新人漫画家が描く「3.11をめぐる物語」が胸を打つ 9年たった今だからこそ読みたい切なく温かい物語(1/2 ページ)

震災をテーマに人間の弱さと強さを描いています。

» 2020年03月18日 21時00分 公開
[宮原れいねとらぼ]

漫画家 ヤマモトヨウコ 3.11 震災 物語 おばあちゃん 孫 柴犬 あの日起こったことを創作漫画で描いています

 あの日から9年たった“3.11”をテーマに物語を紡ぐ、新人漫画家・ヤマモトヨウコ(@YY0905)さん。震災の記憶を風化させないという思いだけでなく、そこにはつらくとも前に進もうとする人間の強さが描かれています。一つ一つの言葉が胸を打つ……。

 2019年1月に投稿された漫画『ばあちゃんと孫』。歯医者をイヤがる孫の男の子に、「痛い時、怖い時はな、親指を中さ入れてギュッとすっといんだよ」とおばあちゃんが教えるお話です。

「ばあちゃんと孫」


漫画家 ヤマモトヨウコ 3.11 震災 物語 おばあちゃん 孫 柴犬

漫画家 ヤマモトヨウコ 3.11 震災 物語 おばあちゃん 孫 柴犬 おばあちゃんが孫に教えた“おまじない”

漫画家 ヤマモトヨウコ 3.11 震災 物語 おばあちゃん 孫 柴犬

漫画家 ヤマモトヨウコ 3.11 震災 物語 おばあちゃん 孫 柴犬 思わず涙がこぼれる……

 その教えで苦手な歯医者を乗り切った男の子でしたが、物語の後半で――その半年後、孫は津波に流され、冷たい状態で見つかった――と、東日本大震災の津波で亡くなったことが語られます。見つかった孫の手を見ると、親指が中で握られており、おばあちゃんは「よぐ頑張った、よぐ我慢すたな。ばあちゃんももう少すすたら逝っから、もう我慢すっこどねえがら。早ぐ休めよ…」と、大事な“自慢の孫”に涙を流しながら話しかけるのでした。言葉と表情が優しいだけに強く心に来る……。

 同漫画はフィクションですが、間違いなく“起こった”出来事であり、つらい現実と向き合うことになります。しかし物語は恐ろしさや不安をあおるものではなく、むしろ大切なものをあらためて教えてくれます。その後公開された後日談『はじめての犬』は、おばあちゃんが亡くなった家族(娘と孫)が飼いたがっていた犬を飼う話。2人を喜ばせようと思って飼ったことをきかっけに、おばあちゃん自身が楽しい時間を過ごす様子は、シリアスな背景がありながらも心を温かくしてくれます。

「はじめての犬」


漫画家 ヤマモトヨウコ 3.11 震災 物語 おばあちゃん 孫 柴犬

漫画家 ヤマモトヨウコ 3.11 震災 物語 おばあちゃん 孫 柴犬

漫画家 ヤマモトヨウコ 3.11 震災 物語 おばあちゃん 孫 柴犬

漫画家 ヤマモトヨウコ 3.11 震災 物語 おばあちゃん 孫 柴犬

 ちなみにヤマモトさんは地元民というわけではなく、東北に転勤してからさまざまな取材を通して描いています。「だれかを傷つけてしまわないか」という葛藤がありながらも、自分の目で見たり聞いたりしたことを伝え届けたいという思いでつづった『3.11をめぐる物語』。オムニバス形式で描かれた作品群はモーメントで公開中で、2020年3月にも関連する物語が投稿され、今も3.11と向き合う作者の思いに触れることができます。

 そして現在、ヤマモトさんは“自分を人間だと思っている柴犬”の「豆柴太」を主人公にした新作漫画を準備中。現在の被災地における復興の状況といった内容も含め、より熱い感情を込めて描かれる作品に注目です。


漫画家 ヤマモトヨウコ 3.11 震災 物語 おばあちゃん 孫 柴犬 自分を人間だと思っている豆柴太

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/17/news023.jpg 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  2. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  3. /nl/articles/2404/17/news136.jpg もう別人じゃん! miwa、大胆イメチェンで面影ゼロに「まさかのこんな色になってるとは」「だれー!?」
  4. /nl/articles/2404/17/news111.jpg 「ぶち抜きたいです」 辻希美、懇願拒否された13歳長男が“荒くれ反抗”……息子の室内破壊に嫌悪あらわ「言葉が出ない」
  5. /nl/articles/2404/16/news185.jpg 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  6. /nl/articles/2404/17/news029.jpg 「キュウリが冷凍できるとは76年も生きて来て知らんかったなあ」 野菜ソムリエプロが教える冷凍&活用アイデアが328万再生
  7. /nl/articles/2404/17/news117.jpg 「虎に翼」、壮絶過去演じた16歳俳優に注目の声「違国日記の子か!」 「ブラッシュアップライフ」にも出演
  8. /nl/articles/2404/17/news025.jpg 築36年物件の暗くてボロいトイレをリメイク→ぐーんと垢抜け! 驚きのビフォアフに「すごいですね!」「天才」の声
  9. /nl/articles/2404/15/news081.jpg 【今日の計算】「13+8×2−11」を計算せよ
  10. /nl/articles/2211/26/news054.jpg 辻希美&杉浦太陽、15歳迎えた長女のレアな“顔出しショット”でお祝い 最近は「恋バナ」で盛り上がることも
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」