自販機でドリンクとおむつが買える!? ダイドーが全国展開を目指すベビー用紙おむつ自販機、その背景を聞いた

背景には国土交通省によるサービスエリア・「道の駅」での子育て応援の取り組みが。

» 2020年03月13日 19時00分 公開
[谷町邦子ねとらぼ]

 ドリンクの横に並んでいるのは……おむつ!? ベビー用紙おむつと飲料を販売する、ちょっと異色の自動販売機(以下、おむつ自販機)が、一部の道の駅に登場しています。設置したのはダイドードリンコ


ベビー用紙おむつの自動販売機 ダイドードリンコの飲料とベビー用紙おむつが一緒に販売されています

 おむつ自販機は現在、「道の駅 いたこ」(茨城県潮来市)、「道の駅 北川はゆま」(宮崎県延岡市)、「道の駅 みまの里」(徳島県美馬市)に置かれています。紙おむつは2枚入りの小パック(220円)を販売。今後はさらに全国およそ200台を展開予定とのこと。

 このおむつ自販機が作られるようになったきっかけ、誕生までの苦労を、ダイドードリンコの担当者に聞いてみました。

続けていた自販機による社会貢献。今回は子育て世代に

 「当社は国内飲料事業売り上げの約8割が自動販売機からなので、もともと自動販売機での社会貢献に関心がありました」(担当者)

 ダイドードリンコはこれまでも、災害時に自販機の中の商品を無料で取り出すことができる災害救援自販機や、自販機で傘を無償で貸し出すレンタルアンブレラなどを展開してきました。


ベビー用紙おむつの自動販売機 地域や社会への貢献、環境保全に取り組んできたダイドードリンコ(HPより

 加えて、おむつ自販機に携わる背景となったのは、2018年に国土交通省が発表した、高速道路のサービスエリアや道の駅での子育て応援の推進。その中には「おむつのばら売り」が含まれていたのです。

 そこで同社と取引があったセコム医療システム、大王製紙とで「おむつ」を自販機で販売できないかと検討を重ねたといいます。

 「自販機を通じた社会貢献で、子育て世代に利便性を提供できる面白いアイデアだと考え、ともに実現を目指すことにしました」(担当者)

 セコム医療システムはおむつの包装、大王製紙は紙おむつの製造、そしてダイドードリンコはおむつ自販機の設置と飲料やおむつの管理などを担当。こうして3社がそれぞれの強みを生かし、おむつ自販機の実現に至りました。

スムーズな取り出しや衛生面にもこだわる

 おむつ自販機の開発で苦労したのは、紙おむつを自販機内に適切にセットし、スムーズに取り出すことだったそうです。

 「飲料とは別の構造のスペースにセットできる自販機を活用することで、適切に紙おむつを補充できるようにし、さらにスムーズに取り出すことができるように、紙おむつも円柱状にしなければなりませんでした。紙おむつとしての機能を保ちながら円柱状に丸める、そんな包装を開発するまでが大変でした」(担当者)

 おむつの包装は無事完成し、取り出しのテストもクリアしました。


ベビー用紙おむつの自動販売機 飲料とベビー用おむつ、同じ自販機で購入できるけど、別々の出口から出てきます

 ダイドードリンコの飲料と一緒に販売されている紙おむつですが、もちろん紙おむつだけの購入も可能。飲料は特に赤ちゃん向けのものというわけではなく、同社の一般的な飲料が販売されています。

 他の飲料メ―カーもおむつ自販機の開発や設置を行っていますが、ダイドードリンコならではのこだわりも。

 「取り出し口が飲料とおむつで別々になっています。分けることで安全面や衛生面を確保しました」(担当者)

全国の道の駅、そして商業施設での展開を目指す

 2019年10月11日、「道の駅いたこ」におむつ自販機第一号機が設置されました。さらに、同年11月14日に「道の駅 北川はゆま」、2020年2月17日には「道の駅 みまの里」が続きます。


ベビー用紙おむつの自動販売機 昨年秋からおむつ自販機の設置がスタート

 「施設を使う子育て世代の多さに左右されますが、おむつ自販機でおむつは売れています。『紙おむつを忘れたり、足りなくなったときに助かる。安心して親子で外出できる』という声もいただいております」(担当者)

 今後は「道の駅 庭園の郷 保内」(新潟県三条市)「道の駅 加治川」(新潟県新発田市)に加え、体育文化会館(新潟県三条市)などにも設置予定とのこと。

 「今後は全国展開を目指し、道の駅だけでなく子育て世代の方が多く利用する商業施設にも設置していきたいです」と担当者は語ります。


ベビー用紙おむつの自動販売機 おむつ自販機で心配ごとが減り、笑顔の多い旅になる、かも

 子育て世代、特に乳幼児を連れての外出はどうしても荷物が多くなりがちです。おむつ自販機が増えると、子育てもより安心できて、ゆとりのあるものになりそうですね。

(谷町邦子 FacebookTwitter

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  9. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
  10. /nl/articles/2411/13/news045.jpg “雑草ボーボー”で荒れ果てた庭→22歳素人が“2日間かけて”伐採をしたら…… 見事なビフォーアフターに「すごい感動」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた