、もっと薄い味です。現代の食品は、進化に進化を重ねて味がはっきりしてきているのではないでしょうか。今回作った蘇をどうやったらおいしくなるのかなと研究を進めると、現代の乳製品にたどり着くように思います。

 2つの蘇の違いを食べ比べてみましょう。温かいときには、濃厚4.4のほうが断然甘みがありましたが、一晩寝かしたあとは雪印メグミルクの方が甘味がありました。ホットミルクで感じるような甘みです。

プレーン蘇 プレーン蘇は、ほぼチーズ味

「蘇 ブルーベリージャムを添えて」:経験のない味に脳ミソがついてこない

 ネット上には、ジャムをのせるとおいしいという情報がありました。せっかく砂糖を使っていない料理なので、ジャムも砂糖を使用せず、冷凍ブルーベリーをみりんで煮込んで作りました。きっと上品な甘さが広がるおいしいスイーツになるはずっ!

蘇 ブルーベリーソースを添えて ブルーベリーソースを添えてみた

 うーむ。想像とは違う味になりました。おいしいとは思うのですが、未知の味すぎて脳みそがついてきません。生まれたときからこれを食べていたならば、きっとおいしいのではないでしょうか。ソースの味付けを工夫すれば、もっと合うようになると思います。

ハチミツ蘇:ハチミツの味が蘇に完全勝利

 こちらもネット上の情報。ハチミツをのせるとおいしいそうです。早速やってみました。

ハチミツ蘇 蘇にハチミツかけてみた

 うおおおおお。ウマい。ってかハチミツがウマいです。ハチミツの味が完全勝利します。現代の食べ物のほうが味が強いと前述しましたが、本当にそんな感じです。口の中で権力闘争が始まり、ヤリで戦う蘇が、ミサイルで戦うハチミツに負けた感じがしました。これもハチミツをうまく選べば、ピッタリ合うのかもしれません。

焼き蘇:リッツにのせたら最高にウマかった!

 最後に、焼き蘇を試してみます。これもネット上の情報です。グリルで3分焼いたところ、アルミホイルにくっついてしまいました。しかし、かじってみるとウマい。今まででイチバンおいしかったです。

アルミホイルに蘇がくっついたところ アルミホイルにくっついた焼き蘇をパクリ

 素朴な味です。「アルプスの少女ハイジが、黒パンにのせて食べていたチーズです」と言われたら、納得してしまいそうな味です。

 これはパンやクラッカーに合うかもしれません。試しにリッツに乗せて、グリルで焼いてみました

リッツを乗せて焼くところ グリルで3分焼いてみた

リッツ焼き蘇 リッツと一緒に焼いてみた

 う、う、ウマいっ! フォアグラのような食感が、リッツのサクサクと合います。まろやかなチーズの香りと焦げの香ばしさを感じたあと、穏やかな甘味がほんわりと口に広がり、弱めのクリームチーズが残ります。これ、普通にウマい!


 わかったことをまとめましょう。

  • フライパンでも時間はかかる
  • 作り方で味が変わる
  • 蘇は焼いてリッツに乗せて食え!

 蘇作りはすごく大変で、途中めげそうになりましたが、完成した喜びはひとしおでした。そして最後に一言。「蘇を作ってみた」という人がネット上には多数いますが、彼らに伝えたい。ホント、すげーよ、みんな、すげーよ。よくこんな作業やったよ。マジで、すごい!

参考文献:経沢信弘著『古代越中の万葉料理』・桂書房・2017年

高橋ホイコ

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2502/21/news157.jpg 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  2. /nl/articles/2502/21/news132.jpg コストコで販売「生カキ」原因で体調不良か…… 全国で1万食自主回収「深くお詫び」
  3. /nl/articles/2501/30/news115.jpg コストコで人気「ヨーグルト」に大腸菌群陽性の可能性…… メーカーなど謝罪「深くお詫び」 5万8000個自主回収
  4. /nl/articles/2502/21/news073.jpg 「行かねば!!!!!」 マクドナルド、次回ハッピーセットを“におわせ”…… “最恐”のコラボに「まじかーーー!」「これはたのしみ」
  5. /nl/articles/2502/20/news148.jpg 鮮魚店で売れ残ったタコ、自宅に連れ帰ると産卵して天国へ→母タコの代わりに卵をお世話したら…… とんでもない瞬間に「泣けました」
  6. /nl/articles/2502/21/news042.jpg コロコロよりも楽? 床に落ちた髪の毛 → ノンストレスで掃除できる“まさかの裏技”が「素晴らしすぎ」「神!!」
  7. /nl/articles/2502/20/news011.jpg 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  8. /nl/articles/2502/21/news145.jpg 「キスの会しよう」 華原朋美、高級接待した記者に“関係迫られる”トラブル 激怒の相手に5歳息子も怯え「あの人頭おかしいよ!」「ママやばい」
  9. /nl/articles/2502/21/news053.jpg 「助けて。息子がこれで幼稚園に行くってきかない」→まさかのアイテムに母困惑 「行かせましょう!」「控えめに言って最高」と反響
  10. /nl/articles/2502/21/news006.jpg 「3度見くらいした」 ハードオフに100円で売られていた“とんでもない掘り出し物”に仰天 「ガチでヤバい」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  4. 雑草ボーボーの荒れ地に“牛3頭”を放牧→2週間後…… まさかの光景に「感動しました」「いい仕事してますねぇ~!!」
  5. “この子はきっと中型犬サイズ”と思っていたら……たった半年後とんでもない姿に 「笑わせてもらいました」
  6. 年の差21歳で「夫は娘の同級生」 “両親大激怒”で結婚は猛反発されるも……“まさかの行動”で説得
  7. 163センチ、63キロの女性が「武器はメイクしかない」と本気でメイクしたら…… 驚きの仕上がりに「やっば、、」「綺麗って声でた」
  8. サイゼリヤ、メニュー改定で“大人気商品”消える 「ショック」悲しみの声……“代わりの商品”は評価割れる
  9. ママが反抗期の娘に作った“おふざけ弁当”がギミックてんこ盛りの怪作で爆笑 娘「教室全員が見に来た」
  10. 「さすがに無神経な内容」 “暴言受けた”伊藤友里が降板発表→岡田紗佳の直後の投稿に批判の声 Mリーガーも反応
先月の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  4. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  9. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  10. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議