ニュース
» 2020年03月11日 22時11分 公開

「残業代なんて出すわけない」物議を醸したDr.ストレッチの求人広告、元社員による改ざんだった 退職後もパスワード変えず【3月13日追記】

[池谷勇人ねとらぼ]

 「新型コロナは体調管理ができてない証拠」などの文章が物議を醸していた、ストレッチ専門店「Dr.ストレッチ」の求人広告(※)について、フランチャイズ運営元であるフュービックは3月11日、サイトの改ざんを行った人物について「フランチャイズ加盟企業(つながり)の元従業員」だったとの調査結果を公表しました(PDF)。つながり社は今後、元従業員に対し民事および刑事で責任追及を行っていくとしています。

※広告を直接掲載していたのはフランチャイズに加盟していた「つながり」社で、フュービックは「Dr.ストレッチ」のフランチャイズ運営元




 問題となっていた求人広告は、Dr.ストレッチのフランチャイズ加盟店「つながり」が、転職サイト「engage」に掲載していたもの。一見普通の求人ページに見えましたが、画面をスクロールしていくと、実在する役員の名前で「土日休みがいいとか意味がわかりません」「残業代なんて出すわけがありません」「残業したくないとか勉強不足」といったコメントが掲載されており、ネット上では「ここ数年で最も破壊力ある求人広告」「こんな超絶ブラック企業だったのか」など批判の声が相次ぎ、炎上状態となっていました。


Dr.ストレッチ 炎上 Web魚拓より

Dr.ストレッチ 炎上 Web魚拓より(名前部分は編集部で加工)

 その後フュービック側は当該の広告について「本人投稿ではない」「なりすまし(不正アクセス)により書き換えられた」などと説明。しかし、同社への批判がおさまることはなく、むしろ「なりすましだったことにして逃げようとしているのではないか」といった声もあがり“第二の炎上”状態に。さらにその後、広告を掲載していたengageも、追って「不正アクセスやそれによる情報漏洩が発生した事実はありません」とのコメントを発表したため(※あくまで「engage側への不正アクセスはなかった」という意味)、フュービック社長のTwitterには「嘘つき」「今時そんなアホみたいな言い訳が通じると思うなよ」など批判のリプライが殺到する形となっていました。


動機は「つながり」社への嫌がらせ

 今回の調査報告はこうした流れを受けて掲載されたもの。その後フュービックが「つながり」社や「つながりの元従業員」と面談を行ったところ、今回のサイトの改ざんを行ったのは、「つながり」社に恨みを持つ、「つながり」の元従業員だったことが確認できたそうです。

 報告によると、この「元従業員」がサイトの改ざんを行ったのは2019年12月下旬のこと。当時「元従業員」はまだつながり社に在籍しており、経営陣との意見対立から、同社への嫌がらせを目的として、虚偽のメッセージなどを掲載したといいます。また退職後も、2020年2月中旬までこうした改ざんを続けていました。

 なお「元従業員」は在籍中、サイトのアカウント管理を担当しており、同社は退職後もパスワードを変更していなかったとのこと。このため「元従業員」は退職後も以前のパスワードを使用し、数回にわたって不正アクセスを行っていたといいます。


「つながり」側は今後「元従業員」に対し責任を追求

 今後については、「つながり」社は「元従業員」に対し、民事および刑事での責任追及を行う予定とのこと。一方、フュービック側は「元従業員」に対し「スタッフ、並びに他加盟店企業様の名誉を著しく毀損した悪質な犯罪行為として、到底容認できるものではございません」としつつも、「元従業員」がまだ若く、真摯に謝罪していることから、今回は謝罪を受け入れ、法的措置などは控えるとコメントしています。

 今回の件を受け、Dr.ストレッチでは再発防止のため、セキュリティや従業員の労務環境保持といった監査体制を加盟店にも義務付けていくとのこと。最後に「この度は、多くの皆様に大変なご心配とご迷惑をおかけいたしましたことを、あらためて深く陳謝いたします。大変申し訳ございませんでした」と謝罪し、報告を締めくくっています。

 なお、なぜ2019年12月から現在まで改ざんに気づかなかったかについて「つながり」社に問い合わせましたが、詳細については現在調査中で、後日同社側からも詳しい報告を発表する予定とのことでした。


【3月13日追記】「つながり」社が声明を発表、「元従業員」の供述内容も

 3月12日、「つながり」社代表取締役社長・間宮秀樹氏のコメントが公開されました。不適切な内容が掲載されたことを謝罪するとともに、事件の経緯について説明しています。



 「元従業員」による犯行であることが確定したのは3月10日16時頃。「元従業員」本人から「やったのは僕です。こんな騒動になってしまうとは思いませんでした。言わなきゃいけない、謝らなきゃいけないと思って電話しました」という趣旨の電話があり、改ざん行為の子細が語られたといいます。

 「元従業員」に対する聴取の結果、改ざん行為は退職以前(2019年12月末〜2020年1月中旬)から行われており、退職後にも外部から何度か不正アクセスし、より注目を浴びるような内容に書き換える操作をしていたとのこと。

 ドクターストレッチの名称を用い、執行役員の名をかたった理由については、「その方が注目を浴びやすいと考えたから」と供述しているといいます。

 「つながり」社は「これら一連の違法行為が許されるはずもなく、弊社と致しましては、刑事と民事の双方において、元従業員の責任を追求していく所存です」と、責任追及の意思を改めて示しました。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2312/05/news021.jpg 柴犬が見つけた瀕死の子猫、最後の力で立ち上がり…… 優しさが救った小さな命が600万再生「感動と感謝です」
  2. /nl/articles/2312/06/news119.jpg 中尾明慶、「金八」で“めちゃくちゃケンカした同級生”と因縁の再会 10年前の悪態謝り倒し「芸能界でおかしくなっちゃった」
  3. /nl/articles/2312/06/news018.jpg 超大型ワンコ、予想を裏切る“ギャップ萌え”食事シーンが500万表示! お坊っちゃま感あふれる甘えっぷりに「可愛い〜」「品が良いですねw」
  4. /nl/articles/2312/06/news022.jpg インコが“断捨離”したドールハウス、中をのぞいてみると……? 衝撃の光景に「廃墟w」「大変なことにww」
  5. /nl/articles/2312/06/news111.jpg ユージ、新たな愛車は「世界一贅沢なトランポ」 ペルシャ絨毯使用のカスタムカー披露も「僕はバイクを乗せるつもりですが笑」
  6. /nl/articles/2312/06/news036.jpg 掘り起こした土がなかったときのウサギ→ぼう然 では土があったときは? うさうさブルトーザーに「想像を絶する可愛さだった」
  7. /nl/articles/2312/05/news190.jpg 「たった1カ月で行ってしまった」 桃井かおり、YOSHIKIの米国マネージャー追悼 “40年来の無二の親友”だった夫は「涙まだ止まらず」
  8. /nl/articles/1705/16/news143.jpg 「同性愛者を入店させないで」と投書した客に「もう来ないでください」 お店の回答に称賛の声集まる
  9. /nl/articles/2312/05/news138.jpg 田中みな実、“共演した姉”の存在に反響「居るとは聞いていたけど」「激似やなぁ」 すらっとしたたたずまいに「品のあるお方」
  10. /nl/articles/2312/06/news097.jpg 「何処に行っちゃったのかな」 白鳥久美子の息子、生後1か月にして“ちょっと心配”な症状 初受診で医師「この時期に通院する赤ちゃんはいる」
先週の総合アクセスTOP10
  1. オール巨人、30年モノな“伝説の1台”に自負「ここまでキレイな車はない」 国産愛車の雄姿に称賛の声「気品がある」「凄くエレガント」
  2. 「明らかに写真と違う」 東京クリスマスマーケットのフードメニューが物議…… 購入者は落胆「悲しかった」
  3. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  4. 田中みな実、“共演した姉”の存在に反響「居るとは聞いていたけど」「激似やなぁ」 すらっとしたたたずまいに「品のあるお方」
  5. 藤本美貴、“全然かわいくない値段”のテスラにグレードアップ スマホ一つでの注文に「震えちゃ〜う!」
  6. マックで「プレーンなバーガーください」と頼んだら……? 出てきた“予想外の一品”に驚き「知らなかった」
  7. 伊藤沙莉、“激痩せ報道”の真相暴露→広瀬アリスの株が上がってしまう 「辱めったらない」告白に「アリスちゃん、ええ人や〜」
  8. 「あなたは日本人?」突然送られてきた不審なLINE、“まさかの撃退方法”に反響 「センス良い」「返しが秀逸」
  9. “鬼ダイエット”で激やせの「Perfume」あ〜ちゃん、念願の姿に「着れる日が来るなんて」と大喜び
  10. 900万再生のワンコに「電車で笑ってしまった」「つられてめちゃくちゃ笑っちゃうw」 “突然魔王になった犬”に腹を抱える人続出
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
  2. 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
  3. 実は2台持ち! 伊藤かずえ、シーマじゃない“もう一台の愛車”に驚きの声「知りませんでした」 1年点検時に本人「全然違う光景」
  4. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 西城秀樹さんの20歳長男、「デビュー直前」ショットが注目の的 “めちゃくちゃカッコいい”声と姿が「お父さんの若い頃そっくり」「秀樹が喋ってるみたい」
  7. “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
  8. 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. おつまみの貝ひもを食べてたら…… まさかのお宝発見に「良いことありそう」「すごーい!」の声
  10. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」